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2022年9月
＜＜2022年：7-12月分 タイトル＞＞ 9月
09/30 ビールとミルク 09/29 鬼門 09/28 マスク着用いつまで 09/21 日本三大急登 09/20 SFとリアル 09/16
集団免疫と台湾有事 09/14 フランス反カルト法 09/13 ウクライナ支援策 09/12 正気か札幌オリンピック 09/09 当てものと越中
09/08 右翼左翼 09/06 海洋国家と内陸国 09/05 PCR検査遅れ 09/02 無税という温床 09/01 二百十日
2022年9月29日
鬼門
わが家の近くに認定こども園があるが、園児たちは、お世話をしてくれる保育教諭のことを「〇〇子先生！」と呼んでいる。
しかし、園児たちの母親にしてみれば自分より年下のネエチャンのことを、先生というのには抵抗がありそうな雰囲気だ。
まあそれはともかく、世の中にはやたらと「先生」と名がつく職業があり、まあ大臣だとか大教授、医学博士位なら、まだ納得がいくが、若いお笑い芸人や、エロ漫画家たちにも「先生」をつけて呼ぶとなると―――、そのシチュエーションや響きによっては、川柳の「先生と言われるほどのバカでなし」を思い出してしまう。
大阪府議会の議会運営委員会の維新、公明、自民の３会派では、議員同士あるいは府の職員が議員を「先生」と呼ぶと、職員との間で上下関係を生みやすく、議員も勘違いしやすい―――との理由から、今後議員を「先生」と呼ぶことをやめるという合意が成立したという。従って今後大阪府では、議員の呼称は「議員」や「さん」などになるという。
かつて国会議員や府知事を務めた「パンパカパーン！」の横山ノック知事は、選挙カーの中でセクハラ行為に及び、刑事裁判で有罪（執行猶予）となり、府知事をやめざるを得なくなったが、「先生」と呼ばれるようになって勘違いしたことが原因だったといわれたものだ。
国会議員をはじめ市議会議員、村会議員に至るまで全国で議員先生の不祥事が実に多いのも、やはり糞も味噌も一律に「先生」と呼ばれるようになったことによる勘違いから起きるのだろう。そうそう、先生と呼ばれる坊主や藪医者には、スケベ―が多いなんていう俗説があるが、それも彼等が、先生とよばれるし、金と暇を持て余すからだともいわれると―――やっぱり「先生」と呼ばれることは、鬼門のようだ。
（9/01/22 11:00pm S.T）
2022年9月28日
マスク着用いつまで
英国のエリザベス女王の国葬中継を見ていてあらためて気づいたのは、多数の参列者、あるいは沿道で見送る市民の中に誰一人としてマスクをしている人がいないことだったが、今日行われた安倍元総理の国葬では、外国要人を含めて誰一人マスクをつけていない人はいなかった。安倍総理の国葬では、政府が参列者全員にマスク着用を要請していたからだというが、英国の場合まさか「マスクを外せ！」という要請があったとは思えないだけに、マスクに対する彼我の差にはあらためて驚かされた。
国葬が行われている同時刻に国会前で行われいたという国葬反対デモに於いても、デモ参加者全員がマスクを着用していたのだから、政府の要請があろうがなかろうが、日本人は自発的に今後何年も、人前でのマスク着用は続けていくであろうなぁ～と思う。外国人の入国に制限を設けないとか、感染者の全数把握を止めるとか、遅まきながら、日本もアフターコロナというか、ウィズコロナに舵を切りつつあるとはいうものの、マスクを外して人前に出る―――などという所迄、踏み切るきっかけを完全に失ってしまった以上、共産主義中国がゼロコロナ政策の緩和に踏み切れず、経済がどうなろうともいつまでも都市封鎖を続けざるを得なくなっているのと同じで、日本もマスク着用の無言の圧力が、このまま何年も続くのだろう。
大谷選手の活躍を見ようと、MLBの中継を見ていると球場の観客全員がマスクをつけておらず、大谷選手見たさに駆け付けたのであろう日本人らしきカップルだけが、マスクをつけていたのが異様に目立ったが―――日本の球場でマスク無しの観客がテレビに映ろうものなら、日本中の視聴者からテレビ局や球場に、抗議のメールや電話がかかり続けるのではないだろうか。
このマスクに対する日本と海外の違いについては、この欄で何度か書いたとおり、目で感情を表す日本人と、口元の動きで感情を表す外国人の違いだとか――全体調和を重んじる日本人と、個人の独自性を重んじる外国人の違い等が、その遠因だといわれるが―――なんとも不思議だ。
そうそう、エリザベス女王の葬儀に参列された天皇皇后両陛下は、「郷に入っては郷に従え」なのか、マスクは着用していなかったが、今日の国葬では外国の王族や、元首といった方々は全員マスクを着用していたのも、やはり外交儀礼上の「郷に入っては郷に従え」からなのだろうか。当初参列が予定されていると報じられたアメリカのトランプ前大統領が参列を取り止めたのは、マスク着用を嫌ったからなのかなぁ～。
（9/27/22 11:00pm S.T）
2022年9月21日
日本三大急登
ゴルフをやっていた若い頃、会社のコンペのあるホールでティーショットを打ったら、かなりの飛距離がでて一緒に回っていた先輩の一人のティーショットをはるかにオーバードライブしたことがあった。
シングルプレーヤーだったその先輩は、余程くやしかったのだろう、「昔の俺ならタカさんの距離よりははるかに跳ばしていた」とつぶやいたところ、それを聞いていた、もう一人の先輩が「昔は、すごかった、と言うのは年寄りの常套句！」といったものだから、キャディーさんを含む全員が大爆笑したことがあった。
先日テレビで飛騨山脈の野口五郎岳への登山道のブナ立尾根を日本三大急登の一つと紹介していたので思わず、そうそう、学生時代は急登と名がつく登山道を全制覇してやろうと、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根や谷川連峰西黒尾根、南アルプス北岳の草すべり等に、わざわざそれを選んで挑戦したことがあったなぁ～と思い出し、ふっと、自分も昔ゴルフ場で「昔の俺の飛距離はすごかった」とつぶやいて笑われた、あの先輩同様、すでにかなり歳をとってきたのだなぁ～と思いしらされた。
若い頃には、駅の階段を二段跳びで上っていたのに、今やエレベーターを探して利用するようになってしまったタカさんが、「昔は、日本の急登制覇をめざしたものだった！」なんて懐かしんでいるのだから―――。
（9/20/22 11:00pm S.T）
2022年9月20日
SFとリアル
おとぎ話は今でいうならフィクションと言われるジャンルになるだろうが、その内でもかぐや姫（竹取物語）とか浦島太郎の話は今でいうなら、サイエンス・フィクション（SF）の部類だろうか。千年も前の人が「月の世界」だとか竜宮城でのタイムトラベル（浦島が竜宮城から帰ってくると３００年が経っていた――）の発想とは――まさにSFの発想だ。
時間の経過を現実世界を超越して考えがちなのは、現代でも宇宙の科学の分野ては浦島太郎の話と似た感覚を持っている人が多いように思う。
1光年とは秒速30万キロメートル進む光の速度で一年間かかる距離のことだ。この広い宇宙で太陽に最も近い恒星は、ケンタウルス座α星だが、この星までは光速で4.3年かかる距離にある。
地球に似た系外惑星が、このケンタウルス座α星の回りにあるので、そこに探査機を送ろうとすれば、光速でも4.3年かかるが、今迄人類が飛ばした最速のロケットを使って、実際に探査してみようとすれば片道3万年かかる計算になる。
3万年ではとても無理だから、せめて地球の近くの惑星、例えば火星に探査機を送る――となれば火星迄の距離は13光分（光速で13分）だから随分近そうに思えるがロケットだと約260日程かかる。クルーズ船ならともかく狭いロケットの中で260日間は随分つらかろう（クルーズ船でさえ船酔いするタカさんは、絶対お断りするのに）
まあ、数十年内には誰かが行くかもしれないが、火星よりさらに遠い惑星へ人類が行くなどということは現実的ではないから考えない方がよい。（ワープ航法だとか、冷凍睡眠等々いろいろなSFっぽい方法が言われてはいるが、それは当面はSFに任せておくのが無難だろう）
勿論誕生以来138億年のこの宇宙の広大さから考えて、地球という星には生命がいてそこには我々人類のような知的生命体が存在しているのが現実だから、宇宙のどこかには知的生命体がいる可能性は、確率論的にはあるし、むしろ宇宙には知的生命体が溢れている、といえるかもしれないが、近くの惑星にさえ行けず、ましてやアルファケンタウリの実地探査などはとても無理と分かっている人類が、他の生命体と遭遇する可能性は、1億年、いや10億年の間ではない！と考えるべきだろう。
もっとも1000万分の一のジャンボ宝くじの確率であることを知りながら、未だもって買い続けているタカさんは、夢をもって地球外生命体探索の可能性を探り続けている、科学者たちを尊敬してはいるが――。
（9/19/22 11:00pm S.T）
2022年9月16日
集団免疫と台湾有事
今から約100年前に起きたスペイン風邪の大流行で、日本では、当時5000万人だった総人口の4割に当たる2000万人が罹患し、その2.25％の45万人の死者が出ている。（世界では死者4000万人）
しかし、スペイン風邪は、1918年に発生してからその2年後には、ウソのように消滅してしまった。なぜこの大流行が終わったのか――様々な研究がなされているが、もっとも有力な説がウィルスが世界中に蔓延したために人類が、集団免疫を獲得したからではないか、というものだ。
集団の約6割が免疫を獲得すると、残りの4割のの間でも感染が爆発的に広がることはない、というのが疫学的な定説であり、スペイン風邪の場合は2年の内に集団免疫が獲得されたのではないかというのだが、コロナの場合も、日本では既に2000万人が感染し、また多くの人達が、ワクチン注射によって（例え、その内の6割にせよ）免疫を獲得しているとすれば、国民の大多数は、弱い、強いの差はあるにせよ、免疫を獲得しているとも考えられ、そうであれば、日本では、コロナはもうこれ以上は広がらない、という予測も成り立ちうるようにも思えるが―――。
早い時期にコロナの大発生を経験した欧米などでは、一足早く集団免疫が達成されたのではないかとも言われており、又、「もうこれ以上、厳しい統制を敷いていては、社会生活も経済も持たないから、この際、規制をなしにしよう」という声とあいまって、大幅に規制が緩和されている。おっかなびっくりだった日本も、ここにきて欧米にならってゆっくりではあるが、規制の緩和に向かいはじめている。
そうなると、もう3年にも及ぶ厳しい都市封鎖を行い、しかもRnaワクチン程の免疫効果はないともいわれる、中国製ワクチンを使っていると言われる、中国の場合、集団免疫からは程遠い状態にある可能性が高く、しかも、何事でも一度党中央が行った決定は、方向転換できないいわれる独裁中国では、今後いつまでたっても、厳しいコロナ封鎖を解除することはできない――という自縄自縛のコロナの罠にはまりっぱなしになる可能性がある。
そこで憂慮されるのが、「内政に問題がある時には、国民の目を国外に向けさせろ」という政治の鉄則に則って、中国が、コロナ封鎖によって起きる国民の不満の声をそらせるために、彼等にとって最も、手頃な方法である、台湾や尖閣への侵略を始める可能性だ――――。
中国のコロナが台湾有事にむすびつかなければよいが――。
（9/15/22 11:00pm S.T）
2022年9月14日
フランス反カルト法
旧統一教会の宗教二世が起こした安倍元総理の銃撃事件以来、カルト集団と政治の関係がにわかにクローズアップされている。
日本に於ける旧統一教会の信者は実数では7万人といわれ、創価学会の700万に比べれば微々たるものにすぎないから、マスコミ各社も叩きがいがあるようで、今や10年前に、旧統一教会系の団体の集会に祝電を送った―――といった本人が忘れているような「関係」でも、極悪非道な宗教との癒着－－ででもあるかの騒ぎだから、政治家は市議会議員に至るまで戦々恐々としているようだ。
歴史的にも宗教と名のつくものは、人間社会とは切っても切り離せない関係にあり、政治社会を大きく動かしてきたことは、各国の歴史をみるまでもない。
例えば、世界三大宗教の一つであるキリスト教とフランスの歴史も、キリスト教はじまって以来の2000年の内には数々の出来事があった。（十字軍やジャンヌダルク、大宗教戦争等々）
そんな中で、フランス革命以来の伝統として「宗教と政治の分離」が早くから試行錯誤されてきたのもフランスだからこそと言える。1960年代以降フランスではカルトによるマインドコントロールを受けた若者が、数々の社会問題をおこしたことで、何らかの対策をとることが模索され、結局「信教の自由」の問題と、全く切り離して、「反社会的カルト集団」を規定して、これを規制するという「反カルト法」を成立させ、今や国民的にもこの法律は広く受け入れられている。
反カルト法は、その宗教の“教え”ではなくその団体が、反社会的な行動をしているかどうかでジャッジをする方法をとっている。その判断基準というのは、10項目あり、主な物には「法外な金銭要求（献金など）をしていないか」「元の生活からの意図的な引き離しをしていないか」「身体に対する危害をくわえていないか」「子供の強制的な入信をさせていないか」「反会的な説教をしていないか」「通常の経済流通経路からの逸脱（高額な物品販売など）をしていないか」等であり、これに該当すると判断された団体は「無知あるいは脆弱な状況の濫用」をしたとして刑法犯罪として、処罰できるようになっている。
このフランスの反カルト法には、既に旧統一教会と創価学会が指定されていてフランスでは活動できないのだ。
あらためて日本も、考えさせられる例だと言えるのではないだろうか。
（9/13/22 11:00pm S.T）
2022年9月13日
ウクライナ支援策
ロシアのウクライナ侵攻を止めさせることには、民主主義国がその程度には差があるものの一致してしている。その趣旨には賛同しつつも、ウクライナからは遠い日本では、直接的にできることといえば、避難民の受入れとか、ウクライナへの義援金の寄付といったことに限られるように思えるが、日本としての最大限貢献できることといえば、やはり侵攻を続けるロシアへの経済制裁に加わり、ロシアを兵糧攻めにすることではないだろうか。
米欧のような直接的な軍事支援ができない日本だが、経済制裁ならできる。即効性のある経済制裁となると中々ないとしても、例えばロシアにとって一日1000億円にも上るという外貨収入源であるエネルギ輸出を締め上げることができれば、これがひいては、ロシア軍の兵站補給を難しくさせることにつながる訳で、間接的なウクライナ支援になる。
ロシアのエネルギーに大きく依存（しすぎともいえるほど）していたドイツが、ここにきて原子力発電の閉鎖を延期したり、他のソースからの輸入に切り替えようとしたり四苦八苦しているなかで、日本がサハリンからのLNG輸入からの撤退を躊躇しているのは、ある意味ではロシアのウクライナ侵攻に加担していることにもなりかねず、恥ずかしい限りだが、まあ天然ガス輸入のわずか10％に過ぎないから、制裁、制裁と言いながらも、まだロシアから買い続けているヨーロッパ各国や、むしろ輸入を増やしているインド、中国に比べたらマシといったところだろうか。
それはともかく、さし当ってロシアからの原油や天然ガスの輸入が急には止められないならば、それへの依存度を下げてることが必要だ。
その為には緊急にできることは、いくつもある。まず、原発の再稼働促進、休止している石炭火力発電のフル稼働といったことは、二酸化炭素で今日明日どうというわけではないのだから、日々苦しんでいるウクライナの人々のことを思ったらすぐにでもやるべきだ。
それに加えて、高止まりしている国際石油価格のおかげでウハウハ言っているロシアを困らせるためには、やはり石油価格を少しでも下げるひつようがある。その為には、日本が現在備蓄している原油の内、政府指導の90日分を上回る量は、困っている国に転売してはどうだろうか。これだけの量が一時的にでも石油市場に行きわたれば、石油価格は下がり、それが大きなウクライナ支援にもなる。歴史的にも、戦いに於いて兵站の不足によって負けいくさになったところは多い。
日本は今できる支援を、今やるべきだ。
（9/12/22 11:00pm S.T）
2022年9月12日
正気か札幌オリンピック
東京オリンピックは、一年延期してでも開催した方が良かったのか如何か――とマスコミ各社が東京五輪の直後に行った世論調査では5割が「よかった」と答えていたが、五輪がらみの一大収賄事件の捜査が始まっている一年後の今、同じ世論調査をしたら多分「良かった」という答えは激減しているのではないだろうか。
ましてや2030年の冬季五輪を札幌市に招致するという案についてとなれば、「東京五輪での経費は当初予算の1.5倍の1兆4328億円」だとか、「その内の都と国の負担（要するに我々が払った税金）が55％にもなった」あるいは「これから先何十年も莫大な施設管理費や維持費がかかりつづける」と聞く中で、電通をはじめとする広告業界がそれらをエサにしてボロ儲けしていた―――等と聞いては、とてもじゃないが国民全体が「あんなバカげたイベントをもう一度やろうなんて！正気の沙汰とは思えない！」というのは当然ではないだろうか。
案の定、直近の札幌市民への世論調査では、招致賛成の意見は大きく5割を割っているし、何しろIOCの本部も、不正事件で揺れているJOCの訪問を断る！など、今や山下会長も四面楚歌の中にあるようだ。（東京地検が全大会組織委員会会長だった森元首相の事情聴取をはじめた―――というニュースまである中では、「是非とも札幌五輪を！」などといいだすのは政治家としてはリスクが高すぎる。
そもそもIOCという組織、近年は毎年と言ってよいほど、数々の国で不正のニュースを繰り返して来たし、バッハ会長自身の、東京での傍若無人な振る舞いを繰り返し、これを苦々しい思いで見ていた人は多かった。、日本はもうそろそろ、五輪などというものとは距離を置くべきで、少なくとも開催地になることだけは、避けるべきだ。（長野五輪の後の施設の悲惨な状況を思い出して欲しい）
3年にも及ぶコロナの影響で、数多くのイベントが中止となり、中には今迄惰性で続けてはきたが、「思い切って中止にしてよかった」となり、再開の機運が高まらないイベントまであることを考えると、いかにお祭り好きな民族とはいえ、日本も、そろそろ惰性で続ける五輪開催騒ぎからは距離を置くべき時期ではないだろうか。
（9/11/22 11:00pm S.T）
2022年9月9日
当てものと越中
ロシアのウクライナ侵攻がはじまった直後、プーチンが大テーブルの一方の端に座り、彼が呼びつけたであろう将軍がその反対側にいて不動の姿勢で「お言葉」を聞いている―――という画像をよく見た。
プーチンが自分の権威がどれほどあるのかを見せつけ、その映像を見た他の将軍や政権幹部たちも、この独裁者の権威に恐れ入った―――ということなのだろうが、あれから半年以上が経った最近は、そんな場面を見なくなり、テーブルも小さくなり幹部との距離は近くなっているが―――プーチンの権威が大分落ちてきたのか、それとももう用心しなくても大丈夫だと彼自身が考える程に、反逆の可能性のある連中をことごとく粛清してしまったからなのだろうか―――。
同じく、当初はテーブルの縁をしっかりもっているプーチンの画像に、「プーチンはパーキンソン病の初期だ」「認知症の兆候が出ている」などといったプーチン健康不安説がまことしやかにいわれ、中には「あと一年ももたないのでは？」などという記事まであったけれど、最近はプーチン健康不安説などの類は、なかったかの如くに消えてっている。マスコミの中にはこれらの憶測を「そうであったらいいなぁ～」という思いからなのか、番組や記事の中で披露するところもあったけれど、その手の類の話は、最近ではさっぱり聞かない。
プーチン自身、ウクライナ侵攻は短期で片が付く、と踏んでいたともいわれているが、既に半年が経過、あと半年の内にでさえ終わるとも思えない情勢だが、さまざまな「消息筋」がさまざまな予測を口にするものの、もはやどれも信用が置けないことが、この半年で実証されてしまっただけに、耳を傾ける人は減っているように思われる。
国の経済を傾けてまでも「ゼロコロナ」の強行ロックダウンを続ける中国だが、さすがにここにきて人々の不満が出てきて、締め付けを、少しはゆるめかけたものの、再び出てきはじめたオミクロン株の為に、秋の全人代終了まではと、意地でもロックダウンを強行する構えだ。
一度決めた「ゼロコロナ」の方針を変えられないのは、共産党の絶対無謬性にとらわれている習近平の自縄自縛の罠なのだろう。
さっきいったことを忘れる日本のマスコミと、自縄自縛の中国とどちらがマシなのだろうか―――。
それにしても予測やら憶測は、本当に良く外れるものだ。そういえば「あてものと越中褌は向こうから外れる」と昔の人もいっていたっけ―――。
（9/08/22 11:00pm S.T）
2022年9月8日
右翼左翼
右翼、左翼という言い方は、フランス革命期の国民議会や立法議会で、議長席から見て議場右側に保守・穏健派、左側に共和・革新派が陣取ったことから名ずけられたのだが、それから既に二百数十年がたち、もはやその区分は意味をなさないと言っても過言ではない。
現代に於いては政治的意見の対立の様相は、より複雑で例えば全体主義対個人主義とか、民族主義対グローバリズム等々多岐に亘っているし、個人の自由を尊重しつつ国家としての統一を目指す等々といった風に複雑に絡み合い、混じり合っているから右翼・左翼といった二元論で片付けることは不可能だし無意味だ。
しかし、それにも関わらず、右翼、あるいは左翼というレッテル貼りが行われているのは、そういうレッテルを貼ることで話を単純化し易い、という面があるからだろう。特に自分の側にさしたる論理的根拠のないばあいに、相手を批判する場合にはこのレッテル貼りは便利なようだ。
現代でいうならば、守旧派と改革派、あるいは保守とリベラルという色分けが行われるが、これは主に相手方を罵倒する際に使われることが多い。(さして中身があるわけでもない改革派を自称する一派が、相手を「守旧派」と言って罵倒したり、その逆に保守派が相手をネトサヨと呼んだりする場合など）
憲法改正を叫ぶ一派は、概して保守派、あるいは右翼といわれ、憲法を守れ！と叫ぶ一派はリベラル勢力と言われることが多いが、考えてみれば憲法を改定しよう（変えていこう）というのは、本来的には改革派と呼ばれるべきで、「憲法を守れ」と叫ぶのは、「現状を変えるな！」というのだから保守派、すなわち右翼ということになるはずなのに―――。
世界中には今やこの左翼・右翼、改革か保守か、の色分けの混乱がいたるところにある。
かつて、共産主義革命華やかな頃には、共産党は左翼の最たるものといわれたが、今世界に残る数少ない共産党主義の国、（例えば中国）は、一党独裁、全体主義体制を「保守」することに汲々としているから、左翼だとか改革派のオリジナルのイメージとは対局にあるといってよく、民主主義的選挙制度によって政権を保っている国、イギリスやアメリカ、そして日本などでは政権がコロコロ変わるし、どこも時にはバラマキといわれる福祉政策をとっていることから、これを右翼だとか保守と言ってよいのか――――迷うところだ。
特に日本においては右派、左派のレッテル貼りの改訂が必要なようだ。
（9/07/22 11:00pm S.T）
2022年9月6日
海洋国家と大陸国家
「海洋国家」「大陸国家」という地政学概念がある。
｢海洋国家」とは、国土の大部分が海に囲まれた国家で、海洋に進出することで勢力を構築した国家、古くはフェニキア、カルタゴ、大航海時代以降のポルトガル、スペイン、そしてイギリスやアメリカ、そして日本等も海洋国家だ。海に囲まれているために攻め込まれにくいといわれている。
それに対して「大陸国家」は、古代ペルシャ帝国、漢王朝、やモンゴル帝国のように、大陸の広大な地域を支配下におくことで、その豊かな生産力を基盤にした大帝国を築いた歴史があるが、逆に広大な国境線を持つがゆえに攻め込まれやすいという面をもっている。
先日黒川佑次著の「物語 ウクライナの歴史」を読んだのだが、ウクライナは今でも11ヶ国と陸続きの長い国境を持つ典型的な内陸国であるために、古代よりスキタイ、ゴート人、ローマ帝国、モンゴル、オスマントルコ、ポーランドなどに攻め込まれ、近年は長くロシアの支配下にあったなどという、内陸国ならではの悲惨な歴史を持った国だ。
時には隣国の強い勢力に妥協し面従腹背に至ることもあるが、時来ればその支配から脱し他の強い勢力とむすびついて独自性を保とうとするなど、一度しか占領を受けたことのない海洋国日本の我々には想像もつかないような過酷な歴史をもち、それ故に政治的な駆け引きには長けた面を兼ね備えているようだ。
海洋国である日本が内陸国である中国に攻め込み、散々な目にあったし、内陸国の明王朝が海洋進出をはかって国家財政を破綻させ、ロシアがバルチック艦隊を派遣して日本軍に負けたように、海洋国家が内陸国家に手を出し、あるいは内陸国家が海洋国家に手をだすことは、致命的な失敗に終わることが多い。
NATOのサポートを受けながら善戦するウクライナと、プーチンという独裁者の下、ウクライナに攻め込むロシアは、ともに内陸国だから、この戦いは双方逃げ場のない長期戦に陥る可能性が高いのではないだろうか。
そういえば、台湾は全島を海に囲まれた海洋国だ。場合によっては台湾に攻め入ることも考えているという内陸国である中国が、戦端を切って台湾に攻め込もうとすれば、その戦いは中国にとって極めて厳しいものになるのではないかと地政学的には考えられるのだが―――。
（9/05/22 11:00pm S.T）
2022年9月5日
PCR検査遅れ
熱が出て、コロナにかかったかが疑われるとなればまずPCR検査を受けたいと思うだろうが、このPCR検査というやつ、そう簡単には受けられないし、やっと順番が回ってきたと思っても結果が出るまで早くても一日、遅ければ1週間もかかった例もあるというのが、日本の現状だ。
これに比べて諸外国では、すぐに受けられ、結果も日本の数倍の早さで早ければ2時間で出る。韓国では日本の百倍の検査数をしかもその日のうちにこなし、その結果も、電子化されて本人に知らされ、感染者の全数把握も、国民全員がもつ身分証明番号で瞬時に行なっている。（手書きや、FAXで行っているという日本とは大違いだ）
なぜ、こんなにも日本と海外各国と格差がでているかというと、海外で広く使われている全自動PCR検査器が、日本では厚労省の認可がでていなかったために普及が遅れたためで、未だにぺピットに手作業で検体を分けて検査していている日本とでは速度が100倍以上違うのも当然だ。しかも一番問題なのは、世界に普及している、この全自動PCR検査器は千葉にある日本の検査機器メーカーが既に5年前に開発し、世界各国に輸出しているもので、フランスやイタリア政府からはこのメーカーのおかげで検査が迅速に行えるようになり死者数が大幅にへったと数多くの感謝状が来ているというのに、厚労省の抵抗で日本ではいまだに認可がとれず、漸く厚労省は、「都道府県に任せる」と最近になって言い出し、自分達の今迄の不作為を詫びるではなく、放棄してしまっているという無責任さだ。
人の命がかかっているというのに、なぜこんな酷いことが日本で起こっているのだろうか。もちろん、70年代に予防接種によって起きた少数の事故などで訴訟で責任を追及されたことに懲りた厚労省が、御身大事で以後、許認可を極端に出さなくなったことや、多大な投資をしてまでも、許認可の下りにくいワクチン開発や新訳開発に、乗り出さなくなった医薬品業界、病院数や病床数という医療ハードには補助金が出るからと、世界一、二位の数を誇りながら医師数や看護師数（10万人当たり）では、先進国中30数位にとどまるという日本の医学界の超利権構造（医師数を絞って医師の権益性をたかめようという）等々の、官民挙げての体質にこそ問題があるようだ。
（9/04/22 11:00pm S.T）
2022年9月2日
無税措置という温床
非営利の社会貢献活動や慈善活動を行う市民団体のことを略称でNPOと呼ぶが宗教法人と共通する大きな特徴は両方ともに、特定非営利活動に関連する所得に法人税がかからないという点だ。
非営利活動といえどもそれに携わる人たちは、タダ働きという訳にはいかないから、経費として活動から得られる収入の中から経費が支払われるし法人の使用する施設や車などの費用は、同じく法人収入から支払われる。
神社や寺院の駐車場に止められているベンツやアウディーと言った車などの費用が、神社や寺院の神主一家や僧侶たちへのお布施や寄付と言った収入から支払われており、それらの収入が一般と違って無税であることも、特定法人への無税措置が定められている以上、全く合法である。
NPOの理事長一家の車が、理事長がベンツ、その奥さんがBMV、息子がフィアット、娘さんがアウディーなどという例はざらにある。法人税免除という特権の威力は凄まじい。
海外での腎臓移植をあっせんしているNPO法人が、現地の貧しい人から生体の腎臓を、金で買って摘出、それを生体からであることを口外しないように患者に口留めして移植手術を行っていたことが話題になっている。移植を受けた患者は、このNPO法人に多額の報酬を支払っていたことを明かしており、この団体、NPOの名を使って生体からの臓器売買を行っていたらしい。
金を払って日本では禁じられている腎臓移植を、海外ででも受けたい、という人の命への執念を、とやかくいうつもりはないが、やはりここで不愉快に感じるのは、NPOすなわち非営利とい隠れ蓑をかぶって、生体臓器移植で金儲けをして、しかも税金も払わないでいるこのNPOのようなインチキNPOが、少なからずいることだ。
NPO法人として認可を受けながら休眠状態になっている団体が数多くあり、この休眠NPOを無税措置確保目的で、買い取りたいとする似非NPOも多数存在しているという実体をよく聞く。
宗教法人に名乗って高額で壺を売りつけたり、財産を根こそぎ寄贈させたりしていた「旧統一教会」が問題になっているけれど、NPOの中には、やっぱり無税措置という特権に胡坐をかいて詐欺まがいの金儲けをしている団体がたくさんある――ということなのかもしれない。
そうであるとしたら、法人への無税措置には、やはり色々と手をつける必要がありそうだ。
（9/01/22 11:00pm S.T）
2022年9月1日
二百十日
9月1日は、関東大震災が起きた日で以後防災記念日となっている日であり同時に台風襲来の厄日といわれる二百十日でもある。何しろ毎年、この日は災害に気をつけようとリマインドする日である。
近年は台風は、その発生のメカニズムも分かってきているし南方洋上で一年中発生していることが観測されているが、そういうことが一切分からなかった昔の人たちは、経験的に立春から数えて二百十日目に当たる、今頃に「野分」と言われる大風が吹き、これが晩稲（オクテ）と言われる稲の丁度受粉期に当ることもあって大きな農業被害をもたらすことがあったので厄災日としたものだという。
今年も大型の台風11号が沖縄の南東海上をうろうろしているようでテレビの天気予報士などは、随分張り切っているようだが、例えばこれが江戸時代だったら、沖縄周辺の台風などというのは、誰も気づかづ、誰も気にしなかっただろうから、多分「今年の二百十日は、何もなかったなぁ～」で済んでいたことだろう。
記録の残るこの70年間ほどの間では、確かに日本を直撃した台風の数では8月と9月が圧倒的に多く、特に9月の場合、記録的な被害をだした第一、第二室戸台風や、伊勢湾台風などは9月も中旬を過ぎてからの物だったことを思い出す。そうそう、青函連絡船の洞爺丸が台風で沈んで1100名以上の死者を出した洞爺丸台風も9月の末だったことからすると、これからもしばらくの間は台風に対する備えは怠らないようにしなければならないだろう。
（8/31/22 11:00pm S.T）
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