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2021年10月
＜＜10月タイトル＞
10/29 天国ではない 10/28 ユートピアかディストピアか 10/27 黄葉を楽しむ 10/25 掻いちゃダメ 10/22 制限解除 10/21
人知をこえて 10/20 甘い言葉 10/19 秋休み 10/18 自然エネルギ―狂乱10/15 呑める口 10/13 魅力度ランキング 10/12
セーフなのに 10/11 彼我の差を感じる時 10/08 ドボン 10/07 群れの先頭 10/05 当てにならない話 10/04 義務化 10/01
敗因
2021年10月29日
天国ではない
コロナで少しは減っているかもしれないが、海外に3カ月以上滞在している日本人の数は135万人程度、この30年程の間増え続けているそうだ。その内、永住権をとって海外に居を移した人を除いた、企業駐在員やその家族、留学生などの一時的に海外生活しているが、いずれ帰国するいわゆる「長期滞在者」は約90万人ほどだ。その地域別ではやはり全体の37%を占めるのは、アメリカだ。｟以下、中国（9.2％）、オーストラリア（7.2％）、タイ（5.4％）、カナダ（5.2％）、英国（4.7％）｠
秋篠宮家の長女眞子内親王は、民間人と結婚され小室眞子さんとなられたが、報道によれば近い内に、居をニューヨークに移されるとの事だから、「長期滞在者」の一員になられるようだ。
皇族という公人という立場では、何かと不自由なことも多かったが、これからは民間人、いわゆる私人となる訳で、今までは遠慮会釈なくプライバシーを追いかけまわしていた日本のマスコミの目を離れられることで、マスコミの報道などで強い複雑性PTSDを患っていると報じられている彼女の為には喜ばしいことのように思えるのだが―――。
しかし、アメリカの弁護士資格をもつ人によると、アメリカでは何よりも厚く“報道の自由”が保護されているために民間人とはいえ元プリンセスという “準公人”としての彼女には、報道の価値があり、報道の自由を盾にとった彼等によって日本以上にターゲットにされる可能性が高く、落ち着いた生活はできないかもしれないという。
マクドナルド通貨というビッグマック（世界の何処でも売っている）の価格で物価を計る指標があるが、これによると今日本で390円のビッグマックはアメリカでは644円（＄5.65）と1.65倍するし、ニューヨークでは1DKのワンルームでさえ2300ドル（320000円）、小室さんが契約したと女性週刊誌が伝える高級2LDKだと家賃は月80万円だというから、まだ弁護士資格もとっていない彼が支払い続けるのは大変だと思う。
好きな人と結ばれた彼女には末永くお幸せにと願うばかりだが、日本以上に容赦のないマスコミのターゲットにされ、物価高もさることながら、治安が悪く銃社会のアメリカでの元プリンセスの暮らしは――相当に大変だろうと思う。
タカさんも十数年アメリカ暮らしをしていたし、勿論住めば都で大好きな国ではあるが―――それほどの天国でもないことも事実だ。
(10/28/21 10:00pm)
2021年10月28日
ユートピアかディストピアか
紙の名刺の需要がコロナ前に比べて4割近くへっているのだとか。対面の機会が減っているだけに、名刺交換の場が少なくなっているのだから当然なのだが、デジタル化に伴って判子の廃止も進んでいるとなれば、ビジネス文具の業界もアフターコロナ社会では相当の変化をせまられるのではないだろうか。
名刺や判子だけならまだしも最近経産省辺りが盛んに言い出しているのがデジタルトランスフォーメーション（DX）の推進だ。DXといえばピンと来ないが、何しろ極力人が介在しないでデジタルに任せよう、というシステムの推進施策のことだという。そういわれてもあまりピンとこないが、かつての文具店が取り扱っていた写真の現像（DPE）もフィルムがなくなり、デジタルカメラがスマホになってしまっては全く必要なくなってしまい完全なるDX化がなされている訳で一つの業界が消えるような事態になってきている。その内、写真を撮るのでさえ機械がやるようになりカメラマンだとか写真家という職業さえなくなるなんていうことだって考えられる。そうなったら、写真が趣味だという人は、どうしたらよいのだろう。
30年前いや20年、10年前でさえ、笑うほど無茶苦茶だった自動翻訳も最近は、かなりの度合いで正確になってきており、もう少し人間らしい感情の起伏が盛り込めるようになれば、人間の通訳や翻訳者はいらなくなってしまうかもしれない。
車の自動運転や、ドローンによる自動配送等ということもその実現も、もはや夢ではないかもしれない。そうなったら運転という仕事を人がやる必要がなくなる―――その時、人は何をすればよいのだろう。
今年の忘年会、新年会がどうなるかを心配しているけれど、数年後の、アフターコロナ社会は、DX化、無人化もあいまってかなりの変化を遂げているかもしれない。はたしてそれはユートピアなのだろうか、ディストピアなのだろうか。
(10/27/21 10:00pm)
2021年10月27日
黄葉を楽しむ
紅葉もいいがイチョウの黄葉もまた良い季節になった。各地の神社の境内、公園などでは大木と言える大イチョウが見事だが、東京では都のシンボルマークにもなっているイチョウの街路樹がいたるところで色づいていて秋の風情を醸し出している。
イチョウは雄株と雌株がある樹木としてよく知られているが、その実である銀杏（ぎんなん）は、独特の臭いが嫌がられることもあって、街路樹には、ほとんどが雄株が植えられているが、古い時代に植えられた街路樹のなかには、間違えて（？）植えられててしまったのだろうか、たまに雌株もあるようで、この時期、付近の住民の中には、せっせと銀杏拾いをしている人たちもいる。
昔は茶わん蒸しには必ず一個銀杏（ぎんなん）が入っていて、結構貴重なものだといわれていた思い出があるが、佐賀など銀杏を栽培している地方も多くあり、そこでは、一本の木から相当量の銀杏が収穫できるようだ。栽培されている銀杏は、東京の街中の物と違って落ちた銀杏を拾うのではなく、木に実っている内に収穫するという。これなら収穫の際には、まだそれほどは臭わないし、何しろ綺麗な銀杏がとれるのだとか。
ロンドンにいた時、住んでいたフィンチェリーの大きな公園にも何本ものイチョウの木があって秋を彩っていたが、あの木々は雄株だったのか、銀杏が落ちているのを見た記憶がない。
そうそう、王立植物園のキューガーデンには大きなイチョウの木があって、この木は元禄時代に日本の出島にいたオランダ人医師ケンペルが、ヨーロッパでは絶滅したと思われていたイチョウが日本には未だ生きていたことに驚き、持ち帰った銀杏から生えたものだと聞いて、親しみをもって見たことを思い出す。ケンペルよりずっと後、幕末に日本を訪れたシーボルトもイチョウの株をヨーロッパに持ち帰ったらしいが、このケンペルやシーボルトのおかげで、今やイチョウは欧米でも好まれる観賞用の樹木になっているという。
イチョウは植物の中でもその歴史は古く、3億年ほど前のペルム紀の化石からも発見されるという。その所為もあって化石にのこるイチョウの葉の気孔の数を調べることによって地球の二酸化炭素濃度の変遷を知ることができるというから地球環境の変遷を知る上では、貴重な指標化石植物といえるようだ。
それにしても我々ホモサピエンスが誕生してからせいぜい20万年だというのに、イチョウはその1500倍も古くから生きているというのだから―――植物の驚異に感嘆しつつイチョウの黄葉を楽しむことにしよう。
(10/26/21
10:00pm)
2021年10月25日
掻いちゃダメ
自然動物番組などで、よくクマが木に背中をこすりつけている姿をみるけれど、孫の手がある訳でもなく背中にまで手が回らないクマが、かゆみに耐えかねて必死に掻いているように見えてなんとなくユーモラスでもある。
ペットの犬や猫などの、眉間の下の鼻筋をなででやると気持ちよさそうにして喜ぶのは、彼等もその場所だけは、かゆくても舌が届かないからだ、と聞いたことがあるが、それが本当だとしたらほとんどの痒いところに手が届く人間に生まれてよかった！と思う。
寒くなってくると肌がカサカサしてくるからか、体中、特に手足がかゆくなるのは毎年の事で、特に歳をとってきてからは肌にうるおいがなくなってきている所為か、無意識のうちに、思わず掻いていて、子供の頃、母親によく「掻いちゃダメ！」といわれていたことを思い出す。
母が「掻いちゃダメ」と言っていたのは、多分痒いところを掻くと、ますます痒くなって肌に引搔き傷ができるから―――等という理由からだったのだろうが、あの「掻いちゃダメ！」の言葉は、今もタカさんの心のどこかに残っており、痒くなった時には、思わず回りを見回して掻いていたりする。
痒みという感覚は、動物には本能的に備わっていて、痛覚とは全く別の神経、痒み神経なるものが感じ取っているものだと何かで読んだことがあるが、やはりクマにしても人間にしても、虫やなにか刺激物が肌に与えるダメージを避けるための生まれついての機能のようだから、痒みを感じない方が生きていく上では問題なはずで、軽い程度なら遠慮なく掻いた方が身体の為にはよいはずだ―――等と勝手な理屈をつけて掻いているのだが―――。
そういえば、祖父が良く顔を掻く人だったが――考えてみるとタカさんもよく無意識に顔を掻いていることがあるのは、祖父からの隔世遺伝なのだろうか―――。
(10/24/21 10:00pm)
2021年10月22日
制限解除
屋形船やクルーズ船、「接待を伴う飲食店」などと同様に、コロナの感染初期に感染源のように言われたたところの中に、ライブハウスやカラオケ店など、トバッチリを受けた所も多かった。
「人が多く集まると危ない」というので、サッカーやプロ野球などのスポーツイベントも中止、延期が相次いだし、始まってもおっかなびっくりの「無観客」なんていうのも多かった。世界的にイベントであるオリンピックだってどうにかこうにか無理して開催したものの無観客で行われたのだから、いい思いをしたのはバッハ会長ぐらいなもので、菅首相に至っては首が飛んでしまった。（小池知事はまあまあ上手く逃げ切ったようだが）
やっと来月から、ディズニーランドも営業時間と入場制限の大幅緩和が図られるようだし、東京都ではコロナ対策認証店への時短営業を解除するというから、随分と久しぶりに深夜まで「接待を伴う飲食店」へ繰り出す人もいるのだろう。今月末に投開票が行われる衆議院選挙で当選した先生方もた大手を振って大挙銀座に繰り出して祝勝会をやったりするのだろうか。
山形県鶴岡市は早速、市職員に対して出していた「飲酒を伴う会食・会合」の自粛を取りやめ、一転して忘年会・新年会への「積極的参加」を呼びかける文書を発表したという。多分、この先、鶴岡市同様の通達を出す役所なども増えていくのだろう――銀座で飲んで離党を余儀なくされた先生達にしてみれば、なんとも恨みがましい気分になることだろう。
カラオケだとかコーラス、ダンスなどが趣味だという高齢者も、ここのところずっと自粛を迫られていたので、随分とストレスが溜まっていただろうが、再開と聞いてホッとしている人も多いのではないだろうか。
願わくは、年末に又、第6波だとか変異ウィルス―――なんていうことにならねばよいが―――。
(10/21/21
10:00pm)
2021年10月21日
人知をこえて
8月には新型コロナウイルスの感染者が過去最多を記録した日本だが、わずか2か月で急減したことを英紙ガーディアンが「日本のサクセスストーリ―」として特集記事を掲載している。
日本におけるこの急減は、確かに驚くべきことで、その理由は、世界各国も是非知りたいところだが、肝心の日本の専門家ですら理由がわからず類推を重ねているのだから、まさにミステリーといえる状況だ。
コロナ流行の初期に日本の感染者や死亡者の数が、欧米より少なくて済んでる理由がわからず、ノーベル賞受賞者の山中教授が、それをファクターXと呼んでいたが、結局今にいたるもそのファクターXが何であるかは特定されない内に、再びファクターX-2が登場したことになる。
下火になっては再び燃え上がることを繰り返しているコロナだけに、完全には警戒を解くわけにはいかないが、まだまだ多くの感染者と死者が出ているロシア、ブラジルや欧米のことを考えれば、一刻も早くファクターXを突き止めて世界人類の為に役立てたいものだが――。
英紙によれば、いまのところ類推されるファクターX-2候補の第一は、現在のワクチン展開が順調という点をあげているが、接種率だけで行けば日本と同じ程度まで接種が進んでいるイスラエルやカナダ、イタリア、韓国などでは日本ほどの急激な感染減は見られないから、「ワクチンこそファクターX-2だ！」と断定するわけにはいかない。
次に挙げられているのが、マスク着用習慣だ。たしかに、今でも、街中でマスクなしという人を見かけることはない。こんな国は世界広しといえども日本位だ。
欧米人などでは、コミニュケーションは口元の動きで行われることが多く、口元をマスクで隠すということが、「コミニュケーションの拒絶」ととられがちだが、日本では古来「目は口程に物を言う」といわれるように、目さえ出しておれば口元を覆っても十分以上にコミニュケーションがとれる。（逆に日本ではサングラスをかける、ということが他人には「不審な人」という印象を与えてしまう）
100年前のスペイン風邪も結局、猛威を振るった後、忽然と姿を消したが、その理由はいまだに解明されていない。
やはり、ウィルスと言う代物は、まだまだ人知をこえた不可思議さを持つ者といえそうだ。
(10/20/21 10:00pm)
2021年10月20日
甘い言葉
国の歳出はコロナの経済対策などもあってここのところもの凄い「物入り」である。にもかかわらず折からの総選挙では与野党が異口同音に給付金だの無料化だのとバラ撒き施策の競い合いになっている。
立憲民主をはじめ野党各党が掲げているのが「消費税の5％への下げ」（中には廃止！などといっているところもある）であるが、この施策どう考えても現実味がない。下げるといっても、これは時限的なもので、いずれは上げるのだろうが、5％だった消費税が8％なり10％に戻る時には、その後、半年なり1年間の買い控えが起き景気は真っ逆さまに落ち込むことは、過去の消費税上げの場面で我々はみな経験済みなのに――野党各党は、もうそんなことは忘れてしまったのか、それとも、単に政権を運営する気がないから無責任に言っているだけなのか。
そうそう、各党ともに挙げていたのが「富裕層への課税強化」策なるもので特に「金融資産への課税強化」であるが、「金持ちは、株や債券などの金融資産から利益を得ているが、この税率が現在20％でしかないのでもっと税率を上げてやろう」ということらしい。
しかし、金融課税強化の前に、「日本の富裕層」なるものと「日本において金融資産を誰がもっているか」の分析をしなければならないが、野党の場合これが全くなされていない。ある調査によると日本の超富裕層（資産100億以上）の数はアメリカの1/10に過ぎないし、日本で年間1億円以上の配当を得ている人となると8000人、株の売買で1億以上稼いでいる人も6000人に過ぎないという。確かにこれらの「株で大儲けしている人」の税率をムチャ高くすれば、少しは胸がスッとするするかもしれないが、国の税収増はわずかに800憶円にすぎないから消費税5％下げによって失う10兆円の屁のツッパリにもならない。
いやいや、それなら富裕層とはいわず、だれそれかまわず株式配当への課税を強化すればよいではないかというかも知れないが、日本で金融資産を持っている70%は、年収1000万円以下だし、しかもその多くは年金受給者の高齢者だ。しかも彼等の年間の配当受取額は、ほとんどが数十万円以下だ―――これらの人たちの、ささやかな小遣い金からなお税金をふんだくろうというのだから―――。野党の施策は随分過酷だ。
「気をつけよう甘い言葉と夜の道」という痴漢防止の標語があったが、甘い選挙公約には、本当に気を付けたいものだ。
(10/19/21 10:00pm)
2021年10月19日
秋休み
昭和40年位までは農村部では、子供達が稲刈りの手伝いをするために学校が休みになる「稲刈り休み」というものがあったが、先週ディズニ―ランドに小学生連れの親子が増えたように思ったので聞いてみたら最近の小学校では、二学期制をとる所が増え、学期の中間に4，5日程度の「秋休み」があるためではないかという。
コロナも（束の間のことかもしれないが）下火になってきており、夏休みの間には自粛を強いられていた親子連れが秋休みもあって繰り出しているようで、おっかなびっくりではあるもの貴重な思いで作りができるのだから、喜ばしいことだ。
タカさんも何か月ぶりになるのだろうか、先日都内の病院に定期健診にでかけた。緊急事態宣言中は、三密と自粛要請を律儀に守り、外出、外食も最小限に留めていたせいで、運動不足で体力は落ちているようにも思ったが、自粛も悪い事ばかりではないようで、検査の結果、血糖値も血圧も正常値になっていたのには、我ながら驚いた。いつもは叱られてばかりの医者には「よい数値ですねぇ～、頑張りましたねぇ～」とほめられたせいもあって気を良くして診察後、昼飯でも食べようと近くのデパートの上部階にあるレストラン街にいってみた。
どのレストランも入口に長蛇の列ができていて、なるほどこれがニュースで良く報じられている「人流がxx％と大幅に増えている！」というやつなのかと、変に納得したものだった。まさに皆が一斉に秋休みをとっているかのような混雑だ。結局、比較的空いていたメキシコ料理の店に行って、昼間からタコスをつまみにメキシカンビールを飲んで、一人で秋休み気分を味わってきたのだが―――。
世界を見るとワクチン接種が進んでいる国でも、まだまだ感染者数が多いところもあるというから、油断はできないだろうが―――日本のコロナ流行にとっては―――、今が短い秋休みに過ぎないなどということではないことを切に願いたい。
(10/18/21 10:00pm)
2021年10月18日
自然エネルギー狂乱
国際原油価格が高騰しており遂に１バレル80ドルを超えた。原因はコロナの鎮静化に伴い景気が急回復していて生産、消費ともに伸びておりそれに伴って物流も盛んになってきていること、OPECプラスなどの産油国側がまだ原油増産に踏み切っていないこと等があるが、日本では折から進む円安も重なって国内ガソリン価格も急騰していて今週は7年振りにリッター160円を超したとか。
アンデルセンの「はだかの王様」の教訓は、変だと思う事を、「それは変だ！」と言ったら、周りからバカだと思われるのではないか―――と考えた人々が集団で陥ってしまう陥穽のことだが、今「実質カーボン排出ゼロ」という熱病にうなされている世界各国に対して、世界はまだまだ石油や石炭等の化石燃料に依存しているのだよ――それが現実なんだよ――と警告を発してくれたようなもので、あの少年が叫んだ「王様は、はだかだ！」の言葉とそっくりなように思える。そろそろ世界は「化石燃料ゼロ」という現実離れした夢から覚醒すべき時にきているのではないだろうか。
中国では習近平の鶴の一声で、国の電力エネルギーの大半を発電している石炭火力発電所をあちこちで止めているために、各地で大規模停電が起きていて、市民生活のみならず産業界も大打撃を受けている。
脱化石燃料社会のトップを走っているといわれるドイツでも、ロシアからの天然ガス供給のパイプラインを止めないでくれと、メルケル首相があの強面のプーチンに笑顔と揉み手の愛想を振りまきに駆けつけているし、フランスからは同国から買っている（買わせてもらっている）原子力発電由来の電気を大幅にカットされて、こちらもマクロンへのお愛想に余念がない始末。（ヨーロッパナンバーワンの埋蔵量を誇る自国の石炭を使わないという選択をしたのはドイツ自身だ）
資源小国の日本だから省エネ技術を発達させるという方向は、化石燃料使用削減の効果としても、クリーンな水や空気を守るという意味でも間違ってはいない方向だと思うが、山の斜面という斜面や空き地という空き地を太陽光パネルだらけにして景観を台無しにしたりするという、どう考えても無粋な「自然エネルギー狂乱」は、今回の原油高騰を機会に今一度見直してみた方が良いと思うのだが―――。
(10/17/21 10:00pm)
2021年10月15日
呑める口
親から子といった具合に世代間で，形質が伝わっていくことは古代から知られていたが、その現象を研究し仕組みを解き明かしたのはベルギーの神父であったメンデルだ。彼の遺伝の法則を最初にならったのは小学校の時だったが、それ以来この分野（遺伝学）の面白さには魅了されつづけている。何せ、自分自身にそれを引き当てて、なるほど！と体感できるのだから―――。
アラブ人、アフリカ系、欧米人で酒が飲めない体質の人というのは聞いたことがないが、モンゴロイド系の中にはアルコールを受け付けない体質の人がかなりの割合でいる。（日本では約40％がアルコールに弱く、4％ほどは全く受け付けない体質だ）これは、かつてモンゴル平原に住む人の中に突然変異でADLH不活性というアルコールを分解できない体質の遺伝子が出現、その遺伝子が長い時間をかけてモンゴロイド系に広まった為だ。
タカさんの両親は、ともに呑める口だし両親の兄弟にも飲めない体質の人はいないが、妻は全くと言ってよいほど飲めないタイプであり、特に義父は全く飲めない人だった。妻が飲めない体質なのは、彼女の父の遺伝子（ADLH不活性遺伝子）を引き継いでいる所為だろう。長女は全く飲めない体質だったが、次女が呑める口なのは、こちらにはタカさんの「呑める遺伝子」が伝わったためだろう。まさに、教科書に書いてあったことを、我が家系で実感できるなんて―――ちょっとした感激がある。
呑める口であるタカさんだが、若い頃に比べると最近はめっきり酒量は落ちてきて、娘のペースには何となく叶わなくなってきているような気がする―――まあ、タカさんも七十歳を超して孔子のいうように「心の欲する所に従えども則を超えず」に至ったのだと思いたい。
(10/14/21
10:00pm)
2021年10月13日
魅力度ランキング
ブランド総合研究所なるところがここ十数年、毎年発表している「47都道府県魅力度ランキング」なる調査の結果が今年も発表されてマスコミ各社が恒例によって小ネタとして取り上げている。
今年のランキングの中で見出しとなっているのは、何年も続けて最下位だったが昨年は41位に躍進（？）していた茨城県が再び定位置にもどった――という点だろうか。
しかしそもそも、従業員10人ほどの小さな調査会社が、インターネットで全国の1600人程度にアンケートで安直に尋ねたたった5項目の質問の回答の平均点で決めたというこのランキングの確度は、いい加減なものといえ、まともな統計手法からみれば話にならない、いわば「おチャラケ」と言ってよい程度のものだから、どこの県も、順位に一喜一憂する必要は全くない。（ちなみにタカさんの出身県鳥取県は40位、現在住んでいる千葉県は12位である）
ただ、全国最下位と言われ続ける県に住む人は、人に笑われるのではないか――と、気になるかもしれないから、そういう意味では、このランキングとやら結構人迷惑なところもありそうだ。
今朝、新聞を見たら茨城県の大井川知事と言う人、このランキング最下位についてコメントを求められ「痛くもかゆくもない」と答えていたし、09年から続くこのランキングについて「もう、賞味期限が切れてきたのではないか」と突き放していた。悔し紛れにも聞こえなくはないが、所詮おチャラケのランキングならば、確かに知事の言う通りこの種の記事には皆「もう飽きた」というのも本音ではないだろうか。
このランキングの常時上位の北海道や、京都、沖縄にしても観光に行きたいところとしては魅力度上位というのは、わからないではないが、働く場所や子供の教育環境なども総合的に考えた場合、住みたい所として魅力度上位にあるか？と問われれば、そんなこともないような気がするのだが―――。「住めば都」という言葉もあるように、多くの人にとって故郷の魅力度は高い。そもそも46位（ビリから2番目）の佐賀県と45位（ビリから3番目）の埼玉県の違いは何なのか、その順位に納得できる両県の県民がいるとも思えない等々考えると、このランキング発表、そろそろ止めた方がいいと思う。
(10/12/21 10:00pm)
2021年10月12日
セーフなのに
昨夜の千葉ロッテと日ハム戦のロッテの藤岡選手がセカンドゴロを放ち一塁に駆け込んだが、ジャッジはアウト。ロッテの井口監督がすぐに判定にビデオ検証を申し入れて審判団はビデオ室での検証に入った。
テレビ中継ではこの検証中に幾度もプレーの画像が流されたが、日ハム長濱一塁手の足がベースから20センチは離れているのがはっきり映し出され、明らかに日ハム寄りの実況を行っていた解説者もアナウンサーもそれを認める発言をしていたのに、何と審判団の判定は「アウト」、「あの当たりを二塁手のエラー判定をするのは酷だから、藤岡選手のヒットにすべきだ」などとまでいっていた解説者も「えっ、アウトですか！」と絶句していた。井口監督も大きく手を広げ全く納得できないという仕草を見せ場内からはこの判定に失笑とブーイングがおこっていた。
NPBのリクエスト制度では、ビデオ判定後には再び抗議することができないとなっているのであきらめざるを得なかったが、大事な試合、結局両チーム4対4の引き分けに終わってしまっただけに、ロッテファンとしては「あのヘボジャッジ！」と腹が立って仕方なかった。
以前にもこの欄で書いたが（参照：「甘い自己採点」9/2/21）、ビデオ判定のリクエストがあった場合、メジャーでは全米の試合を一括管理するビデオセンターで、別の審判たちが判断するが、日本の場合、ジャッジを下した審判たちが自分達で判定する。「今のジャッジは誤審ではないのか」と抗議されている審判自身が、ビデオを見て判定するのだから、「甘い自己採点」でも書いたように、審判自身は「あのジャッジは間違っていなかった」と思いたいのは当然で、どうしても「間違いだった」という判断から判定は心情的には出しにくいだろう事は、わからないではないが――。（誤審が度重なると審判も来季契約から外されるとか、給料がカットされる等ということがあるのかも知れないし――）
大相撲でも物言いがついた場合、そのビデオ判定を行うのは土俵外のビデオルームにいる別の審判であり、その結果の最終判定であれば誰にでも納得がいく。テストの採点を受験者本人にやらせる――に等しいNPBのリクエスト制度は、前にも言った通り速やかに改正すべきだ！
こんな誤審が続くようでは、今は異議を申し立てられないとされているストライク、ボールの判定やハーフスィングの判定まで人間ではなくAIにやらせようという話になってしまい、NPBの全審判が職を失うことにもなりかねない。
(10/11/21 10:00pm)
2021年10月11日
彼我の差を感じる時
今年の日本のプロ野球シーズンはオリンピックによる1か月近い中休み期間があったこともあって例年より遅くまでペナントレースを繰り広げている。セパ両リーグともに、まだ優勝を確定したチームはなく、プレイオフ進出チーム（リーグの上位3位まで）でさえもいずれのリーグも確定してはいないし、寧ろ今が佳境といってもよい。
しかし、オリンピックによる中断もなく予定通りレギュラーシーズンを10月4日に終えた米メジャーリーグでは既に両リーグのチャンピオンを決めるポストシーズンが始まっており、早速10月5日にはワイルドカードゲームが始まり、その後地区シリーズで10月27日に始まるワールドシリーズ（最初に4勝したチームがチャンピオンになる）となるから早ければ10月30日、おそくとも11月3日には全日程が終了する。おそければ11月28日まで長引く日本プロ野球よりはほぼ1ヶ月近くMLBがシーズンを終えることになる。
日本よりチーム数も多く全部で30チームもあるMLBはレギュラーシーズンの試合数も多いのに（NPB 142試合 MLB162試合）1ヶ月も早く終わるのだから、選手たちはいかに高い報酬をえているとは言え相当体力的にきついことだろう。
メジャーに入れるのはほんの一握り、成績が振るわないとシーズン途中でも容赦なくクビになるとは言え、報酬がNPB平均の約10倍となれば、日本人選手がMLBへ行きたがるのも無理はない。（日本で10年コツコツプレーする分を、美味くいけばMLBでは1年で稼げるのだから）
いやいや日本のプロ野球は辞めたたあとでも結構面倒見が良い――なんていう話もあるが、メジャーでも選手組合が強くて一時でもプレーすると一生手厚く保障されるというし―――大体、日本でテレビでの解説者になるには、半年でも一年でもメージャー経験があるとないとでは大違いなのだから―――。
千葉ロッテと巨人のファンであるタカさんではあるが、毎朝目にするリアルタイムのメジャーのプレイオフゲームを見るたびに、我々の先人は良くあんな国と無謀にも戦争したものだ―――と思う。
(10/10/21 10:00pm)
2021年10月8日
ドボン
今月で50音別電話帳の発行と配布が終了するという。と言っても既にもう何年も前から公衆電話の激減、携帯の普及にともなって見かけることもなくなっていたし、多くの人が掲載を断るようになってその厚みも極端に薄くなってしまったが、以前は東京都の電話帳などは上下2冊、重ねるとちょっとした踏み台がわりにもなったものだった。
随分昔の話になるが職場の仲間5，6人と連れ立って、よく日本橋辺りに昼飯を食べに行き、食事の後、千疋屋などの高級フルーツ店で豪華な（昼飯代よりも高い）フルーツパフェなどを注文する―――と言う時期があった。甘党は少なく普段ならまず絶対に食べないような高いものを注文したのは、会計の前に店においてある電話帳を各自が順番に当てずっぽに引き、右上隅にある4桁のページ番号を合計して下一桁でオイチョカブのようなゲームをして一番負けたものが、全員のパフェ代を払う―――というゲームをしていたからだ。
電話帳で、自分がオイチョかカブを引けば支払い役になることはないから、店で一番高いパフェを頼んでもタダで済むわけだが―――ブタを引いたりすると自分の食べた物以外の他の同僚の頼んだパフェの代金まで支払わねばならず、若い金欠サラリーマンにとっては悲惨なことになってしまうのだった。
勿論、この電話帳ゲームの勝ち負けは、全くの運次第であり、普通に考えればいつもの5人でいけば、確率的には5回に1回しか負けないはずなのだが―――不思議なことに何回やっても当たらない人や立て続けに毎回ドボンを引いてしまう人が出て来るのが何とも不思議だった。
なんの根拠もないながら、それ以来、ツキのある人、ツキのない人、というのはある者だとおもうようになった。
あの時の電話帳ドボンだが、その内、ドボンを引いてばかりの人は、昼に誘われる前にどこかに出かけてしまうようになり、結局そのうちになんとなく雲散霧消してしまったが―――。
果たして、自分はツイているのだろうか――それともツイていない方なのだろうか―――まあ、この歳迄元気に生きてきたことからすればやはりツイている方だとは思うが。
(10/07/21
10:00pm)
2021年10月7日
群れの先頭
渡り鳥の中にはキョクアジサシのように毎年グリーンランドと南極大陸の間11000キロ余りを往復しているものがいるというが、陸上動物でも有名なカリブーのように、長い距離を往復しているものは多い。
「ワイルドライフ」等の自然ドキュメントではおなじみのが、ケニアのセレンゲティ―草原からタンザニアのマサイマラ国立公園の間、1500キロ余りを100万頭もの群れをつくり移動するオグロヌーだ。繁殖の為と食料を求めての大移動だが、不思議に思うのは、この大群の先頭は一体どうゆう個体なのかということだ。群れのリーダーなのだろうか、100万頭ものリーダーだとしたらどうやって選ばれるのだろうか？
ある時に空中から撮った画像をみていたら、オグロヌー皆臆病で、若いオスといえどもお互い譲り合って前にでようとせず、なんと先頭にいるのは、一緒に移動しているシマウマだったことだ。ヌーの大群はこのシマウマについて大移動しているのだ。自主性もなく、他人の誘導によって全体が動いてしまうというしたら――人間社会にも何だかありそうだ。
このオグロヌーの大移動のさらなるハイライトは、大群が草原の中を流れるナイルワニがうじゃうじゃと待ち構えるマラ川を渡るシーンだ。何頭ものヌーがワニの餌食になり、又、何頭かは渡り切れずに溺れその死骸が浮かんでいるシーンの迫力は、大自然の過酷さを見せつけている。この渡渉の先頭もどうなっているのだろうか―――と思って食い入るように見ると、何とオバサンメスたちに猛烈に角でつつかれた若オスたちが仕方なく飛び込んでいくではないか―――。臆病なオスヌーたちがオバサン、オネエサンヌーに「あんた男でしょ！しっかりしなさいよ！」と言われて嫌々飛び込んでいるのだ。この場合もヌーの群れには、しっかりしたリーダーがいるわけでもなく、何頭かが嫌々押し出されて先頭にたつというわけだが―――この先頭次第では多くの（時には何百頭、何千頭もの）仲間が死んでしまうのだから――なんとも厳しい役割だ。
いやはや、ヌーの大移動とその先頭をみていると、人間社会との対比で色々考えさせられる。人間社会では「俺が、俺が」で先頭に立ちたがる者がいて、その中で強い者が、リーダーになる場合が多いが、運だけで成り上がる者もいる。このリーダー次第で、それに率いられる大群にとんでもない厄災がふりかかる例は歴史上数限りなくある―――。
いやはや、大移動とその先頭には色々考えさせられる。
(10/06/21 10:00pm)
2021年10月5日
当てにならない話
閣僚20人中13人が初入閣で内3人が3回生--―従ってその陣容は老壮青のバランスはとれている――というだけでも岸田カラーは感じられるというのが大方の見方だが、確かに過去の自民党内閣からすれば、いささかのフレッシュ感はある。
今までのような、自民党総裁選恒例の戦後の、ノーサイド演出はなく、前評判にかかわらず党員票も過半数を大きく割り、第一回投票ですら大きく負けた河野氏への冷や飯ポジションや、支援にまわった石破、小泉両氏への冷遇をみれば、見かけによらず岸田さんという人、見かけによらず厳しい人のようにも思える。まあ、何事も「勝てば官軍」は世の習いではあるが。
党人事の要である幹事長に甘利明氏を起用したことで、野党がモリカケ、桜よりも更に古い6年前の疑惑の説明を求めると――息巻いているようだが――やはり既に検察が不起訴決定して久しいだけに、イチャモン感がふんぷんとしていて、これが野党の得点になるとも思えない。
早稲田大学出の首相は皆短命だったとか、長期政権の後の政権は短命だった―――といったジンクスを挙げて、発足する前から「短命内閣」といった予想をするマスコミもあるが、それこそ自社の意にそぐわない首相の誕生に、悔しさ余っての、ジンクス論まで持ち出すところに政治評論としては、稚拙すぎて笑ってしまう。
菅政権同様、内閣の命運はコロナの第6波、第７波次第というところに大きく左右されるだろうが、いずれにせよあと一か月余り内には、総選挙があり、野党の体たらくをみると、そこで自民党単独で過半数がとれる可能性は高く、そうなれば、来夏の参議院選を乗り切ればその後しばらく国政選挙はないから長期政権もあり得るのではないだろうか。
「一寸先は闇」と言われる政治の事ゆえ、某マスコミのジンクス理論や競馬予想同様、当てになる話ではないが―――。
(10/04/21 10:00pm)
2021年10月4日
義務化
留学してアメリカの大学に入学するための条件の一つにMMRの予防接種証明の提出が必須条件だ。MMRとは（はしか、おたふく風邪、風疹）の頭文字をとったもので、この予防接種証明がなければ大学は勿論、現地の小学校にすら入ることはできない。日本人のほとんどが乳児の時に、この予防接種は受けているのでまず問題はないが、もし予防接種をやっていない国から来た場合とか、接種証明を持っていない場合、語学学校や、コミュニティースクールももちろん、地域のボランティア活動にすら参加できないのが普通だから、観光旅行などならともかくアメリカで生活する場合には要注意だ。
MMRの予防接種をしていないという国もかあるだろうし、何らかの理由で接種していないという人もいるだろうが、そういう人たちを学校に入れないことを彼等は「差別」とはおもっていない。「我が国のコミュニティに入るのを歓迎するが入るための条件は守ってくれ」という訳だ。
カリフォルニア州では、対面授業を受ける全児童、生徒に、MMR同様にコロナワクチン接種を、義務化するという。
ワクチンの接種義務化についてはいくつかの州では、反対の声もあるが、全米の、医療従事者、航空会社などの公共交通機関や大企業の多くでも従業員にこれを義務化し、接種を受けない場合には解雇すると定めている企業も多く全米で論争になっている。
宗教的な理由、あるいは体質的な問題などで接種を拒否する人も一定程度はいるが、その場合、「解雇」というのは、個人のプライバシーの侵害であると息巻く保守派もいて、銃規制や、中絶禁止問題同様、世論を二分する問題になっている。
日本では、そろそろ義務化についての議論を始めるべきだ―――と言った提案があることがニュースになる位で、まだまだ具体的な動きには至っていないものの、医療従事者や学校の教職員などは自主的に、接種を受け始めており、「義務化」を定めるまでもないとも言われている。
まあ、そう聞くとアメリカのワクチン義務化反対派の人たちは、「日本は、中国みたいな、個人の自由のない強権国家のようだ」とみるらしいが―――個人の我をそんなにはらず、皆に合わせる方を選ぶ―――日本人の方が、やっぱりタカさんにとっては、好ましく思えるのだが―――。
(10/03/21 10:00pm)
2021年10月1日
敗因
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とは名将野村監督の言葉とされるが、今回の自民党総裁選結果にも当てはまるようにも思う。
当初下馬評では必ずしも優勢とはみられていなかった岸田さんが一回目投票でも僅差とはいえ一位につけ、決選投票では圧勝と言ってよい勝ちを決めたことは、「不思議の勝ち」とも言えなくもないが、世論調査などでは圧倒的な人気を誇っていた河野さんが第一回投票でも岸田氏の後塵を拝してしまい、決選投票では大差で岸田氏に敗れたことには、マスコミが様々な敗因を語っており、結果論とはいえ、いずれも「なるほど」と納得できるものが多い。まさに「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」である。
野次馬に過ぎないタカさんだが、敗因に挙げられていたいくつかの要因の内、おもわず笑ってしまったもののなんとなく納得できるものの中に「（党員、党友間ではともかく）議員間で嫌われている石破元幹事長が支持に回ったこと」「目立ちたがりの小泉進次郎が支持に回ったこと」「選挙応援では連戦連敗だった菅首相が支持に回ったこと」という、なんとも理由にならなそうな要因があげられていたことだ。
そんな笑ってしまうような理由で何故？と考えてしまうが、考えて、見ると、議員一人一人は当然皆目立ちたがりだし（控え目な人が議員に立候補する訳がない）、まじかに控えた総選挙での政権中枢の支援が欲しいし、あわよくば新総裁の下、よりよいポジションが欲しいし―――。そうなると、余り周りの面倒見がよさそうとも思えず、「俺が、俺が」でグイグイ出てくる石破、小泉や花札でいう縁起の悪い札である「インケツ」のそしりがついて回る菅さんが応援する河野には飛びつきにくかったのではないだろうか。
そうなると消極的選択になるが、安倍前首相が嫌う石破を避け岸田、高市候補に投票しようという議員心理が起きてくるのではないだろうか。
一国一城の主でもある代議士なら、目立ちすぎる人物や、エラソーにしている人物を嫌うことや、人一倍嫉妬深いことが良く知られているだけに、今回の河野氏とその応援団の敗北は、まさに「不思議の負けなし」の典型だったのかもしれない。
コロナ対策で失敗すれば、岸田さんも菅首相の二の舞の短期首相になりかねないが、もしそんなことになった場合、今回の結果から意外と次は、高市さんという日本初の女性首相の芽もあるかも―――。
(09/30/21 10:00pm)
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