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2020年8月
＜＜8月タイトル＞
08/31 人種のややこしさ 08/28 命も大事経済も大事 08/27 最善を望み最悪に備える 08/26 ソロキャンプ 08/25 在職記録
08/24 早秋の候 08/21 コップ一杯の水 08/20 クーラーと迷信 08/18 濃厚接触者 08/17 結核への偏見 08/12 ホームシック
08/11 ついていかなければ 08/07 カジノ法案 08/05 言いだしっぺ 08/04 親子は似る 08/03 ふるさと意識
2020年8月31日
人種のややこしさ
四半世紀も以前だと国によっては入国審査書に「人種」を書く欄があった。日本人の場合‘Oriental’（東洋人）と書けといわれて「えっ！俺って東洋人だったの？」とちょっと驚いたりしたものだった。
東洋人と言われるのには少しは慣れたが、東アジア人といわれるのはどうだろう。国で言うと東アジアとは日本をはじめ韓国、北朝鮮をはじめ台湾、中国そして何とモンゴル、香港、マレーシア迄含むとされているから、我々日本人は、東アジア人といわれても全然おかしくないし、東アジアがアジアの一部であることからすれば更に大くくりすれば日本人は、アジア人でもあるのだが、しかし突然「あなたは東アジア人ですよ」とか「アジア人ですよ」と言われると何となく居心地の悪さを感じてしまわないだろうか。明治の初めに福沢諭吉が「脱亜入欧」といった時にピンときた日本人はすくなかったようにも聞く。
‘Black lives matter’のスローガンの下、民主党副大統領候補のカマラ・ハリス女史が人種差別反対を叫んでいるが、彼女は確かに肌は黒いものの、母がタミル系インド人、父がジャマイカ移民であることで、祖先がアフリカから奴隷として連れてこられた黒人の子孫、アフリカ系アメリカ人にはそれほどは親近感を抱かれてはいないのだとか。
アメリカでの人種差別の実態には全く疎いのだが、いってみれば日系アメリカ人がモンゴル系アメリカ人にどれほどの「東アジア人」としての親しみを持っているかと同じなのだろうか。（確かに白鵬や朝青龍に似た顔の日本人は多いけれど）
我々が同じ白人同士で同じではないかと思うのに、どうして一部の白人は、ユダヤ人に対して差別意識をもっているのか―――。
どうも、世界の人種問題というのは一筋縄では理解できないことが多すぎるように思える。
（8/30/20 10:00pm）
2020年8月28日
命も大事経済も大事
密を怖れて病院での診療を控える人が多くなっていることで病院の経営が悪化しているのだとか。肩が凝ったからと病院に暇つぶしがてら出かける――等という過剰診療問題は一挙に解決したかもしれないが、必要な医療を受けたがらない人が増え、持病の悪化などを招いているケースもあるというから医者の経営問題上だけではなく、国民の健康という面で大いに問題があるようだ。
タカさんの街には、ひょっとしたらコンビニの数よりも多いのではないかと思うほど歯医者があるが（歩いて15分ほどの範囲におそらく10軒ほどはあるのではないだろうか）、タカさんの行きつけの歯医者も、よほど患者数がへっているからだろうが、「クリーニングの為に来月も来てください」などと甘言（？）を用いて予約を勧めてくる。若い女性に言われるとつい断り切れないタカさんは、思わず予約を承諾してしまったりしているが、妻も同じように、断り切れず美容院と同じ頻度でクリーニングに行っているようだ。
かつては高収入で、優雅な暮らしをしているといわれた歯医者だが今や低収入の職業になりつつあるとも言われており今回のコロナ禍がこの業界（？）にさらなる引導を渡しているのかもしれない。
こうも歯医者が増えてしまったのは、一時期、全国に歯科大学や歯学部が猛烈に増え、その為に歯科医師数が増えたことや、高額だった歯学部の入学費や授業料、医院設備投資うために、高齢になって手先も目も衰えてきたにもかかわらず引退しない歯科医が増える一方であることで、「神の見えざる手」が働かず、歯医者の需要と供給の関係のバランスが取れておらず完全に供給過剰になっているからだという。
折から韓国では専門医協議会や大韓医師協会が医大生の定員拡大や医科大新設に反対して、全国規模のストに入ったという。コロナで大変な時に医者がストライキとは一体どういう訳だと、世論も反発しているというが、自分達に事前の相談もなく政府が今後10年間、医者の定員を一年で400人ずつ増やして行こう、という方針を打ち出したことに既得権を持つ医者や医学生が猛反発しているということのようだが、加計学園での獣医学部新設の反対運動の先頭に立ったのが既存の獣医学部を持つ大学や獣医たちだったという構図を思い出した。
医者の数が増えると今まで自分たちが享受していた特権が薄まってしまい、いずれは歯医者業界の様になってしまうのではないか――と言う怖れが、コロナ禍という危機における自分達の使命さえ忘れさせてしまう―――ということなのだろうか。
「医は仁術であると同時に医は算術でもある」というのは、今のコロナ禍でいいかえれば「命も大事、経済も大事」ということなのだろう。
（8/27/20
10:00pm）
2020年8月26日
最善を望み最悪に備えよ
航空業界の経営指数低下のレベルの大きさには目を疑う。確かに移動が制限、あるいは自粛が要請されている現状では、まだ車などの移動手段がある近距離などに比べて海外旅行手段としての国際航空路線の客数の落ち込みは目を覆うばかりだ。
航空会社は大装置産業ともいえる産業で、例えば航空機一機がエアバスA380なら500億円近くするし法定の耐用年数はわずか10年であるとなれば10年の間は減価償却していかなければならない。しかもそういう航空機だけでもJALの場合は230機余り保有しているというから一日飛べなかっただけでも大変なロスということになる。もちろん、機種によっては30年位使えるというからどうにかなるとは言え、今回のコロナ禍のように半年以上にわたって、その金食い虫の航空機がしばらくの間、使えずもうけがないとなればたちまち会社は窮地に陥ることになる。
それは日本の航空業界に限った話ではなく、世界中の航空会社にいえることでナショナルフラッグキャリアーではオーストラリアのヴァージンアトランティクやタイ航空が既に破綻し、インドネシアのガルーダも危機が伝えられ、ヨーロッパでもルフトハンザやBA（ブリティッシュエアウェイズ）などでさえ危機のうわさが絶えないという状況だ。
今日も米大手航空会社のアメリカン航空が、10月から2万人の従業員を削減すると発表したが、これでアメリカンの従業員数はコロナ前に比べて4万人減って10万人になるという。アメリカの大手航空会社（ユナイテッド、デルタ、サウスウエストといった）もアメリカンと同じもしくはそれ以上に悪い状況だ。従業員削減を発表するアメリカン航空幹部がその声明の中で言っていた「9月末までにはウィルスが制御され航空需要が回復すると想定されていたが、そうではない」という現実は改めて各業界のみならず世界中の人々が深刻に受け止めなければいけない現実だ。
今年3月20日に東京オリンピック延期を発表した際も、一年後の21年7月末には、既にウィルスが制御されているという前提条件だったはずだが、開催まで残り11ヶ月となった今、その前提条件が達成されている可能性を信じる人は少ないのではないだろうか。
WHOのテドロス事務局長は、先週21日「新型コロナウイルスのパンデミックが2年未満に収束するのを期待する」と述べたが、これも「期待する」と彼の個人的希望に述べただけで、逆に読めばWHOの事務局長でさえ後1年で決着がついているとは思っていない、ということでもある。
そう考えるとやはり、今から11か月後には世界のアスリートと大観衆が東京に集って、華やかに東京オリンピックが開催されているというのは、アメリカン航空の幹部が三月時点で考えていたという「9月末までにはウィルスが制御され航空需要が回復する」という想定同様「甘すぎる想定」ではないかとも思えるし、もしそうだとしたらそこまでオリンピック開催に固執することのあらゆる面での損失は大きすぎるようにも思うのだが。
まさに、Hope for the best and prepare for the worst.（最善を望み、最悪に備えよ）である。
（8/26/20 10:00pm）
2020年8月26日
ソロキャンプ
昭和初期の社会人登山家で冬の北アルプス北鎌尾根で遭難死を遂げた「単独行の加藤文太郎」の生涯を描いた新田次郎の小説「孤高の人」に感動し大学時代の後半は一人で山に登る「単独行」に何度も出かけたものだ。
当時の山は、それが夏山であっても登山客は少なく、まして一人での山行となると山に入れば全くの一人で粋がって出かけたのにもかかわらず、時折大声で歌を歌いだしたりして寂しさを紛らわせたりしたものだったが（トワエモアの「誰もいない海」などを歌った思い出がある）、山を独り占めしているような気分にもなりこの上ない満足感があったものだ。
コロナ禍で他人との接触を避けるように要請されている中でのレジャーとしては今の季節ならこの単独行が案外いいのではないかとも思うのだが、やはり登山となると山までの行き帰りに時間がかかるし、装備一式を準備し、背負ってとなると忙しい現代人には少し荷が重いような気がしないではない。
その点、今ブームになっているという「ソロキャンプ」は、手ごろに「孤高」感が味わえそうだ。タレントの「ヒロシ」がYouTubeでもやっているが、一切合切の装備や道具・食料をバイクや軽に積み込んで奥多摩辺りのキャンプ場に行けば孤独感を味わうことができるというのだからこのコロナ新時代にはピッタリ、という気がする。
半世紀前のタカさんの時代、単独行ではテントや寝袋などの大荷物を背負って行った割には、夕食はラジウスでお湯を沸かしニッシンのチキンラーメンに注いだもの―――と至って質素なものであったが、最近のソロキャンプではステーキなどは勿論、デパ地下で買ってきた刺身セットなんていうのもありだというし、ソロキャンプ用に自分専用の山を買った等という人もいるというから、タカさんが好きだった、単独行とは随分ニュアンスが異なってきているようだが―――。
そういえば新宿中央公園や、墨田川沿いに多いホームレスも、基本はソロキャンプと、同じような単独行動だが―――きっと加藤文太郎とヒロシ以上の違いがあるのだろうなぁ～。
（8/25/20 10:00pm）
2020年8月25日
在職記録
安倍首相の通算在職日数が憲政史上最長（2887日）となったという。しかしながら記録達成の当日、首相が再び病院で追加検査を受けたというので、一部のマスコミでは首相の体調に何か異変があるのではないか―――という憶測が飛び交っている。
今日のところは、自民党総裁としての任期が来年9月末まであるとはいえ在職記録が更にのび、後1年は首相の座にいるのではという話も、吹き飛んでしまった感も無きにしもあらずだが、まあ、一寸先は闇と言われる政治の世界のことだから憶測に憶測を重ねるのは止めておいた方がよさそうだ。
体調はともかく、安倍首相の支持率もいささか低迷気味なのは、最近はコロナ対応のまずさ（オリンピックを引っ張り過ぎていることとか、アベノマスク、GOTOトラベル等々）に加えて、何しろ政権が「長すぎる」ことによって起きる緩みなどから飽きられてきていることは確かだが――かといって彼に代わり得る有力後継候補や、政権交代を担えるほどの野党勢力がいないことでしばらくはこの政権が続く可能性はありそうだ。
そうなると、最長通算9年の首相任期を務めることも可能で、通期2期8年と定められているアメリカ大統領よりも長い任期を務めることになるから、かつてはイタリア以上に頻繁に首相が代わり、「とても首相の名前が覚えきれない」と皆が嘆いたころの日本の政治情勢とは様変わりの感がある―――（ドイツのメルケル首相は2005年から首相を務めていることに比べれば足元にも及ばないけれど）
日本の公党党首の在職記録についていえば、まだまだ上はいる。現代の日本の公党党首では、もっとも長く務めているのは共産党の志位委員長で、この人は2000年から委員長で、現在既に20年務めていることになるが安倍首相と同い年でもあり前任の不破氏が76歳まで議長を務めたことから考えれば、まだまだその座は安泰といってよいだろう。なにしろ共産党は、民主集中制を名乗りながら党内での反対意見を許さないという、まるでオーナー企業のような党だから、志位委員長もオーナー企業の会長のような立場であり、安倍首相よりは、はるかに長持ちする立場のようだ。
（8/24/20 10:00pm）
2020年8月24日
早秋の候
暑い日が続いているがそれでも暑さもそろそろ峠を越す時期になってきているようで、北海道の上川町では今朝6時の気温が4.9℃だったとか。日本は広いし、季節はなんだかんだいいながら秋に向かっているなぁとも感じるニュースだ。
あと10日もすれば9月に入るし、9月に入れば手紙での季節の挨拶用語は「早秋の候」だとか「初秋の候」を使ってよくなるのだから、いくら地球温暖化といってもそれなりにさわやかな時節になってくるのだろう。
アメリカでは9月の第一月曜日がレーバーデーの祝日だが、ロスにいた当時は、この頃にインディアンサマーといわれる秋なのに猛烈に暑い日が来ることがあったが、シカゴではレーバーデーに夏のいで立ちでゴルフにいったら、プレイの途中でどんどん気温が下がってきて震え上がり、ほうほうの体でクラブハウスに引き上げてホットブランデーを飲んで体を温めた思い出があるから、アメリカでもシカゴとロスでは上川と東京位の気温の差があったのかもしれない。
そういえば旭川にいたころはちょっと粋がって、夏の間も長袖シャツで通した思い出があるが、温暖化が騒がれる今の旭川の夏は、そんなに涼しくはないのだろうか。
（8/23/20 10:00pm）
2020年8月21日
コップ一杯の水
容量の尺度として使われることの多い「東京ドーム200個分」などという大きさがどうもイメージしにくいということは以前にも書いたが（参照：「大気の川」7/17/20）、今月渋谷駅近くの地下に豪雨災害対策用の大規模貯留施設が完成したという記事の中に、「容量は4000トン、すなわち25ｍプール13杯分」とあったのもこれまたイメージしにくい尺度だった。というのも4000トンの貯留施設があれば、降水量何ミリ位の雨迄貯留できるのか――、全くイメージできなかったからだ。ちなみに昨年10月の台風19号の際に洪水被害を軽減したといわれる首都圏外郭放水路が受け止めた雨水の量が1100万トンだが、渋谷のその貯水容量は、その約3000分の１でしかない。渋谷駅前（渋谷という谷の底に当るのだとか）という狭い地区に過ぎないとはいえ（たった）4000トンで大丈夫と言えるのだろうか？？そうだとすると外郭放水路の1100万トンというのは大げさすぎないのだろうか？？？などと頭が混乱してきそうだ。
そうは言いつつも、外郭放水路も渋谷地下貯留施設も映像で見る限り共に巨大で、映像からはその容量を把握するのは困難だ。
小学校で1㏄（1㎤）の水の重さは１ｇ、すなわち1㎥の水の重さが1tだということを習ったから誰でも知っており4000tの水が4000㎥だということは誰でも知っているはずだが、その量を一瞬の内にイメージできる人は一体どれほどいるのだろう。
コップ一杯の水がせいぜい200ml、人は一日大体2ℓから3ℓの水（水分）をとればよいとも聞くから１ｔもあれば2か月近く命を長らえることができることになるから、渋谷の貯水槽の4000ｔもあれば一生水には困らない―――ということでもあるのだが―――。
一光年は9.6兆キロｍだそうだが、新幹線で行けたとして365万年程かかるそうだ。一光年という距離をイメージすらできないのと同様、たかだか4000ｔといえどもイメージできないのは当然の話のようにも思える。
やはり我々はコップ一杯の水の量を実感するのがせいぜいだということのようだ。
（8/20/20
10:00pm）
2020年8月20日
クーラーと迷信
猛暑が続く中、都内での熱中症死者数が、一日で26人だったとかこれで8月にはいってからの熱中症死亡者数は79人になったという。熱中所の死者数の方がコロナでの死者数よりはるかに多いのだからびっくりだ。
一日の熱中症死者数26人の内訳は、80代が12人、70代が7人と、70代以上がおよそ8割を占めていると聞くと70歳になってから2度も熱中症で入院した経験のあるタカさんとしては、ますます熱中症恐怖症にかられ外出ができなくなり、これでは運動不足になって却って体に良くないような気もするが――――高血圧なのに貧血気味、と言われたのと同じようにどっちら心配を重視したらよいのか迷ってしまう。
亡くなった方の多くが、夜から朝にかけて発症しており、そのほとんどがエアコンを設置していないか設置していても使用していなかった人(26人中が22人)だったという。確かに昔は、「クーラーをかけたまま寝ると体に悪い」だとか「心臓麻痺を起こす」という話がまことしやかに言われていたから、その話を未だに信じている年寄り世代ではクーラーを切って、防犯上から戸を閉め切って暑い中で寝ている人も多いのだろう。
亡くなった母も、「クーラーは嫌い」だといってクーラーを中々つけようとしなかったし、扇風機でさえ「好きじゃない」といっていたのを思い出す。まあ、確かに明治生まれ、大正生まれの日本人は、我慢をするのが美徳といった信念をもっていたのだろうが、戦後生まれで暑がりのタカさんにとっては「クーラーをかけて寝ると体に悪い」は、「食事のすぐ後で横になるとウシになる」といった迷信と同じようなものだと思ってはいたのだが―――。
学生時代、運動部では足腰を鍛える目的で盛んに「うさぎ跳び」をやらされ、「試合中は水を飲んではいけない」などという今では体に悪いことの典型といわれるような指導方針が、大真面目に行われていた。
考えてみると食べ物の健康に良いとか健康に悪い、という話も昔と今とでは随分違うどころか、正反対になっているものも多い。しかも、どちらが正しいのかもいまだに確定すらしていないものも多い。
タカさんが大好きな玉子にしても、一時は「玉子はコレステロールが高いから食べない方がよい」などと言われていたが、最近は「玉子は必須アミノ酸が100点満点の食品で、体によい」と正反対のことがテレビでも盛んにいわれている―――どちらを信じてよいのやら。そうそう、一時期は「バターは脂肪が多くて良くない」といわれ、植物性のマーガリンが盛んに勧められながら、いつの間にか植物性マーガリンは不飽和脂肪酸が多いから体に悪い！という話になっており、バターもマーガリンもよくないならと言ってジャムに代えてパンを食べれば今度は糖分の取り過ぎだ！と言われる――――。
いやはや、何が身体に良くて、何が悪いのか―――訳の分からない時代になってきたものだ。
（8/19/20 10:00pm）
2020年8月18日
濃厚接触者
毎年12月の初めには発表される流行語大賞だからそろそろその候補の話題が出てきてもおかしくはない時期だろうか。
毎年、政府批判色が強すぎるのではとか、「そんな言葉、はじめて聞いた！」などという批判も強い流行語大賞だが、今年はやはりコロナウィルス関連が多数を占めるであろうことは、万人の一致するところだろう。
「3密」や「クラスター」などは人気上位には入るだろうが、やはりちょっと真面目過ぎて流行語大賞として必須条件である「ちょっと笑える」に欠けるところもあり死者まで出ているコロナを笑い飛ばす―――という要素には掛けているように思う。
その点、アホのマスクとも揶揄された「アベノマスク」は、マスクが小さすぎてどうにも顔の中でのバランスが取れないのに、閣僚の中でもただ一人付け続けていた首相の間抜け顔と、490億円もかけながら配布が遅すぎてマスク不足を補う効果がほとんどなかったという無駄遣いのアホさ加減を思い出すたびに笑えてくるだけに、候補上位に挙げてよいのではないだろうか。
更には、「接待を伴う飲食店」などという言い方もピンサロ、アルサロ、キャバレー、待合あるいはホストクラブやゲイバーなどというある種生々しい言い方、且つ子供達には余り覚えて欲しくはない言い方の店をオブラートにくるんだ言い方にしてみたものの、却ってあれこれ人々の想像を掻き立ててしまったお役所言葉―――というところが笑えるから、これも候補上位に挙げてよいだろう。
「濃厚接触者」という言葉も候補上位に挙げてよいように思う。これもクラスターやらロックダウンといった今までほとんど聞いたこともない外来語のそっけなさと比較すれば、いままで使われていなかった言葉の割には、日本人ならだれでも容易に意味が想像できる言葉で、しかも解釈の仕方によってはちょっといやらしくも聞こえるところが、笑えて流行語に相応しいようにも思える。（町内のAさんの奥さんは、Bさんの旦那の濃厚接触者だった―――などと言った）
もっとも真面目な意味だと「濃厚接触者」にはきっちりとした定義があって「同居していた人や、十分な防止策をしないまま患者の看護や介護をしていた人」などの他に、「感染した人が発症する二日前から1メートル程度の距離でマスクをせずに15分以上の接触があった人」など定められているらしいからそんなに曖昧なものだとは言えないが。
もし万一タカさんが今、PCR検査陽性だと言われたとしても濃厚接触者は、妻以外はいないが、考えてみるとそれはそれで寂しいことでもあるのだが―――。
（8/17/20 10:00pm）
2020年8月17日
結核への偏見
戦後すぐの頃までは、結核は国民病といわれ、年間15万人を超える人々がこの病で亡くなっていた。当時の人口（7200万程度）を考えると現在の日本で一つの病で年間27万人が亡くなるのに相当するのだからいかに人々に怖れられた病であったかが想像できよう。
タカさんの両親ともに兄弟姉妹の何人かが結核でなくなっており、父母の実家の仏壇にはタカさんが会う事の無かった伯父叔母の位牌があった事を思い出す。
こんな国民病と言われた結核だが、ストレプトマイシンをはじめ数々の治療薬が開発され、急激に「治る病気」になっていったことで、今、日本人々はそれほど怖れなくなっているものの、それでも医療の遅れた国々では多くの人が亡くなりその死者数は年間170万人にものぼっている（日本でも、年間約2000人が亡くなっている）から人類にとっては有史以来の宿敵ともいえる病だ。
樋口一葉や正岡子規、石川啄木、滝廉太郎等の著名人にも結核で亡くなった人は多いし、「不如帰」「風立ちぬ」「塩狩峠」などの小説でも悲劇の病として取り上げられているが、その原因が明らかでなかった時代には、この病にかかると本人のみならず、家族や近隣の人々まで差別を受けるということがあったようだ。
結核の場合、体力が弱く抵抗力が低くなっている人が罹り易いとか、文学者などの一見「軟弱」だと言われがちな人たちとか、徴兵検査で不合格になるような病弱体質の人たちに比較的患者に多かったことも差別の遠因になっていたのだろう。
ハンセン氏病（らい）をはじめ結核やペストなどのような感染症は、人々が怖れるが故に患者らがいわれのない差別を受けるということは、人類史上かなり古くからあったようだが、原因がウィルスだと分かっていても未だに治療法が発見されておらず、又、ウィルスが目に見えないこともあってもこの病も患者やその家族がいわれのない差別を受けるということが続いているという。
コロナ差別は日本だけの問題ではないようで、欧米ではコロナの発生源がアジアであったこともあって、相変わらずアジア人差別が続いているというし、また中南米やアフリカ、中東でも今までの宗教や、人種に基づく差別意識や貧困層に対する差別が、コロナ恐怖とあいまって世界での偏見や差別が増しているようにすら見える。
感染症そして偏見や差別は、人類の宿痾なのだろうか。
（8/16/20 10:00pm）
2020年8月12日
ホームシック
お盆休みを利用して帰省しようとしても、実家から「今年は帰ってこないで」といわれるケースがあるのだとか。コロナ騒ぎで、「あそこの家の娘（あるいは息子）は、東京の大学にいっているのにお盆で帰ってくるらしい」等と村で噂になると両親の肩身が狭くなるからだとか。嘘か本当かしらないが、ありえない話ではないようにも思える。
そんなことで、帰省ができなくなった大学生の中には、ホームシックに襲われる者もいるらしいから、コロナもとんだ罪作りな厄災だ。
タカさんは、中学時代、寮生活をしていたが、実家に帰れるのは夏、冬、春のまとまった休みの期間に限られていた。特に1年生の時は、実家から離れて、帰寮して最初の数日間は、猛烈なホームシックに襲われたものだったが、帰省できない現代の女子大生だって（男子学生でも）何割かはきっと実家が恋しくてホームシックに襲われるにちがいない。
小学生や中学生の中にも修学旅行先の宿でホームシックに襲われて夜中にシクシクと泣き出す子がいるというが、このホームシックというやつ、人によっては大人になっても襲われる人がいるという。外国の戦争小説でも、兵舎で夜、ホームシックに襲われた初年兵がベッドで泣いている―――なんていう場面を読んだ事があるから、どうも世界共通の物らしい。
ホームシックになる人もいるが、ホームシックなど一度も経験したことがないという人もいる。この違いは何からくるのだろうか。タカさんが中学時代ホームシックになった理由の一つには、寮のめしと母親のつくった料理の違いがおおきかったような気がする。寮の飯はよほどの祝いの日でない限り麦飯だったのは、多分栄養を考えての事だったからだと思うが、やっぱり実家のメシは、三食白米だったからその落差は大きかった。
それに、タカさんが小さい頃、苦手だった豚肉が頻繁に豚汁などで出て来たのに比べると、帰省している間、母は気を使ってくれたのだろう豚肉が献立に出てくることがなかったのも大きな違いだ。
要は、なんだかんだいって実家に帰れば、短い間だから親も色々気をつかってくれるのに、東京での一人暮らしともなれば、誰も気配りしてくれるわけでもなく、他人に気を使うばかりだから、やっぱり「実家が最高！」ということになるのだろう。
もっとも、滞在が一月にもなれば親も「そろそろ帰ったら」と追い出しにかかるだろうし、自分も居づらくなってきて―――等ということにもなるのだろうが。
（8/11/20 10:00pm）
2020年8月11日
ついていかなければ
会議にせよ宴会にせよ主役となって活発に発言したり、騒いだりするひとばかりではなく必ずと言ってよいほど、出席していたかどうかでさえ参加者たちの印象の薄い人はいるものだ。彼等彼女等が嫌々出席しているかというとそういう訳でもなく、聞いてみると中には彼らなりに楽しんでいた、と聞くとこれはもうあくまでもその人たちの性格によるものだろうと推測するしかないのだが―――。
何でもかんでもリモートでやる時代となり、お盆の帰省もリモートでとなるとかつて会議や宴会で「その他大勢」あるいは「壁の花」だった人たちはどうしているのかなぁ～と思う。
コロナ騒ぎになってからのリモートワークもリモート飲み会も、いまだ未経験だから想像するしかないのだが、あれってかつての通信教育講座や、家庭でのレンタルDVD視聴みたいなものなのかなぁ～と思うと、やっぱりリアルの会議やら宴会とは全く違うもののような気がして仕方がない。
例えば講演会などに行くと、ひとしきり講演が終わった後「それでは質疑応答の時間にはいります。ご質問、ご意見のある方は挙手願います。」といった時間が設けられることがあるが、自分にとって余り興味のない質問だとか、目立ちたがりの発言者の質問ともいえないご託をきかされることがあり、そういう時にはいい加減席を立って帰りたくなることがあるけれど、リモートの場合、まさかスイッチを切って自分だけフェイドアウトするというのも失礼なような気がするし―――。「電話で話し終わった場合、相手が電話を切ってからこちらも切る」なんていう日本的電話マナーがあるらしいが、リモートの場合はどうなっているのだろう。
そんなこんなを聞くにつけコロナ騒ぎで急加速されたリモート化には、正直いって「ついていけない」という思いがしてしかたがない。そうは言いながら、今まで、ITにせよ何にせよう一通りの技術の進歩にはなんだかんだ言ってついて来たことでもあり、その内にリモートクラス会やら、リモート散策会、あるいはリモート忘年会なんていうのにも参加するようになっているかもしれないのだが―――。
（8/10/20 10:00pm）
2020年8月7日
カジノ法案
通称カジノ法案と言われる法案の正式名称は、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」だ。分かり難い名称だが、要は日本にもラスベガスのような老若男女家族ぐるみの統合型リゾートを作りましょうという構想に基づくものだ。
ラスベガスやマカオ、シンガポールなどのリゾートにはよく遊びにいっていたが、確かに日本にも同じような統合型リゾートを作れば、中国や東南アジアからの客を大量に呼び込むことができて、遊民経済にとってメリットは大きいだろうという下心から、治安の悪化だとかギャンブル依存症、マネーロンダリングなどの問題点が挙げられてはいたものの、それなら日本人客は入れないような数々の規制をもうけて（入場料6000円、週三回、月10回迄の入場制限等々）、実質「日本人お断り、外国人はジャンジャン来て！」というリゾートならばいいだろう―――という構想の下に法案成立に至ったのだったが―――。
コロナ発生やら米中関係の悪化などによって状況は一変した。「あてにしたことと、褌は向こうからはずれる」とはまさにこのことかもしれない。
東京オリンピックでさえ開催が危ぶまれるコロナ騒ぎで、少なくとも向こう数年の間に外国人観光客が日本に戻ってくることは期待薄なうえに、米中関係の悪化もあって米国の同盟国日本に、習近平が中国人に日本旅行を奨励するとは思えないし、中国人客だって好んで米国の同盟国日本に、以前の様に好んで出かけてこようとは思わないだろう。
日本人の対中感情も香港やウィグルの人権問題や、あまりの強権政治に悪化しているとなれば、統合型リゾートがもっとも当てにしていた大量の中国人の訪日は望み薄だ。
日本の世論だって、こんなご時世では、「中国人客で大儲け」などというのはケシカランという世論も少なくはないだろうから、政治家先生も、あまり大っぴらに中国人客大歓迎、とはいいだしにくいのでは―――。
そういう最中、国会議員のIRがらみの収賄容疑での逮捕があり、中国の企業からの賄賂でズブズブになっていたという話やら、この先生の後援者が裁判での偽証工作をやっていて逮捕、等という話は出て来るは、ラスベガスサンズやら、シーザーズといった大手が日本のIR事業からの撤退を決めたと伝えられる情勢からすれば、もはやIR法そのものが風前のともし火といってよいのではないだろうか。
タカさんはカジノ好きだが、日本のカジノに入場料6000円払って出かけるぐらいなら、コロナが落ち着いたらラスベガスに出かければ済むはなしだから、別段日本にカジノができなくても別段不都合はないし―――。IRもオリンピック同様、なし崩しに止めにしたらと思う。
（8/06/20
10:00pm）
2020年8月5日
言い出しっぺ
最新の日経の世論調査によると中国の習近平主席の来日について「中止すべきだ」との回答は62%だったし、同じくNHKの世論調査では東京オリンピックについて「さらに延期すべき」と「中止すべき」と答えた人があわせて66％に上り、予定通り「開催すべき」と答えた人を大きく上回ったという。
世論が政策を決める訳ではないが、国民の2/3が「止めろ！」といっている習近平の訪日と、コロナ禍でのオリンピックを強行するのは相当の無理がある。
それでは、なぜ習近平の訪日や東京オリンピックを「止める！」と言えないのかとなるとそれぞれ「止める！」と宣言したらしたで、大なり小なりの反発が予想されるのに比べれば、その判断を拍手喝采する人は少なく「止めて当然だ」「もっと早く決断すべきだった」等という反応しかないだろうと予測されるから、こんな損な役回りは政治家なら誰だってしたくはないのだろう。
そもそも、2年前に習近平に訪日を招請したことが間違いだったし、コロナ騒ぎの真っ最中に「一年延期して‘完全’な形で開催」などと言う甘い判断をしたことが間違いの元だった―――と言えるのだが、今更「死んだこの齢を数える」ようなことをいっても始まらない。
こうなったら、習近平の方から「もう訪日なんか断る！」と言ってくれるか、IOCのバッハ会長が「もう東京でのオリンピックは中止だ！」と言ってくれるしかないのだが、したたかな習近平や、オリンピックで食っているバッハ会長がそんなことを言い出すわけもないから、この望みが叶うことはないだろう。
こうなったら、オリンピックに関してはWHOか、一番のスポンサーであるアメリカのNBC放送（全米、そして世界へのオリンピック中継の権利をもっている）が、「止めるべきだ！」と言ってくれれば、安倍首相も「俺が決めたんじゃない」と事後の批判の矢面に立たないで済むかもしれないのだが―――。
しかし、香港問題やウィグル人権問題でその強権を世界から非難され、尖閣や南沙問題でも非難され米中対立の真っただ中にある習近平が、唯一媚びを売って来る日本に対して「訪日中止宣言」などというおいしい話をする訳もないし、コロナの初期対応で中国寄りの姿勢を取り今や責任から逃げ回っているテドロスWHO事務局長や既に多額の初期投資を注ぎ込んでいるNBCが、自らオリンピックに引導を渡すなどということをするとは考えにくい。このままでいくと、ズルズルといつまでも習近平訪日話や、東京オリンピック開催日程が進み、にっちもさっちもいかなくなってしまうなどという最悪シナリオが展開することになるかもしれない。習近平訪日とオリンピック、誰か責任ある人が言い出しっぺになって早く「止める！」といってほしいのだが――。
もっとも「言い出しっぺ」の語源は、「おならの臭いがする！」と最初に言い出した人が、大抵おならの張本人だ、ということから出たことばだというから、百戦錬磨の政治家連中は、誰もが「あいつが犯人だ」と言われたくないので、「止めた！」と言い出さないのだろう。
（8/04/20 10:00pm）
2020年8月4日
親子は似る
電車の中などで、姉と妹かと思ってみていた目の前の二人が実は母と娘だった――というケースがよくある。今時の40代、50代の母親は20代、30代の娘さんたちと同じようなスタイルの服を着て、化粧まで同じような物なので、タカさんには区別がつかない―――と言ったケースがあるのだ。
娘と母親と違って、息子と父親だとやっぱり齢によって体形だとか、ファッションもかなり違っているから、まず間違えることはないのだが、女性は「化ける」からこういった勘違いは、タカさんのみならず、女同士でさえやってしまうことがあるという。
遺伝子的にいっても母と娘は、その遺伝子の半分が同じ一親等の関係にあるのだから、姉と妹という二親等の関係より、遺伝子的似ているのは当然だともいえる。
自分の選んだ女性の20年後、30年後の体形や容姿を知りたければ、その女性の母親を見れば分かる、等と言われたものだがこれは、遺伝学を学ばなかった昔の人でも、「母親と娘は似ている」という遺伝学的知見は、体験的に得ていたということではないだろうか。
先に、父親と息子の場合は母と娘ほどではないと書いたが、これは容姿に関してのことで、声に関しては似ていると思う。
今は個人毎に携帯をもっているが、昔は一家に一台しか電話がなく、友人宅に電話をしたときに、「もしもし」という声が友人そっくりなので用件をしゃべりはじめたら「ちょっと待って！」と友人の名を呼んでいる声が聞こえてきた―――等ということが幾度もあった。電話を掛けた側の自分の思い込みの所為ということもあるが、「父親と息子の声はそっくりだ」というタカさんの実感は、この頃に得られたものだ。
先日、孫から我が家に電話があった時、妻が婿さんからの電話だと思って緊張したけれど、実は孫からのお礼の電話だった―――と言っていたから、タカさんの実感はやはりかなり普遍的な生物学的真理を含んでいるようだ。
（8/03/20 10:00pm）
2020年8月3日
ふるさと意識
新聞を開けば各都道府県別のコロナ感染者数が表になって載っているし、千葉版には県内の市町村ごとのそれが載っている。
思わず千葉県の感染者数と、我が町の感染者数をみて一喜一憂してしまうのが我ながら不思議だ。高校も大学も勤めも東京だったし、千葉に住んで長いものの川を挟んだ向こう岸は江戸川区でもあり、自分が千葉県民かつ浦安市民だという意識をそんなにもったことはなかったのだが、「県をまたいでの移動をさけるように」などという全国規模の注意報が出され、又、東京がコロナの中心地であるかのように騒がれるようになってからは、好むと好まざるによらず、自分が千葉、しかも浦安という町の住民であることを意識させられるようになった。
考えてみると3月以降は、引退した身である自分は、都内に出かける用事もないだけに、行動半径は我が町内に限られており、そんなこともあって、必然的に我が町に対する「ふるさと意識」のようなものが芽生えてきたようで、新聞の千葉県、あるいは浦安市の感染者数を我がことのように一喜一憂してしまうのだろう。
感染者ゼロの記録が続いていた岩手県では、県民が皆この記録を途絶えさせては何を言われるかわかったものではないからと、固唾を飲んで緊張状態にあったが、やっとその記録が途絶えて一部の人は正直ほっとしている等という話も聞こえてくる。
コロナ騒ぎが長引いていると、これからもこういった他県、他市町村との競争意識のような変な「ふるさと意識」が全国で強くなっていくのだろうか。
（8/02/20 10:00pm）
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