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2021年11月
＜＜11月タイトル＞
11/12 寂聴さんとマララさん 11/10 アイドル人気 11/09 記憶にない 11/08 よい子 11/05 地に足をつけて 11/04
余人すらいない 11/02 金欠なのか？ 11/01 ロシアと日本の間の島
2021年11月12日
寂聴さんとマララさん
当時13歳であったマララさんは、原理主義のイスラムが女性は教育を受けるべきではないと主張するなかで、学校に通い続け、同時にBBC放送などで女性の教育を受ける権利についての国際的な活動を始めていたが、彼女の主張は、イスラムの教えに反するとするイスラム原理主義タリバンの銃撃を頭部に受け生死の境をさまよった。病院の救急治療室に運ばれ、奇跡的に回復したが、その後も女性の教育の権利について積極的な啓蒙活動を続け、2014年、17歳の時に史上最年少でノーベル平和賞受賞した。
しかし、母国パキスタンでは、国民の多くはタリバンに対する恐怖心があって女性の教育の権利推進はそれほど進んではいないし、マララさん自身、身の危険があって母国での生活はできない状況で、今は英国に住んでいる状態だ。隣国アフガニスタンでは8月に、タリバンが政権を再奪取したような状況では彼女の帰国も当分は望み薄というべきなのだろう。
そんなマララさんだが、今や24歳となっているが、イギリスのバーミンガムの自宅で、同じくパキスタン出身で英国クリケット協会の幹部を務める青年と結婚したという。
同じ日のニュースが伝えるのは、あの恋多き女性、瀬戸内寂聴さんが99歳で亡くなったというニュースだ。彼女は、若き時代の結婚、出産、そして不倫により子供を捨てての出奔と離婚、作家としての活躍、出家してからの女性達に対する恋愛の勧めなどの説法等々の話題に事欠かない女性であったが、マララさんも寂聴さんも、リアルな人生を生き、時と共に数々の経験を重ねている女性であることを感じた。
午後、テレビを点けると「科捜研の女」の再放送が流れていた。沢口靖子が演じる科学捜査官を主人公にした警察ドラマで、通しで観たことはないが、結構人気のあるドラマらしく、かれこれ20年近くつづいているらしい。この「科捜研の女」（マリコというらしいが）独身なのか結婚しているのか、どんなところに住んでいるのか、ドラマの中で紹介されたことはないのではないだろうか。プライベートライフは勿論このドラマには不要だろうし、そもそも、20年近く続いているとなると設定上の初回はマリコが30代だったとしても、今は還暦近くになっているはずで、そうだとするとそろそろ定年のはずだが―――。
マララさんや、寂聴さんと違って、ドラマ上の存在である科捜研の女にはゴルゴ13やサザエさんと同じように、年齢なりに人生経験を経る、というプロセスがない事にあらためて気づかされた。
(11/12/21
10:00pm)
2021年11月10日
アイドル人気
将棋を知らないはずの妻が『藤井聡太君がおやつの時間に注文したのが不二家の「コロコロしばちゃん」ですって！』と飛んできた。史上最年少の三冠となった藤井聡太九段のことは、将棋はさっぱりのタカさんにとっても興味のある存在ではあるが、多分多くの、将棋を知らない人たちの為にだと思うが、毎回の対局の際に藤井九段が何を食べたか、おやつの時間には何を注文したかを報じている。
藤井九段以外の棋士や、囲碁の対局の記事では、そういった報道をみたことはないが、藤井九段の場合には、SNSでそれだけをフォローしているものもあったりするのだから、彼には間違いなくアイドル的な人気があるようだ。（野球を知らない人まで大谷翔平選手の一挙手一投足に熱狂しているのと同じかも）
実は妻が飛んできたのには訳がある。現在もう中学生になっている孫娘が幼稚園に通っていた時期、勤めに出ている娘に代わって、幼稚園のお迎えはジジババの受け持ちだった。幼稚園で孫娘をピックアップすると、その足で近くのショッピングモールに連れていって遊ばせたりしたものだったが、その時におやつにと彼女の大好きな不二家の「コロコロくまさん」というカップケーキを買ってあげたものだったのだ。思春期を迎えている彼女にとっては、そんな話は恥ずかしがるかもしれないが、タカさん夫婦にとっては実に懐かしい思い出のケーキなのだ。「コロコロしばちゃん」は、「コロコロくまさん」の姉妹品らしいが、藤井九段がおやつに食べたという記事以来、連日注文が殺到し売り切れる日もあるらしいから、彼のアイドル人気たるやたいしたものだ。
タカさんは、ジャニーズだとか、AKBだとかのアイドル人気は理解できない齢になっているが、アイドル人気に乗ったマーケティングの力というものは、大変なものだという。
さすがに妻もタカさんもわざわざ「コロコロしばちゃん」を買いにいったりはしないだろうとは思うが――大谷翔平選手がベンチで飲んでいる真っ赤なジュースが、アメリカでよく飲んでいた「クランベリージュース」だと知って、アマゾンで1ケース注文したことがあった。そう考えるとアイドル人気の持つ商品力の凄まじさに、実は自分も巻き込まれているのだと実感せざるを得ない。
(11/09/21
10:00pm)
2021年11月9日
記憶にない
詐欺やひき逃げなどで逮捕された容疑者の多くが「記憶にない」と答える場合がよくあるが、犯罪の手引き書（？）等に逮捕時の心得みたいなものでもあり「記憶にないと答えておけば、ひょっとすると無罪になる」とでも書いてあるのだろうか。
しかし、残念ながら（？）その言い逃れが有利に働くケースはほとんどない。逮捕に至るまでには検察側も色々物証などをそろえ、それを裁判所が認めて逮捕状が出ているとなれば、日本の裁判での有罪率が99.9％であることから言って「記憶にない」は、全く無駄であって、却って「反省していない」との心証を招き刑が重くなる場合の方が多い。時代劇で下手人に対して役人が言う「正直に白状すれば、お上のお慈悲もあろうよ」というのは、今も結構有効で、事実を素直に認めれば、判決に於いて「情状酌量」される場合すら考えられる。
泥酔した際などに良く「どうやって帰って来たのか全然覚えていない」と言う人がいるけれど、事故にもあわず溝にも落ちないで帰ってきているのだから、本人は、酔っていても芯の所ではちゃんと覚えていて、思い出すだに自分の醜態が恥ずかしいから「覚えていない」と自分さえ騙しているのに過ぎない場合がほとんどだ。
先日、市中価格何十億円とかいう大量の違法薬物が自宅から押収された外国人グループと暴力団員が皆、「記憶にない」と言っていたが―――みんなクスリで頭がいかれてしまったのだろうか。
(11/08/21 10:00pm)
2021年11月8日
よい子
子は親を見て育つと言われるが、「よい子」程、親に教わったことを信じるし守る。
キリスト教の多くの宗派では生まれてすぐの子供に洗礼を受けさせる。いわゆる「幼児洗礼」である。どんな宗教を信じるのかは「信教の自由」の根本だが、自己決定能力が確立していな子どもにある宗教を押し付けるのは個人の自由の侵害であるとの見解に立つ多くのプロテスタント宗派もあるし、進化生物学者のドーキンスなどは幼児洗礼を「悪」だとまでいっている。
多くの宗教は人々の幸福とか平和に役立っているが、人類史の中で起きた戦争の多くが宗教間、あるいは宗派間の争いを原因としていることも又事実で、そうなると幼い子供の頃に親から吹き込まれた宗教観が、争いの一因だという面も否めなくなってくる。
共産主義は勿論、自由主義もその「正しさ」を主張し、他の主義主張を否定するというまるで一部の宗教と同じような一面をもっていることを考えると、世の中には、いつまでたっても戦争のタネが尽きることはない―――のでは、とすら考えてしまう。まして子供達は親や自分の住む社会から教わったことが絶対的に正しいと信じているとなれば―――。
アフガニスタンでは我々からみると同じイスラム教なのに、タリバンの教えが絶対的に正しいと幼い頃より教わった人たちとISこそ正義と信じる者達同士が、争っていてそれこそ国の体をなさないような状態になっている。
これといった宗教を持たない子は、よい子なのだろうか、それとも――。
(11/07/21 10:00pm)
2021年11月1日
地に足をつけて
命ある物を殺してはいけないと、キリスト教も仏教も教えているが、肉や穀物を食べず水だけを飲んでいたのでは人は生きてはいけない。キリスト教のいう原罪も、仏教の殺生戒も人にとっては大いなる矛盾を強いる無茶な教えともいえるのだが―――。
グラスゴーで開かれているCOP26で討議されている温室効果ガス排出削減目標設定も殺生戒に似たところを感じないではない。
昨今の地球温暖化は人類の排出する「温暖化ガスの所為であるから、それを止めよう」というのは、現在78憶人いる人類が生きていくためにはエネルギーが必要であるという現実に基づくなら、「命ある物を食べずに生きろ」と言っているのにも似ている。
確かに核融合を人類が行えるようになれば、あるいは宇宙ソーラー発電技術を獲得できるようになれば、二酸化炭素を発生させないエネルギーの確保が可能になるかもしれないが、いずれの技術もいまのところ「逃げ水」といわれているように、70年程前から「30年後には、いや50年後には実現する」といわれ続けているが、随分先のことになりそうだし、実現性に乏しいという説も根強い。
グラスゴーでは各国首脳が「2040年までには実質カーボンゼロを達成！」とか「2050年までには――」と大風呂敷をひろげ、「2060年までに――」という中国やロシア、「2070年までに――」というインドに、「遅すぎる！」と非難を浴びせているが、どの国も実現までの具体性が担保されているわけでもないし、大風呂敷を広げた本人達も、この先20年、30年先までその座にいる訳でもない（生きているかさえわからない）だろうから当てにならない目標の優劣を言い合っても、開票前の議席予測の優劣を争いあっているようなもので、なんともバカバカしい限りだ。（マスコミ各社の直前予測は、全社大外れだったではないか）
グラスゴーに集合した各国首脳や、ベソス氏をはじめとする大物企業家などを乗せた航空機は約400機、それ等の航空機が往復の為に排出した二酸化炭素は、10万トンに上るというから何をかいわんやである。（国連総会で演説するために欧州から航空機を使わずヨットでニューヨークに行ったという17歳のグレタさんをサポートした大勢のクルー達は、皆各地から航空機で参集したし、そもそもヨットの製作の為に様々な資源を使った、ということを指摘した意地悪なマスコミもいたが―――グレタさんも泳いでいけばよかったのに―――）
夢を追うのはよいけれど、もう少し地に足がついたものにして欲しい。
(11/04/21
10:00pm)
2021年11月4日
余人すらいない
一国の長や大きな組織のトップで、よく「余人をもって代え難い」等と言われている人物が、突然亡くなったりすると回りは茫然として途方に暮れることがある。
「余人をもって代えがたい存在だった」であろう秦の始皇帝の場合、彼の突然の死のわずか3年後には、さしもの中国最初の統一王朝、秦も滅びてしまったが、その逆にそれまでのカリスマが突然いなくなっても、別に問題なく組織が存続したり、場合によっては以前より大きな組織になる例も少なくない。
立憲民主党の枝野代表は立民内では、「一強」といわれてきたが、今回の総選挙で共産との連携に踏み切ったことで、惨敗を食らい辞任表明を余儀なくされてしまった。なにせ立民の「一強」であった御仁の突然の辞任となると、立民という組織そのものが、始皇帝亡き後の秦のようになってしまうのかどうか気になるところだが―――。
年内には立民の次期代表選があるようだが―――？ 何せ枝野氏自身が失敗だったと認めた、共産との連携に反対を表明した人は党内には、誰もいなかったことを考えると、枝野氏一人に責任をとらせた上で、しゃーあしゃーと次期代表に立候補する人―――というのは、（政治の世界ではありかもしれないが）世間一般の常識では中々考えにくい。
まもなく召集される特別国会までには立民の新代表選は間に合わないから、立憲民主としては首班候補として辞めていく枝野氏を首班候補として指名せざるを得ないのだろうが―――辞めていくのが分かっている人を首班候補に立てるなんて―――実に分かり難いというか、国会をバカにしている。（立民と共闘を組んだ、共産と社民、そしてれいわはどうするのだろう？）
岸田総理が選ばれた先の首班指名選挙では、維新は片山虎之助参議院議員、国民民主は玉木代表を立てていたが―――今回の代表選はどうするのだろうか。それぞれがまあ小さな党ではあるが、党内には他にカリスマがおらずいわば「余人」がいない状態だけに―――野次馬的に気になるところだ。
(11/03/21 10:00pm)
2021年11月2日
金欠なのか？
解散前議席数に比べ立民は10議席、共産も2議席減らしたのだから立民と共産の「閣外協力」による「政権交代」という大風呂敷は、大外れだったと言える。自民党は大方のマスコミが過半数割れかかろうじて過半数越えとの予測を発表していたのにも関わらず、公示前に比べれば議席数を14減らしたものの、単独過半数を大きく超え絶対過半数を獲得したが、立民と共産はそれぞれ公示前議席数から減った（立民13議席減、共産2議席減）のだから両党党首ともに結果責任を問われるのではないだろうか。
もっとも元々が選挙互助会的な集まりである立民は内部でもめても、何せ21年間も党委員長の座に座り続ける共産の志位氏の場合は党の性格から言って責任論を封殺するかもしれないが―――。
それにしても失敗に終わったこの共闘に、なぜ両党が踏み切ったのか―――なんとも解せない。
立民の枝野さんという人、かつては革マル派とのつながりを国会の予算委員会で追及されたこともある位だから、彼の根本の所には強い共産主義への憧れがあったのだろうか―――。立民の強力な支援組織であった連合まで共産と連携と聞いただけで、離れていったし、今までの立民の支持層の中のリベラル派や、無党派層の中の共産嫌い層までが、立民から離れていったことが、今回の「惨敗」の原因だったように見える。枝野さんはここに至るも、「来年の参議院選でも共産との連携を強める」などといっているようだが、彼が居座ると、立民はかつての社会党のように、いずれなくなってしまうかも―――。
それより何より分からないのが、今までの選挙では、議席獲得は度外視して、全選挙区に候補を立て、コアな支持者のメンテナンスに努めて来たはずの共産が、今回何故多くの候補予定者を取り下げ、立民に譲ったのか―――この点が、どうにもよくわからない。最近の共産党は、戦後一貫して唱えて来た「天皇制廃止」のスローガンを引っ込め「国民の議論にゆだねる」などと随分宗旨替えをしていたから、現実論に目覚めつつあるのかもしれないが―――そうであるならば党名の「共産党」を変更したらとも思うのだが―――。一説では、政党助成金の受け取りを拒否している上に、最近は、新聞赤旗の購読者も減り、党の財政が苦しくなってきていて、全選挙区に立候補者を立てるとその供託金だけでも大変なので、この際、渡りに舟とばかりに、多くの選挙区で立候補を取り下げて、いい顔をしたのではないか、という説もあったが――。どうだろうか。
(11/01/21 10:00pm)
2021年11月1日
ロシアと日本の間の島
「サザエさん」の新聞連載がはじまったのは戦後すぐの昭和21年、今から約75年前だが、登場人物の年齢設定は75年経っても変わらずカツオ君はいまでも小学5年生（？）、ワカメちゃんは小学３年生位のままだ。ミッキーマウス、ゴルゴ13などもそうであるように想像上のキャラクターは何年たっても歳をとらないが、1953年に作家イワン・フレミングが生み出した英国秘密情報員の007ジェームス・ボンドも既に半世紀以上たっているのに当初の設定である30代の不死身のプレイボーイ―――という設定は変わらなかったはずなのだが――。
マンガと違って生身の俳優が主演を務める映画ともなると、同じ若さの設定は難しいようで、第26作目になった今回の「007／ノー・タイム・トゥ・ダイ」は、6代目のボンド役であるジェームス・クレッグがボンド役を引退するにあたって物語の設定も今までの物とは大分様変わりしていた。
まず、ボンドは英国情報部を辞し、今やジャマイカで引退生活を送る身になっており、しかし007のコードナンバーは永久欠番になっておらず、今や大柄な黒人女性が継いでいる――という設定になっているのだから、時世の移り変わりを感じる。
上映時間2時間55分という長さが今どきちょっと冗長すぎるように思わないではなかったが、おなじみのカーチェイスやアクションはお約束の面白さ満載だったが、ボンドが人類の為にわが身を犠牲にしてミサイルの標的になる島に残る―――という正義漢ぶりには、今までのボンド映画らしからぬちょっと臭さを感じないではなかったが―――まあ、ジェームス・クレッグ自身が007役を引退するには、これ位の徹底的な抹消が必要だったのかもしれないが―――。
もう一つ、面白く感じたのは悪役スペクターの総本山である島が、「ロシアと日本の間の島」ということになっている点だ。欧米などの国の人々にとっては日本とロシアの国境等という場所は全く想像もつかないし、関係のない場所だから、ある意味「火星と木星の間の島」位の感覚だとおもうが、北方領土問題を抱える我々にとっては、「えっ、一体どの辺りの事？」と考えてしまう。スペクターにいいように使われている島だから、国後や択捉、天売、焼尻といった人が住んでいる島ではないとすると―――果たしていくら未開の地にあるにせよ、そんな島の存在は考えられないのだが―――。
シャーロック・ホームズの連載督促を受けてほとほと嫌になった作家のドイルは、一度ホームズを宿敵モリアティー教授と共に断崖から落として殺しているが―――その後、都合により「実は彼は生きていた――」という設定で連載を再開したが―――今回の007でもエンドロールの最後に、「James
Bond will Return」のテロップが流れていたから、いずれ又、新しいボンド役の俳優を得てまだまだ何作も続くのだろう。
(10/31/21 10:00pm)
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