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2018年3月
＜＜3月タイトル＞
03/30 靖国のさくら 03/29 二階建て車輌 03/28 ジャイアントベイビー 03/27 自由とは 03/26 マネージメント能力 03/16
残業ゼロの課題 03/14 パッパラパ― 03/13 野球場へ行こう 03/12 老いて学べば 03/09 無量大数 03/07 鉄鋼輸入規制に思う
03/06 本物とレプリカ 03/05 ガチンコ相撲 03/02 セサミストリート 03/01 兵糧攻め
2018年3月30日
靖国のさくら
さくらの開花宣言というのがあるが、日本各地の気象台の近くにあるさくらの木（大阪などは庁舎内の庭にあるらしい）を標準木と定めその標準木に5－6輪ほどのさくらが咲いた時をもって開花日としているらしい。
東京の場合、標準木は靖国神社の境内にあり、大手町の気象庁からは2キロ程はなれているが、これは以前、気象庁が現在の竹橋のところにあって靖国神社のすぐそこだった時の名残だそうで、気象庁を移転する際に標準木も変更すればよかったのに、「折角、靖国神社にあるものを変更するのも―――物議をかもしかねないから」とお役人一流の事なかれ主義で（？）でそのままにしたものらしい。
心なしか、毎年、東京のさくらの開花日が早くなっているような気がして、地球温暖化の影響を心配する向きもあるが、さくらは老木になるほど開花が早くなる傾向があるそうで、ソメイヨシノの平均寿命といわれる50年をはるかに超えている靖国の標準木（樹齢は80年ほどになるという）が、年々、早咲きになってきている？（人間だって歳をとると自然と早起きになるのと同じか―――）所為かもしれない。
今週火曜日、靖国神社そして千鳥ヶ淵のさくらを見てきたが丁度8分咲き位の感じで気象用語的にはこの頃を満開というらしいから、まさに見頃であり、今年は何か縁起がよいような気がしてうれしくなった。
靖国神社は今、平成31年（2019）の150年蔡に向けて境内の整備が進んでおり、境内の屋台や花見席が全てなくなり、美しい庭園風に整理されているから、上野や墨堤公園のような花見客の宴会風景はなく、落ち着いてじっくりとお花見ができる。
日本人にとって花見の賑やかさはそれはそれでこころ浮きたちよいものではあるが、静謐な神社の境内で心静かに眺めるさくらも又この上なく良い物だ。
タカさんにとって靖国と千鳥ヶ淵の花見は、これからも益々、欠かせない東京一のお花見スボットであり続けることだろう。
さくらの花を見ることの良さは、花の美しさに加えて、日本人ならではの無常観を感じるからではないだろうか。今年もさくらの木の下から薄曇りの空を背景にして映える満開のさくらを見ながら、来し方行く末のこと、そして今は亡き人々、今在る人々のことを考えたが、この時ばかりは気分だけは、いにしえの歌人の気分になれた。
あと何年こうやってさくらを見ることができるだろうか―――。芭蕉の名句「さまざまなこと思いだすさくらかな」が心に染みる一時だった。
（3/29/18 10:00pm
S.T.）
2018年3月29日]
二階建て車輌
かつての日の出の勢いがウソのようになってしまった小池百合子都知事だが、都知事選立候補の際に掲げた政策の一つに「満員電車ゼロ」というのがあった事を覚えている人はもう少ないのではないか。
満員電車ゼロ政策実現の為の具体策というのが「車輌とホームの総二階化」というのがあってこれを聞いた時に、いかにデッカイ構想で票を稼ごうとするにしろ、どう考えても与太話のしかも相当に質の悪い話しにきこえズッコケてしまい、小池さんという人への多小なりとも残っていた期待感を一気に失ってしまったことを思いだす。
満員電車を減らすには確かに車輌のキャパを増やすのが手っ取り早い。かといって複々線化をはかるには土地の買収費がべらぼうにかかるから、既存の線路を使って車輌を総二階にしてしまえば、そのコストは高いとはいえ、複々線化の土地買収コストの数分の一で済むのは、計算上は成り立つ議論かもしれないが、それでも少子高齢化に向かい、人口も徐々に減少していく日本において、例え山手線だけでも、ホームと車輌の総二階化を実行するコストは何兆円かかるやら、まともな感覚を持った人ならその案の荒唐無稽さに白け切ってしまうところだが、あの頃の小池候補の対立候補たちの小池さん以上の質の悪さに、そんなバカげた構想にも一定の理解があったようだ。
総二階ではないが新幹線に極一部、二階建て車輌というのがあって、一度乗ったことがあるが、偶々のった席が一階部分だったために、駅のホームに停まっている時には、ホームから見下ろされる感じになって、却ってみじめな気持ちになって、もう二度と二階建て車輌なんて乗るものか！と思ったものだ。（評判の良くない二階建て新幹線は、いま、漸次廃止の方向にあるとか―――）
浅草などを走っている二階建てバスだってその一階に乗るほどバカバカしいことはないのでは―――。
確かに、通勤通学時の満員電車が解消されれば、こんなにいいことはないが―――その方法は、車両の二階建て化なんていう話しではなく、時差通勤通学の制度化とか、電子化によるホームオフィス化といったもので計る方が、より現実味があると思うのだが。
（03/28/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月28日
ジャイアントベイビー
人間の赤ちゃんの体重は一日平均30グラム増えるといわれているから、3キロで生まれた赤ちゃんなら生後9か月で10－12キロになっていれば「すくすくと育っている」といえるのではないだろうか。
昨年年6月に生まれたジャイアントパンダ「シャンシャン」の身体検査が一昨日行われたが体重はなんと23キロあったという。
これはその10日前に比べたら1.3キロ増加しているというのだから一日当たり130グラムも増えている訳で文字通り「ジャイアントベイビー」である。
母乳とササなどの草食だけでよくここまでの体重になるものだと、同じ哺乳類仲間として「シャンシャン」に畏敬の念すら抱くけれど、考えてみれば同じ哺乳類仲間では人間のみが極端に成長が遅いということも言える訳でパンタが凄い！という訳でもないのかも知れない。
シャンシャンの様子を伝える動画をみるともうすでにちょっとした木登りをしているし、一人遊びをしているではないか。
娘たちの成長を思い出してみると９カ月といえば漸くつかまり立ちをしたか、しないかといったころで食べ物だって離乳食を一さじ二さじといったところだろうに、シャンシャンはもうササをムシャムシャたべている―――。
もっとも最近の日本人の平均寿命が80歳ぐらいになっているのに比べればパンダの平均寿命はその4分の１程度の20年だということを考えれば、人間の4倍以上の早さで成長するのも理にかなってはいることになるが－－－。
現代の日本人ならば大学までいって漸く一本立ち―――ともなれば22歳にはなっているが、これをパンダ年齢に直すと5歳ぐらいで一本立ちするのと同じだ。
もっともメスのパンダの妊娠可能期間は年に一回、３日から4日にしか過ぎないし、年がら年中妊娠可能な人間との比較は難しいが－－－。
上野公園のお花見の季節が終わってゴールデンウィーク前の時期、上野動物園のパンダ見学の行列も少しは落ち着いているだろうから、一度シャンシャンの成長ぶりを見に出かけてみてもいいかなぁ〜と思っている。
（03/27/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月27日
自由とは
オートバイに乗る時、ヘルメットの着用が義務付けられているが、今やこの規則に疑問をぶつける人はいない。
しかし、ヘルメット着用が法律によって義務付けられた当時、オートバイの愛好家の中には「ヘルメットを着けるかどうかは、個人の自由であって国が個人の自由を奪うのは憲法違反だ！」などという意見が随分あった。
「オートバイで転倒して（あるいは激突して）、ケガをするのも死んでしまうのも本人であり、そんなことまで国に心配してもらう必要はない、余計なお世話だ！」といった理屈を並べ立てていたようだったが－－－。
国家（親）としては国民（子供）の命を守るのは当然のことだから、そういう規則を作り守らせるのは個人の自由の侵害にはあたらない、というのが国の側の主張でありヘルメットの着用がいかに人の命を救うかといったデーターを示すキャンペーンが行われたこともあって、反対論も急激に鎮静化していったように記憶するが――。
この例のように、権威を持つ立場のものがその権威の下にある者に対して、良かれと思ってやることが、自由の侵害になってしまう場合を「パターナリズム」という。
親が子供のケータイを取り上げて「勉強しなさい！」というのも医者が入院患者に対して「お酒を止めなさい！」というのも、やはりパターナリズムの一種であるが――。
一概に、パターナリズムが良いとか、悪いとか言えないのは、個人の自由だからといって麻薬を野放しにする訳にはいかないこととか、安楽死をのぞんでも自分の死さえも自由意志では決められないといった究極の「不自由」を強いられる―――といった余りにも様々なパターンが考えられるからだ。
いまや、世の中では「自由」という価値観が絶対的に「善」だということが言われているけれど、そもそも「自由」には様々な階層があるし、世の中の争いという争いは、自由vs自由で戦われていることを思う時、皆が安易に「自由」を主張しすぎる最近の風潮に何か危うさが漂っているような気がしてならない。
（03/26/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月26日
マネージメント能力
サラリーマンでも（特に海外駐在などでは）妻の働きというのが結構重要になる。
妻がしっかり者であれば夫の評価も上がるが、妻がそうでもない場合、夫の評価が下がる、等ということもある。
「奥さんを御しきれないような旦那は、仕事の方のマネージメント能力もたいしたことはないのでは―――」等と思われがちだ。（夫と妻の立場が逆でも同じで、「あの旦那がダメなのだから、奥さんもきっとたいしたことはないのでは―――」等と思われがちだ）
まさか、安倍首相の指示があったとは思わないが、財務省が記録を改竄した問題が安倍政権を揺るがせているが、あの事件の大本には安倍昭恵夫人が森友学園の設立を予定していた小学校の名誉校長を務めていたため、財務省側が忖度をして便宜を図ったことにあるのではないか―――といわれている。
すなわち、今、安倍内閣が野党に追及されている一件の、元の元は昭恵夫人がとった「軽はずみ」な行動であって、夫人のその行動故に、夫である安倍首相自身も疑いをかけられ、責任を問われている――という訳だ。
トランプさんの夫人や、習近平さんの夫人は、色々なところで国際的に活躍しておられるが、それに比べれば安倍首相夫人の役割なんて取るに足りないものだが、夫の足を引っ張るという点においては、どうも昭恵夫人の目立ち方が群を抜いているようにも思える。
名誉職というものは、どんな些細なものでも、細心の注意を払ってから受けるべきであり、できる限り断るべきだ」といわれるが、「義理と人情の世界」では断り難いことは確かで、総理夫人ともなれば特に世の中の有象無象、詐欺師の類が寄ってくることは分かっていただろうに―――。
安倍昭恵夫人という方、そういった、知識もなかったとしたら―――。
やっぱり、夫である首相の家庭の「マネージメント能力」には、多少問題があったのかも知れない。
（03/25/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月16日
残業ゼロの課題
世の中、何事に限らずとかくムダが多いのはたしかだ。働き方改革が言われているけれどその基本は「ムダを省こう！」という事だ。
ムダな会議、ムダな書類、ムダな残業、etc、――。ムダを省くことができれば働き方改革の目標は達成されることになる―――という訳だが、それが使用者側（経営者側）にとっても、働く者の側にとっても「良い事」であるならば労使挙げて皆が賛成し、同一の目標に向かって努力するのだから、「働き方改革」に反対する人などいないはずなのに、項目によってはそうはなっていない（ムダな会議等というのを止めようというのには99％が賛成しているのに―――何故か減らないが）のは、「働き方改革」に何か不都合な点があるからに違いない。
例えば、働き方改革の一つのターゲットである「労働時間の短縮」、例えば「残業ゼロ」が実現したら―――正直、いって毎日、毎日、定時に旦那さんが帰ってくると聞いたら（タカさんの世代では特にそうだった）、サラリーマンの奥方は新婚時代ならともかく、「勘弁してよぉ〜」となっていたが、多分、今のサラリーマン家庭でもそうではないだろうか。
それに、月平均残業が30時間ぐらいあるサラリーマンは、残業代が最低でも月6－7万円はついているだろうから、ある時会社側が「今月からは残業禁止、皆、定時には帰宅するように」というお触れを出した場合、着実に月収が6－7万円減る訳で、残業が減った分だけ収入が減ったがプライベートな時間が増えた―――！と素直に喜べない人も出るのではないだろうか。（手取りが増えないのに、物価はじわじわ上がっている昨今では特に－－－）かといって残業ゼロにして給料を月6－7万円上げる－－－などという芸当のできる会社があるとは思えない。
働き方改革の目標である「何事も合理化」にしてみても、経営者側にとっては良い事といえるかもしれないが、働く者の側にとっては喜んでばかりはいられないことも多いのではないだろうか。合理化といえばその最大の物は「人件費」だが、その人件費をとことん合理化するには例えば究極の無人化を計ればよいことになるが（機械や、AIならば一日24時間、残業代もなしで働いてくれる）、そうなるとそれまで職場で働いていた人間はすべて「合理化」される訳で―――しまいには経営サイドの人間までもAIに代替されて「合理化」されてしまうことになるかもしれない。それが「働き方改革成就の姿」なのだろうか―――。
昔、聞いたことのある落語にこんな話があった。節約を信条にしている働き者の夫婦がいて使用人を十人使って商売をしていたが、どうも十人では多いようなので五人減らしたところ何とか間に合う。それではと奉公人全員に暇を出したのだが、それでも商売は回っているので、この店の主人、おかみさんを離縁して一人で切り盛りしはじめたが、それでもどうにか店の商売は上手くいっている――遂に店の主人は―――自分もどこかへ行ってしまった－－－というのだが―――。
働き方改革法案とやら、何となく最後はこの落語の話に似てきたような気がしないではないのだが。
（03/16/18 9:00pm
S.T. ）
2018年3月14日
パッパラパー
憲法は国会に強い権限を与えているがその中の一つに国政調査権という権限がある。国政調査の方法にも色々あるが、最も有名であり強力なのが「証人喚問」である。国会に証人を呼んで喚問するという方法で、この喚問を受けると虚偽答弁をすれば重罪に問われるなど一般の司法の場とは比べものにならない厳しいものであるという。
それだけに、喚問されるとマズイ連中は、ロッキード事件の際の証人喚問で田中角栄の刎頸の友といわれた国際興業の小佐野証人が繰り返した「記憶にございません」をはじめ、「刑事訴追の怖れがありますので回答を控えさせて頂きます」（訴追中の事件は証言拒否できる）等々どうにかこの場を逃げ切る方法が次々に編み出されておりこの頃では、憲法成立時に期待されたほどの威力は無くなっているともいわれている。
森友問題で虚偽答弁を繰り返したのではないかとの疑惑の的である元大阪理財局長である佐川氏は、遂に追求からのがれないと観念したからか、国税庁長官を突如辞職して「一民間人」となってしまった。
勢いづく野党は、この佐川氏の国会喚問を求めているが、民間人を証人喚問するためには原則、国会の全会一致が必要だというから果たして追及される側の与党の賛成が得られるだろうか？
全会一致が得られなくても過去に過半数の賛成で証人喚問に至った例もあるが、佐川氏の証言次第では麻生副総理のクビばかりではなく、安倍首相のクビもとびかねないとなれば、次の首相になりたくてしょうがない石破さんといえども、反旗を翻して喚問に賛成するのは随分と勇気がいることだろう。
もっとも、これ以上事件をうやむやにしようとすれば、政権支持の世論も総崩れとなりかねないから、世論を納得させるためには佐川氏をスケープゴートにするということを安倍政権が考えることも考えられ。
そうなれば、佐川氏の喚問の可能性がないではないが、そうなると勢いづいた野党が次に狙うのは安倍首相夫人で森友学園の名誉校長になるつもりだった昭恵氏の喚問を要求してくるだろう。
いかに、不肖の夫人といえども、さすがの安倍首相も、彼女をスケープゴートにすることまでは中々ふみきれないのではないだろうか。そうなると、日本の政治はこの先、当分の間、証人喚問でもめ続け、北朝鮮の核問題や、東南アジアの安全保障問題、貿易問題等々どころではなくなってしまう－－－。それはそれで日本にとって大問題だ。
まあ、この騒動のそもそもの原因は、昭恵夫人というパッパラパーの軽はずみな行動と、そんな夫人の監視も出来なかったダメ夫の安倍首相が、まいた種ではあるのだが。
（03/13/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月13日
野球場へ行こう
野球の観戦はやっぱりテレビ観戦より野球場で観戦する方がずっと楽しい－－－というのは確かだ。
先日も今年はじめてZOZOマリーンスタジアムで行われた待ちに待った千葉ロッテのオープン戦に出かけた。
半年ぶりにいつものファン仲間との再会も果たして盛り上がったし、マリーンズが巨人相手に初戦勝ちしたし―――と満足したのだが―――オープン戦という所為もあって、本物の試合の方がテレビ観戦の数倍もいいか－－－となるとちょっと首をかしげたくなるような所もあった。
まず、何よりも屋外の球場は寒いという点だ。野球は本来「野外でやるもの」だったのだから当たり前といえばそうだが、何せこの時期、海に近いこの球場の寒さは、神宮などの他の屋外球場に比べても一段と寒い。特に二連戦の二戦目は試合中ずっと曇りだったし、マリーンスタジアム名物の風も吹いていたから体感温度は物凄く低くて震え上がりながらの観戦だった。温かい物でも売りにくれば少しは助かるのだが、場内売り子のお姉さんたちが売って歩くのは、生ビールとコーラばかり――この寒さで生ビールとは、いかにお姉さんたちが美人ぞろいといえども、罰ゲームのようなもので、売れ行きはさっぱりで、売り子のお姉さんたちが気の毒になるぐらい。（ホットコーヒーを売っている娘さんが一人いたけれど、急いで捕まえないとたちまち売り切れてしまう有様）
現場観戦のもう一つの不満点は、テレビ観戦ですっかりなれてしまったビデオ再生がないという点だ。いままで余り気にしなかったのだが、この半年、マリーンズが昨年パリーグ最下位でレギュラーシーズンを終えて以来、プレイオフも日本シリーズもテレビ観戦ばかりを見慣れてしまった所為で、ワンプレー毎、ほとんど一球ごとの、ビデオ再生や球筋の解説に慣れ切ってしまっていてビデオ再生もない、球筋の解説もない現場観戦は何となく物足りない気がしてしまった。
家に帰ってから録画しておいた試合を再生して、ファインプレーや盗塁の場面を何度も再生して確認したのだから、よく考えてみると最初から、暖房の聞いた我が家で温かいお茶でものみながら、場面毎に何度も録画を巻き戻して確認していた方が（どうせオープン戦なら）十分だったのでは－－－と思わないではなかった。
大相撲にしても、本場所を見に行くとあの独特の雰囲気は、何とも言えず良い物だが（特に熱燗を一杯やりながらの観戦となると最高の気分だが――）野球と同じで、ビデオ再生がないし、特に物言いがついた時、テレビだと直ぐに何度もビデオで再生してくれるのに、本場所では遠くの土俵で何があったのかさっぱりわからず不満も残る。
公式戦が始まれば、少しは暖かくなってくるだろうし、マリーンズは昨年は何せ最下位だけに、もうこれ以上、下はないのだから安心してみていられるし―――昨年は何かと忙しくて20回しか行けなかったマリーンズの試合だが（一昨年は40回）今年こそは年間50回観戦記念バッジをゲットすべく頑張ろうと思っている。
（03/12/18 9:00pm
S.T. ）
2018年3月12日
老いて学べば
昨年、放送大学を最高齢、99歳で卒業された人がいるというニュースを読んでびっくりしたことがあったが、先日、プロ野球のオープン戦を見にいったとき、近くの席に85歳で放送大学に通っているという人がいていや〜世の中には、いくつになっても「学ぼう」という意欲をもっている人はたくさんいるものだなぁ〜と感心した。
元気だから学ぼうという意欲があるのか、学んでいるから元気なのかのという因果関係はどうなっているのかと思わないではないが、案外、これは必要十分条件なのではないかとも思う。
江戸時代の儒学者、佐藤一斎は「少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」（若い時に学べば、壮年になって為すことがある。壮年時代に学べば、老年に なって気力が衰えない。年老いて学べば、死後も人望は朽ちない。）と言っているが、最近とみにこの言葉が身に染みるようになってきた。
佐藤一斎は決して自分の為に勉強しなさいといっているわけではなく、その趣旨は、学ぶこと、教養を身につけることこそが、世の中の人々の為になることなのだ、といっているのだという解説を読んだことがあるが、確かにそうであるとするならば政治、経済、文化、あらゆる分野で皆、十分な教養をたくわえていたとしたら諍いは起こらないということではないだろか。
自省を込めて考えれば、この年になっても自分もまだまだ学ぶ意欲を持たなければいけないということでもあるが。
（03/11/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月9日
無量大数
一日は86400秒（3600秒x24時間）である。
従って一年は3153600秒、タカさんが生きてきたのはその約70倍の220750000秒（約22億秒）である。
生まれてこのかた、一秒も休まず、1から一秒に一つずつ数を数え続けても未だ22億（10の９乗台）に到達しただけで、10の10乗台（100億秒）に到達するには、後350年近くかかる計算になる。
乗数で考えると、宇宙開闢の138億年から今までの秒数にしたところで、まだ10の9乗秒に（しか？）達していないというから、仏教でいう一番大きな数字の桁である「無量大数」10の68乗（諸説あるが）の59乗も小さな数字ということになる。
こうなってくると、数の概念というのは、日常我々がつかっている数字の概念とは全く違ったスケールの物なのだということを思い知らされるではないか。
（何度もいうように）タカさんは、囲碁・将棋は全く知らないので、正しいのかどうかも分からないのだが、将棋の場合、一手ごとに次の手の可能性が大体、平均10手はあるという。
一局の決着がつくまで平均すると大体130手位かかっているということだから、初手から終局まで両者の打つ手の可能性は、10の130乗平均あるという計算になる。
ということは、将棋一局の間に打ち手は、無量大数よりも更に52乗も多い手数の可能性を極めて短い対局時間中に判断しているということになる。
最近はコンピューターとプロの対局で時にはコンピューターが勝利する、といった話も聞くようになったが、（機械ならそんなこともありかなという気もするけれど）人間の知能がそれに未だに対抗しているし、名人クラスになるとまだまだ人工知能が超えられていないというのだから－－－すなわち、10の130乗ほどの手の可能性を一局の間の短い時間中に考え、判断しているということになる。
そう考えると、人間の能力というものは、実に神をも超えたレベルにあるのではないか―――と思う。
そんな神の能力をそなえている可能性のある人間であるにもかかわらず、他人は勿論、自分の心理さえ読み取れず、常に失敗の繰り返しを重ねているというのはどういうことだろうか。
きっと――人の世は無量大数の無量大数乗ほどの変数をもった世界だということになるのだろうか。
（03/08/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月7日
鉄鋼輸入規制に思う
ペンシルバニア州と言えばタカさんにとって思い浮かぶのは鉄の街ピッツバーグである。ピッツバーグといえば「鉄の街」を思い浮かべるのは、この街のプロフットボールチームの名前が、ピッツバーグ・スティーラーズという名門中の名門チームであることが多分に影響しているように思う。
スティーラーズはスーパーボールを二度連覇しており、通算でも6度制覇という全米一の輝かしい歴史をもっており、タカさんのアメリカ駐在中、常に強豪として名をはせていて何度も悔しい思いをしたことを思い出す。（但し、ＱＢのテリー・ブラッドショーのプレイにはいつも魅了されていたけれど）
アメリカの鉄鋼業が徐々に外国製品に押されて衰退の方向へ沈みだすとペンシルバニア州は、ラストベルト（錆び付いた工業地帯）と呼ばれるようになって失業の多い州として知られるようになってしまい、スティーラーズの成績もしばらく低迷していたように記憶する。（最近は、シェールガス関連のスポンサーのお陰もあって、スティーラーズの成績もかなり盛り返しているようだが）
そんなペンシルバニア州では現在下院の補欠選挙が進行中だ。（3月13日投票）
トランプ大統領が突然、外国の鉄鋼製品輸入に高額の関税をかけることを表明し、共和党の欧州を始めカナダ、中国などが反対声明をだしているが、トランプ大統領は「取り下げるつもりはない」と強硬である。
何年もかけて世界が貿易の自由化へと動いているこの時期に、何故、トランプ大統領は世界の時計を10年も20年も後戻りさせるような高関税化にふみきろうとしているのか－－－。
理屈で動いている人ではないし、平気で横紙破りをしてきた大統領だけに、彼の論理を理解するのは難しいような気もするが（共和党の下院議長まで反対している）、なあに、ペンシルバニアという鉄の街の選挙民の票を得るための、トランプらしい分かり易い票取り作戦だと考えると案外、謎解きも簡単なようにも思うがどうだろうか―――。（輸入制限と聞いて、鉄鋼労働者は大喜びだろう）
面白いのは、ちょっと前まで自由貿易の旗手だったアメリカが、トランプが大統領になって、一転、自由貿易の敵として世界の反感をかっていることだ。
その一方で、以前は不公平貿易の巣窟であった中国が、「自由貿易の旗手」然として、アメリカの鉄鋼関税を非難する急先鋒となり、その中国にカナダやヨーロッパが同調する立場をとっているということだ。
こんな調子でいくと、世界の覇権は、いずれ中国に主導される陣営対アメリカ一国ということになるかもしれない。
まあ、いつまでもトランプ政権が続くとは思えないが、そろそろ日本もアメリカ一辺倒のスタンスを、見直す必要があるのかもしれない。
（03/06/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月6日
本物とレプリカ
毎年、梅の季節になると熱海のMOA美術館で尾形光琳の紅白梅図屏風が展示されている。（今年も3月13日迄だ）
この光琳の傑作といえる作品は日本の美術品の中でもタカさんの一番のお気に入りといってよい作品だが、美術にさほど造詣がある訳ではないタカさんにとってこの作品のすばらしさの幾分かは、一年に一度、この梅の季節にのみしか公開されない、すなわち年一回2ケ月余りの間に、わざわざ熱海まで出かけて鑑賞するしか本物を鑑賞するチャンスがない、という希少性も多分に加わっているように思う。（熱海は近いし、一泊して温泉につかるのもよいし－－－年中行事にしたい程だ）
最近は、この種の芸術品の展示には時々、レプリカと断り書きがしてあるものも多いが貴重な作品を劣化から守るためにはやむをえない処置だとは思うものの、「レプリカ」という表示を見た途端、何だかがっかりしてしまうし、紅白梅図屏風の本物を見時に感じる「本物だ！」という感動とは何か違うものがある。
もっとも、自分でも不思議に思うのは、美術品ならまだしも遺跡の類などでも本物だ！といわれると、レプリカだ、と表示してある物を見た時のがっかり感との差は一体なぜだろう。
エジプトのロゼッタに行ってロゼッタ博物館でロゼッタ石を見た時に、発見の地で感じたがっかり感と、大英博物館でロゼッタ石の本物を見た時の感激とは、同じ形をした、同じ字が書いてある（当然だが）石を見たのに、何故ここまで差があるのか―――と不思議に感じたものだったが。
一昔前ならば、贋作と本物との違いは見る人がみたら明らかに違うものだといわれたが、昨今は3Ｄプリンターなど、技術の粋をあつめて作ったレプリカは、冒頭でものべたように、美術館でさえ採用しており、本物は大切に保存しておいて、展示用には本物と違わぬレプリカ（昔だったらニセ物といっていた）を使っているのだから――わざわざ美術館まで出かけていって精巧につくられたレプリカをみて―――感激する－－－なんて考えてみれば変だとも思うし。
その内に精巧で本物と全く同じのモナ・リザや紅白梅図屏風が、ルーブルやMOA美術館のお墨付きを得て売り出されるようになるかもしれない－－－。そうしたら、パリや熱海まで出かける必要はなくなるのだろうか？？ 少なくとも、美術品の価値とは一体何なのか？の論争が起きそうな気がする。
（03/05/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月5日
ガチンコ相撲
早いもので大相撲春場所今週11日が初日だ。
暴力問題だ、貴乃花親方と相撲協会の確執だ！と週刊誌や、テレビのワイドショーが（よほどネタがなかったのか）随分とにぎやかで訳知り顔の素人コメンテーターが「こんなことでは、ファン離れが心配される！」などと言ってはいたけれど、春場所の前売りは売り出し初日にほぼ完売になったというし、騒ぎの真っ最中だった初場所も、満員御礼が続いたというから、いわゆる「俄か良識者」がいうほどには「相撲人気にかげり」ということはないように思う。
60数年来の相撲ファンであるタカさんも、大相撲に対しては（常に）、意見を述べたい口（しかも辛口の）だが、それもこれも含めての相撲好きだからこそであって、「もう相撲には嫌気がさした、テレビニュースでさえもう見ない！」なんていうことは、絶対に思わないだろう。
というのも、タカさんが大相撲を見る目が、「大相撲は普通のスポーツではない、日本の伝統芸能的な物がある」という先入観が強固にあるからだ。
それは、大相撲興行というものが日本にしかないし、しかも現代的な面を備えていて、能や文楽のように、現代性を失った、いってみれば、過去の物ではない、というところにあると思う。
横綱白鵬の立ち合いでの張手やかち上げが「横綱として美しくない」という感性は、相撲をスポーツだと基準でとらえる外国人からみれば「ルール違反ではないのに何でいけないのか！」となってしまうのは、メ―ジャーリーグで、10対０で勝っているチームがバントしてもいいじゃないか、といっている日本人と同じで、伝統的な競技にはそれぞれに伝統のルールがあるのを知らないだけで、やっぱりそういう伝統というか文化の面は大事にした方がよいと思う。
そういう意味では先場所、かち上げや張手を封印したのは（その為に調子を狂わせたようでもあるが）よかったし、これで大相撲が本来の伝統美を少しでも取り戻せたら益々、相撲が面白くなると思う。
もう一ついうなら、最近、八百長問題以降、相撲も絶対的にガチンコが要求されるようになっているが、（タカさんは八百長が良いといっている訳ではないが）、もう、引退の年齢に近づいた幕尻で7勝7敗の力士と優勝争いと関係ない8勝6敗の若手力士が千秋楽に対戦した場合、勝ち越している力士が、人情相撲を取ることにまで目くじらをたてる「ガチンコ要求」の風潮は、それこそ「美しくない」と思う。（タカさんが古い人間だからだろうか）
結婚式で、来賓のあいさつは花嫁、花婿を褒め上げるべきで、ガチンコの人物紹介をやっていては、結婚式が台無しになってしまうと思うのだが。
（03/04/18 9:00pm S.T. ）
2018年3月2日
セサミストリート
スーパーのレジの所で4歳ぐらいの男の子に、お母さんが「ほら、急がないと英語教室に遅れるわよ！」と急かせていたのを見て、小学3年生からの英語の必修化が2020年度から実施されるとは聞いていたが、英語教育熱はここまできているのか〜とあらためて驚かされた。
そういえば、娘夫婦は帰国子女同士で一応英語には不自由していないようだが、その影響からか孫娘にも3－4歳のころ幼児英語教室に通わせていて、何度か送り迎えしたことを思い出した。授業料が高すぎたのか、余り効果がなかったからか、短期間でやめてしまって、最近は専らダンス教室に力こぶをいれているようだが、孫娘には、あの時の英語教室の成果がいくらかでも残っているのだろうか。
タカさんの世代、英語教育は、中学1年から必修になり高校、大学まで６年以上に亘ってみっちりと叩き込まれたはずだが、「英語、特に英会話は得意」という人は、正直数えるほどしかいない。
よくいわれるのは、日本語に囲まれ、洋画にしても吹き替えや字幕があるし、小説やその他の文献にしても、全て英訳本がある環境では、英語を流暢に使えるメリットをほとんど感じない日本人は、英語の必要性を感じない為に、怠け者の脳はそれを覚えようとしないから英語には不向きだといわれるが―――そんな気がしないではない。
なるほど、ベネルクス三国のように多くの隣国と接し、隣村の人と話すにも、その村人のしゃべる言葉ができないと何かと不便－－－という国にいる人は4か国語、5カ国語喋れるようになるという例を聞くと、島国日本は、外国語習得の環境にない、という話は、そうかなぁ〜と思わないではない。
こういった環境が変わらない限り、小学校から英語教育を始めようが、3歳から始めようが、日本人がベルギーや、ルクセンブルクの人たちの様に何カ国語もの外国語を喋れるようになるとも思えず、スピードラーニングやら幼児英語教室をもうけさせるだけ、かもしれない。
そういえば、長い間、NHKで「セサミストリート」という子供向け英語教育番組をやっていて、幼かった娘が、あの番組で流れていた英語の歌を、物凄くいい発音で歌っていて感心したことを思い出す。
成長してからの娘の英語の発音が、親の欲目かもしれないが、日本人離れして聞こえたのは、小学校入学前に毎日見ていた「セサミストリート」のお陰かな～と思ったものだったが－－－。
孫娘の英語の発音を聞いたことがないけれど―――あの、幼児英語教室の効果が少しでも残っていてくれるといいのだが－－－。
（03/01/18 9:00pm
S.T. ）
2018年3月1日
兵糧攻め
タバコへの世の中の風当たりは強い。しかし、風当たりが強い分、たばこ産業すなわち日本ではＪＴ（日本たばこ産業）の業績は好調で同社は国内たばこ事業ばかりではなく海外のたばこ事業にも進出しており、今やたばこ事業の売上では海外の方が国内より1.5倍も多いという世界一のたばこ資本になっている。
その理由としては、ＪＴは世界唯一の「国が最大株主のたばこ会社」であり、外国のたばこ産業は嫌煙運動の高まりや、度重なる訴訟のリスクなどの理由から次々と株主が撤退しているところをＪＴが肩代わりしていったという歴史があるからだ。
まあ、そういう意味では日本政府は昔からの相場の格言である「人の行く裏に道あり花の山」を行っている訳だが―――最近は、そうとばかりは言っていられないようで、「日本政府は、人々の命と健康を犠牲にして儲けているではないか！」という世界からの非難にさらされているという一面が強いとか。
いかに業績好調とはいえ、この傾向が強まると、その内に「健康に悪い企業にはいくら儲かるとはいえ投資するのは犯罪的だ！」という風潮が強まり徐々に株主離れが起きて、政府以外からの融資にも支障をきたす―――などという事になりかねない。
トランプ大統領が昨年離脱を発表した「パリ協定」だが、世界のトレンドは間違いなくパリ協定推進で動きだしている。パリ協定の目標は「産業革命前に比べて地球の平均気温の上昇を２度未満に抑える」というものだが、この目標を達成するには脱酸素を早急に図らないと最早、暴走的に温度上昇が始まってしまう――というものだ。
パリ協定の目標の根拠となっている試算にどれほどの科学的根拠があるのかは、議論のあるところだが、トランプ大統領以外の人々はこの科学データを信用しはじめており、今や「脱酸素」が大きな潮流になりつつある。
たばこ産業に対する風当たり以上に、今や二酸化炭素排出産業（すなわち化石燃料企業）に対する風当たりは強い。
ダイジェスト運動という「自然エネルギ―企業への投資を計ると同時に、化石燃料産業への投資からの撤退運動」が今や、世界レベルで起きており各地の市場では少なからぬ力を持ちつつある。
たばこ産業における圧力と同じく、「地球の環境を壊してまでも、儲けに走るとは――この、恥さらしめ！」という訳で、石炭、石油、天然ガスなどの今まで人々の羨望の的であった企業やそういった化石由来のエネルギ―を大量消費する産業は、今後、株主の撤退、融資の縮小などという動きに巻き込まれるだろうともいわれている。
まあ、昔流にいえば「兵糧攻め」という訳ではあるが、巨大化した資本市場ならではの新しいトレンドともいえる動きだけに注目しておく必要があるのではないだろうか。
（2/28/18
10:00pm）
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