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2018年2月
＜＜2月タイトル＞
02/28 ラッダイトは起きるのか 02/27 次の話題は？ 02/26 地震確率 02/23 母は正しかった 02/22 役に立たない解 02/21
裁量労働制 02/20 イラン核合意 02/19 台湾加油 02/16 ナマコ酢はどこへ？ 02/15 トカゲのしっぽか 02/14 今日は何の日
02/13 便利な切り札 02/09 御恩と奉公 02/07 美人投票 02/06 売れ残り 02/05 骨折り損のくたびれ儲け
2018年2月28日
ラッダイトは起きるか
羽田空港周辺の公道でバス自動運転の実証実験が始まったと言う。運転者が同乗していない、いわゆるレベル4といわれる完全自動運転の実証実験だというから、いよいよ、完全自動運転車が一般車に混じって公道を走るようになる日も近づいてきているようだ。
自動運転車に対する安全性の信頼が今一つの現状では、「お猿の電車じゃあるまいし」と抵抗を示す市民も多いとは思うが、今や巡航速度では完全自動操縦のジェット旅客機の方が人の操縦する旅客機より遥かに信頼度が高いように、その内、「あの車は人が運転しているからアブナイ！」といわれるようになるかも知れない。
今のＩＴ技術の進歩のスピードを考えればそんな日が来るのも案外、早いのではないだろうか。（今だって、認知症気味のドライバーが45万人はいるというし、酒酔い運転だってあるのだから、「人だから安全」とは言えない）
現在、「ゆりかもめ」が全自動運転であるようにその内、空港周辺の交通網はどんどん自動運転化され、それが日本全国に広がっていって――――という日もそう遠くないかもしれない。
そうなると、利用者の安全性は増すだろうし、ひょっとして全自動運転化によるコスト削減によって運賃だって安くなるかもしれない。
機械化、省力化によっていい事ばかり－－－という気もしないではないが―――バスの運転手などの仕事がなくなると、ここに問題が出てくるような気がする――というかそれが最大の問題だとも思う。
現在日本で運転手という仕事についている人の数はトラックドライバーで80万人、バスドライバ―で14万人、タクシードライバーが35万人はいるという事だが、もし日本の車が全部、完全自動運転になったとしたら、130万人の人が職を失う、という計算になる。これは大変な数であり、大社会問題になるのではないだろうか。
自動運転ではないが、アメリカでは携帯電話のアプリでタクシーを仲介するウーバー
というシステムのお陰で素人ドライバーがプロドライバーのタクシー運転手の仕事を奪いつつあり、サンフランシスコなどではタクシードライバーの組合が、市当局に対してウーバー参入規制を働きかけているという。
市当局も「市民の利便」を重視するか「働く者の権利」を重視するか悩ましいところだ。
IT化、自動化によって「消えてなくなる職業」が夥しく出てくることが話題になって久しいが、それが段々と現実味を帯びてきているようだ。
考えてみれば産業革命が起きた時、繊維産業で働くイギリスの労働者が「ラッダイト運動」という機械打ち壊し運動をやったことがあったが－－－。
ひょっとしたら、第二次ラッダイト運動が起こるだろうか？
（2/27/18
10:00pm）
2018年2月27日
次の話題は？
平昌オリンピックが終わってやっとホッとしている。フィギアにもカーリングにもさして興味がなく、スピードスケートやジャンプにしてもメダルをとれそうだと聞いた種目の決勝を、ニュースで見た程度しか関心がなかったので、テレビ局の視聴率稼ぎには余り貢献していないと言ってよいだろう。
そんな訳でオリンピック期間中、困ったのは NHKは勿論、民放までもがオリンピック中継ばかりという状態だったことで、昭和天皇の崩御の際に、テレビ局が全局、自粛になってしまい、普通の番組が一切放送されなくなってレンタルビデオショップが大繁盛した時の事を思い出した。（各新聞もその崩御のニュース一色になってしまったとき、「東スポ」だけは見出しが「猪木、血だるま！」といつものペースを守っていたのには、感心させられたことを思い出す）
暫くは、オリンピックでメダルを獲った選手たちの、感動の場面再放送、選手のみならずその家族、コーチ、同僚達の感動エピソードなどで、テレビも視聴率を稼ごうとするだろうからあと数日間は、平昌の話題で持つだろうが－－－冷めやすい、日本の視聴者の事だからせいぜいもっても後、一週間もすれば飽きられてしまうのではないだろうか―――とテレビ局の身になって（余計なお世話だろうが）心配している。
お昼の情報番組は、オリンピック前は、相撲協会と貴乃花親方のバトル（？）一辺倒という感じだった。あの話題も、仏頂面の貴乃花親方が何を言いたいのか、何をしたいのかさっぱりわからないままだったし、相撲協会側がどうも悪者役らしかったが、何が悪いのかもわからないままで、関係者でもないタレントコメンテーターがワイワイ言うだけの、結局は「にぎやかし」に終わってしまった感があり、その内平昌オリンピックの話題一辺倒になって全く取り上げられなくなってしまった。
移ろいやすい、視聴者だから、平昌オリンピックが終わったからといって、再び取り上げてももう誰も興味を持たないのではないだろうか―――。
ということは、マスコミも何か次のネタをみつけないと「おまんまの食い上げ」になってしまう－－－。
逃げ回る佐川長官の追っかけとか厚労省のデタラメ資料問題とか色々あるけれど、あんまり昼の情報番組向きとも思えないし――そうそう、民泊マンションでアメリカ人の男が女性を殺していた－－－という猟奇事件もあるけれど、これも厚木で何人もの女性を殺していた－－－という事件があったばかりでは、今一つ－－－という気がしないではないし－－－。
いや〜、テレビマンという仕事も大変そうだ。
（2/26/18 10:00pm）
2018年2月26日
地震確率
膨大な変数を正確にとらえることが不可能である以上、今のところ正確な地震予知は不可能であるというのが地震学者たちの見解であるが、「地震予知なんてできません！」と言ってしまっては国も予算を出してくれないし、そもそも大学や研究機関に対して研究費を払ってくれるところなどなくなってしまうから、一応、「地震の予知を目指す」という看板を掲げて、それらしい予知情報を出している―――というのが現在の地震予知の現状だという。
そういう意味で現在、最も説得力をもっているのは、例えば「南海トラフでの地震は過去の記録を見ると、概ね90年に一度起きているから次に地震が起きるのは後何年位だろう」という類の予測だ。
過去の地震の記録を見ると確かに何百年に一度、あるいは何十年に一度と言った頻度（その幅は結構あるけれど）で起きているから、この方式は過去の地震記録を添えて発表すれば、ある程度人々を納得させられる。
「もう1ヵ月も雨が降らないからもうそろそろ降ってもおかしくない」という根拠で天気予報を出すのと似ていて、確かにいずれは雨が降るだろうから、降った時に「ほ〜ら、当たった！」と言えばよいのと同じではないか―――とも思うが、現在の地震予知はこれと似たところがあるらしい。
昨年末、政府の地震調査委員会は、関東から九州・沖縄地方までの広い範囲で被害が想定される南海トラフ巨大地震について、「30年以内の発生確率を現在の「70％程度」から「70～80％」に引き上げる」と発表した。
これは別に南海トラフの地震確率が増している――という意味ではなく、前回「70％」と発表した時点からそれだけ年月が経ち「90何年に一度と想定すると前回（1946年）から90年目がそれだけ近づいているから」という計算に過ぎないというのだ。
確かに、「90年に一度、絶対に起きる」というなら確率は増しているとは言えるけれど、「地震予知は不可能」という原点に立ち返れば、「もう一ヶ月、雨が降っていないのだから、そろそろ今週中には降るだろう〜」という頼りない天気予報に似たところがある。
「30年以内に70から80％の確率で大地震が起きる」と聞けば、東北大震災があったばかりだし、多くの人は「覚悟しておかなければならない―――」人生無常観にも囚われてしまうだろうが―――。
よしや、「30年以内に70から80％の確率」が避けられないにしろ、今年、一年の確率に直してみると（70〜80％÷30年）2.3－2.7％である。この数値を大きいととるかそれほどでもないと取るかはひとそれぞれだろう。
この数字が「90年に一度絶対に起きる」という前提が正しいとすればという話であり、地震は200年後、300年後の事だとしたら（勿論、今日明日のことかもしれないが）、ビビッていてもしょうがないとも言える。
唯一、言えることは、日本は地震国であるから、常にそれなりの備えをしておくこと、後は天命に任せるしかないということだろう。
（2/25/18 10:00pm）
2018年2月23日
母は正しかった
「朝の蜘蛛は縁起が良い」という諺は小さい時に母に教わった。
それ以来、午前中、家の中に蜘蛛を見つけた家人が騒ぐと、そっとその蜘蛛を捕まえて家の外に放してやっている。
母は、「蜘蛛は何も悪い事はしていないし、命あるものを意味もなく殺生してはいけない―――」と仏様のような事を言っていたが、ハエやゴキブリを叩くのはためらわなかったのとは統一性ななかったような気がしないではなかったが－－－。
先日、CNNをみていたら、あの母の言葉が実は科学的根拠に基づいていたのではないか―――と思えるニュースがあった。
地球上の蜘蛛は、年間に推定4億～8億トンの昆虫を捕食し、害虫駆除に大きな役割を果たしているという研究結果がスウェーデンの大学などの研究チームから発表されたというのだ。
この研究成果によると、蜘蛛の捕食する昆虫の量は、あの巨体を持つクジラが年間に捕食する水産資源量年間2億8000万～5億トンと匹敵する量だというから驚くではないか。
ハエ、カ、ゴギブリといった昆虫も悪気があってする訳ではないのだけれど、伝染病や寄生虫を媒介するという意味では人間にとっては害虫であるし、森林や農作物を食い荒らす昆虫も広い意味で言えば人間生活にとっては害になる部分が多い（勿論、益も多いが）。
そういう意味では、こういった害虫を大量に捕食してくれる蜘蛛は人間にとっての大益虫ということになる。
害虫だからと言って殺虫剤などを撒いて自然界の何億年もの営み出来上がった自然のバランスを徹底的に崩してしまえば、そのしっぺ返しは、人間のみならず地上の生態系に多大な損害を与えるだろう。
そうである以上、自然の仕組みの中で人間の営みの側にたって、適度な量の人間にとっての害虫を駆除してくれる－－－蜘蛛は、自然界が送ってくれた人間にとっての味方ということができるわけで－－－やたらめったら蜘蛛を駆除してしまう等と言う最近の傾向は、大変な過ちだということになる。
やっぱり、母は正しかったのだ。
（2/22/18
10:00pm）
2018年2月21日
役に立たない解
振り子運動の規則性は極めて正確であり初期条件が変わらなければその動きは計算によって正確に予測可能だ。しかし、振り子の先にもう一つの振り子を連結したいわゆる「二重振り子」の動きとなるとこれはもう予測不能な「カオス状態」となることが良く知られている。
いやそんなことはない、「各振り子の腕は剛体であり、連結部での摩擦や空気抵抗のような外力はないとすれば－－－」という条件の下では、二重振り子の動きはラグランジェ関数を使えば正確に計算できる―――とする説もあるが、こんな無茶な「―――連結部での摩擦や空気抵抗のような外力はないとすれば－－」という前提条件があり得ない以上は、全く実用性のない空論に過ぎないと言えるわけで、要するに「二重振り子の動きは予測不能なカオス状態となる」が、正解と言うことができる。
振り子運動に限らない。世の中のあらゆる動きは、「変数が一つ、もしくは二つだけ――」という場合は、振り子運動のように予測は可能、もしくは近似を得ることは可能と考えられているが、変数が一つ、乃至それ以上増えてしまうと途端に予測不能に陥ってしまう―――という例は、余りにも多い。
いやむしろ世の中は余りにも多くの変数に溢れている以上、万事が予測不能といってよいかもしれない。
例えば、線香の煙のたなびき方は、線香の前に座った人の体温、ちょっとした動き、天井までの高さ、線香の材質、etc、etc、のあらゆる変数（無数の変数）を正確に把握しない限り（それは不可能だ）予測し得ないのと同じだ。
中東情勢が、予測不能であるのはイスラエル、アラブ諸国、トルコ、ロシア、アメリカ、欧州諸国、etc、etc、の諸勢力が絡み、二重振り子、三重振り子どころではない多重振り子になっているからであって、しかもそれ等の多重の変数を力づくで、従えてしまうスーパーパワーが存在しないからだ。
最近のシリアとトルコの間に於ける紛争においても、これがアサド政権、トルコのエルドアン政権だけの二つの変数の問題だったとしたらまだ、予測は可能だったかもしれない。
しかし、シリア、トルコ両政府にとっての厄介者、クルド人勢力が絡み、クルドの背後にはアメリカ、シリアの背後にはロシア政府がいる。
ちょっと前までは、ここにもう一つイスラム国という勢力がいて―――と、もう訳の分からない、いってみればカオス状態になっていたのだが―――そのイスラム国がほぼ壊滅状態になったというのに、状況は以前より尚、カオスに陥っているというのだから――。
二重振り子の世界では、ラグランジェ変数による（役に立たない）理論的な解というものがあるが、人間の社会では役に立たない解さえ見つからないというのが実情だ。
（2/21/18 10:00pm）
2018年2月21日
裁量労働制
現在裁量労働制が認められているのは研究開発職や情報処理システム開発、編集者やデザイナー、プロデューサーなど主にクリエイティブな業務や専門的業務など、に関する11種類の職種に限られている。この職種の幅を広げようという案が検討されている。
これらの職種は、労働時間と労働成果が必ずしも比例しているとはいえない職種とみなされており、労働時間を管理することが必ずしも適切でなく、業務の遂行の方法を従業員の裁量にゆだね、従業員がより能力を発揮できるようにする仕組みといわれている――。
裁量労働制といえば「成果を挙げて呉れさえすれば、労働時間は自由で構わない！」という制度であり、労使双方にとってメリットのある制度―――と言えるというのが政府の言い方だか―――。
「労使双方にメリットがある制度」など世の中にはあり得ない―――、何かと言えば経営者側立って、働くものの側を搾取しようとする政府が提案する制度だから、きっとこの制度にはインチキがあるに決まっている――という目で見る野党側にとっては、厚生労働省が出してきた資料には裁量労働制の方が労働時間は少なくなる―――等というデタラメな資料は、政府のインチキを証明する絶好の材料だったに違いない。
こんなデタラメの数字を厚労省が出してきて、それを安倍首相が気付きもせずに棒読みした－－－というお粗末さで国会が大揺れしている。
これは、単なる間違いではない、意図的な捏造である！という野党の追求に、強気でなる安倍首相も、答弁を撤回し、謝罪に追い込まれた―――18年度の予算案審議に入らなければいけない今の時期に、厚労省のお役人も飛んだチョンボをやったものだ。
こんなチョンボが2週間余りも訂正されずにいたということも、安倍政権の緩みとも見えるし、モリカケ問題もあるだけに、本当に安倍政権は安泰なのか―――という疑念も起きかねない。
裁量労働制の是非とか、働き方改革、という掛け声も、この厚労省役人のチョンボで吹っ飛んでしまった感がある。
すくなくとも、裁量労働制についての政府提案は、一旦取り下げて、もう一度練り直しを計るべきだろう。
（2/20/18 10:00pm）
2018年2月20日
イラン核合意
今、イランを牛耳っているのはイスラム教シーア派に主導される宗教保守派といわれる勢力である。（改革派といわれる勢力が台頭してきてはいるが、根本のところでの保守派の強さは変わらない）
いまのイランは宗教的な理由から、例えば、女性にヘジャブといわれるベールを被るように強制するとか、男尊女卑の制度が残るところなどだけからしても、現代の西洋社会の価値観とは大きくかけ離れており、西洋社会との真の融和は難しいといわざるを得ない。（へジャブについてはサウジを始め、スンニ派の国でも強制している国があるからイランがシーア派だからと言う訳ではないが）
そんなイランも約40年前、ホメイニ革命以前迄は、イスラム圏で最も西洋化が進んだ国と言われ、女性達は西洋風の派手な服装をして、社会進出を計る女性も多い国だった。
長年にわたるアメリカとの対立、イラン、イラク戦争、欧米各国との核を巡る対立にこの40年間、よく耐えたとは言えるが、その分、国が資源に恵まれているのにもかかわらず、貧しいままであったことには若い世代の不満が徐々に募ってきているのは、もうあの革命時に青年だった人達も50代、60代になっており、若い世代にとっては親の世代の為に自分達はこんな苦労を強いられているが、二代前の世代、すなわち、「お爺さん、お婆さんの世代はよかった」という思いが強くなってきているのではないだろうか。
そんな中でアメリカとの間で昨年、結ばれたのが核合意である。イスラエルはイランとアメリカの宥和に対して大反対だし、前任者の遺産である核合意にはトランプ大統領も不満たらたらで、何かにつけて核合意破棄をちらつかせてはいるが――――。
イランの若い世代は、再び、制裁による厳しい経済情勢には戻りたくないに違いないに違いないし、欧州諸国ももういつまでもイスラエルの義理立てする必要を感じなくなってきている。
日本としてもかつてのイランとの友好関係を取り戻すにあたってこれ以上、トランプ大統領とイラン保守派には動いて欲しくない―――というのが本音だろう。
核合意の行方が注目される―――。
（2/19/18 10:00pm）
2018年2月19日
台湾加油
今月初めに台湾の花蓮県を中心とする地域を襲ったマグニチュード7.0の地震に際して日本からは政府を始め民間レベルでも様々な支援が寄せられたという。
台湾を飲みこもうとする中国の圧力によって、台湾との直接的な関係に気を使っている各国に比べれば、日本人の台湾に寄せる親しみの思いは突出しており、その日台関係の絆は今回の地震に於いても逸早い支援となって示され、日台間の友情は、又一段と深まったと思うと日本人の一人として嬉しい限りだ。
日本からの逸早い災害復旧支援の動きに、慌てて支援を申し出た中国に対して「日本の支援技術の方が優れているから」との理由からその支援を「謝絶」したという蔡英文総統の仕打ちに、メンツを潰されて怒り狂う中国が、安倍首相からのお見舞いメッセージに「蔡英文総統閣下」と書かれているのがケシカラン！とイチャモンを付けるに至っては、中国のケツの穴の小ささに、あきれるばかりだ。
台湾と日本との絆の深さは民間レベルでも強いものがあり、それは東日本大震災の時に寄せられた台湾からの心強い支援、又、そういった温かい支援に感謝し答えようとする民間レベルでの日台交流が、このようなお互いの苦しい時の支援として現れるのではないだろうか。
台湾のシンクタンク「台湾世代智庫」の調べでは「今回の東部地震のことで一番心を寄せてくれた国はどこか？」との質問に、75パーセントの台湾人が日本と答えているという。
何かと日本にケチをつけてくる国がいる中で、日本に心寄せてくれる隣国もいるのだと思うと心強いではないか。
花蓮県の主要な産業と言えば観光業であるという。春になったら復興支援も兼ねてまた訪れてみようと思う。
台湾加油！（台湾ガンバレ！）
（2/18/18 10:00pm）
2018年2月14日
ナマコ酢はどこへ？
初めてジャマイカにった時、サンゴ礁に泳ぐ熱帯魚をみようと、浜辺から数十歩歩みだした時、何かを踏んづけてしまい、何とも気味の悪いそのグニャリとした感触に「ギャ―ッ」と叫びそうになってしまったことがあった。
何だろうと海中を覗いてみるとまるでウ○コのような物体がそこかしこに沈んでいるではないか―――！そういえば、海辺でビーチボーイに「シーキューカンバーがあるからビーチサンダルを履いて海に入った方がいいよ！」といわれたことを思い出し、「ジャマイカの海のキュウリ」すなわちナマコを踏んづけてしまったのだっ――！と気付いたのだが―――あの何とも言えないふんにゃりとした感触を思い出すといまでも身震いがする――。
日本では酒席でお通しなどとして珍重されるナマコだが、そのの旬といえば冬、しかも青森辺りの寒い海で獲れるもの―――といった先入観があったので、まさか暖かいカリブの海にナマコがあんなにうじゃうじゃいるとは、想像できなかったためのドッキリだったわけだが―――。あの時、ナマコという奴は実は世界中の海にいる結構したたかな生物であるということを（身をもって）体験した訳だ。
そういえば、漱石の「吾輩は猫である」の中の一文に「はじめて海鼠（ナマコ）を食い出せる人は其胆力に於いて敬すべく」と書いてあったが、確かにあのグロテスクな（う〇このような）代物を、食べてみようと思った人物は、あれを食べて自殺でもしようとしたのか―――それともよほどの変態かであって、漱石のいうように「胆力」があるから―――という訳でもないような気がする。
昔は、冬のこの時期魚屋に行くと必ず海鼠が並んでいて、奥さん連中がよく買っていたものだったが、この数年、近所のスーパーや魚屋、いや結構大型スーパーにさえ海鼠をみることがなくなったような気がする。
昨年の冬だったか、チェーンの大衆居酒屋に行った時に、店員のお嬢さんに「ナマコ酢あります？」と尋ねたら「はぁ――？」といわれたことを思い出す。奥に聞きにいってくれた結果が「すみません、置いてないそうです」といわれ、冬の最中、居酒屋にももはやナマコがない時代になったのか―――とつくづく、自分の古さというか、時代がすっかり変わってきている感覚を味わったものだが―――。
一月ほどまえ妻にそんな話をしたら、それ以来、妻も買物に行く度に探してくれているけれどナマコをうっているところはないと不思議がっていた。
ネットで探すと通販ではあるようだが、そこまでして食べたい！という訳でもないあ代物だけに、このままこの冬はナマコ酢を食べない内に終わってしまいそうだ。
（2/15/18
10:00pm）
2018年2月15日
トカゲのしっぽか？
「森友学園」への国有地売却問題で、昨年の国会答弁で当時の理財局長であった佐川局長（現国税庁長官）が「廃棄した」と説明していた文書（理財局と森友学園との交渉文書）20件、計300ページが財務省から国会に提出された。
お役人といえば、何しろ文書を作るのが仕事――みたいな人達であり、そのお役人のトップ中のトップともいえる財務省がこの手の重要書類を例えそれがメモ書きであったにせよ「廃棄した」などということはあり得ないだろう―――と野党のみならず与党の議員さん、あるいは一般国民でさえ思ったのだが、何せ官僚中のエリート中のエリートである理財局長が木で鼻をくくったように「ない！」と言い張る以上、追及のしようがなかったのだが―――、ここに来て佐川さんの母体である当の財務省から「あった！」といって、存在しないはずの文書が出てきたのだから―――、今国会では、森友問題をほじくり返す位しか政権に対する攻め手のなかった野党の側も、きっとびっくりして戸惑っているのではないだろうか。
それにしても、ここまで隠していた文書を出してきたというのは、多聞、頭のいいエリート官僚たちのことだから、その内容は、財務省と森友学園の間の不明朗な関係やら、安倍首相夫人のスキャンダルといった極めて不味い点に、火が点きそうな内容は多分それほど含まれておらず「どうでもいいような」あるいは「どうにでも言い逃れられるような」内容しか含まれていないのではないか―――という気がしないではないが、少なくとも佐川さんが国会で「廃棄した」と証言した文書が出てきたのだから、「佐川氏が虚偽答弁をした」という事実は明らかになったといってもよいだろう。
早速、野党は佐川現国税庁長官の国会招致を申し入れたが、自公両党はいまのところ拒否しているという。
おそらく、最終的には数日もみ合った上で佐川氏に詰め腹を切らせて幕引きしようというのが、財務省・官邸側の作戦なのではないか―――という気がしないではない。
18年度予算審議を控えた今、いつまでもこの森友問題で国会審議を遅らせる訳にはいかない―――というのが、官庁の中の官庁である財務省の意思であるはずで、そうだとしたら、いかに省内のエリートとは言え佐川さんも、トカゲのしっぽとして切り捨てられるのではないか―――というのが、この手の「冷徹なる政界黒幕話」好きのタカさんの推理だが―――。
（2/14/18 10:00pm）
2018年2月14日
今日は何の日
同級のちょっと可愛い女の子の自宅電話番号の下五桁が82－5674だったことを今でも忘れない。
語呂合わせで読むと「パンツ、ゴムナシ」という結構笑える番号であることに気付いたからだが――（さすがに、この語呂をからかい半分で、彼女に伝えるということはしなかった）
鳴くよ(794年)ウグイス平安京だの、いい国(1192年)作ろう鎌倉幕府、など歴史年号を覚える際にも、語呂というのがよく使われるし、歴史年号や電話番号などの無味乾燥な数字を覚える際にはこれが実に役に立つ。いまでも何か数字を覚えようとするときには、思わず語呂合わせを考えてしまう―――というのがタカさんの癖だ。
外国にはこの語呂合わせというのがあるという話は余り聞かないが、ひょっとしたら日本特有の文化（？）なのかなぁ〜とも思う。
タカさんの車についているナビは朝一番でエンジンをかけると「今日は、ｘ月ｘ日、ｘｘの日です」という「今日は何の日」案内を言ってくるが、この「今日は何の日」の中には、それらしい歴史的由来のある物（例えば憲法記念日や、天皇誕生日といった）は少なく語呂合わせから記念日になっている物が多い。
この2月に入ってからも2月9日が「服の日」だったり2月10日が「ニットの日」だとナビが言った時には、思わず「クッダラネェ〜」と一人ツッコミをいれてしまったものだったが、結構笑えてドライブに出る幸先としては明るい気分になれたものだ。
明日2月14日は、言わずと知れたバレンタインデーで当然、タカさんの車のナビも「今日は2月14日、バレンタインデーです」とアナウンスするだろうが、ここのところ毎年、このナビの声を聞くと、タカさんとしては「違うだろ！今日はフンドシ(2.14)の日だろうよ！」という一人ツッコミを入れている。
2.14の語呂合わせが「フンドシ」になる！ということを何年か前に気付いたタカさんだったが、その時、ネットで調べてみたら実は「日本フンドシ協会」と名乗る団体が実際にあって、この協会が既に2月14日を「フンドシの日」として制定し2月14日に（なんらかの）行事を行っているらしいしと知って驚いた。
ネットによれば、一部のデパートではバレンタインデーとフンドシの日が同じ日だということに因んでか、「バレンタインデーには、チョコレートではなく男性用下着を贈ろう！」などというキャンペーンを行った！とも聞いて、つくづく「日本人って、ユーモアに溢れているというか、ヒマ人だなぁ〜」と思ったものだった。
チョコにせよフンドシにせよ、タカさんにとってはもはや縁遠い世界の話ではあるが。
（2/13/18
10:00pm）
2018年2月13日
便利な切り札
先月亡くなった評論家の西部邁氏は愛煙家、しかも最近の厳しい喫煙規制に対する激しい反対論者として有名だったという。
タカさんのようにかつて（25年程前には）喫煙者でありながらも、健康を気遣って、というよりは世の中の激しい喫煙規制に抗う勇気（？）を失って――等々の消極的理由で禁煙に踏み切った者にとっては、これだけ嫌煙運動が大手を振っている世の中になっても、まだタバコを吸っている人は、「とんでもない頑固者」「人の迷惑を考えない利己主義者」「意思の弱いニコチン中毒者」と思える一方、「個人の自由」が最大限尊重されるべきだ！という現代民主主義の根本思想からすれば「喫煙の自由」という権利を主張し続ける「世の中のトレンドに抗ってでも自分の意思を貫く人」ともいえるわけで、敢えて褒め言葉で言えば「意思強固な自由の求道者！」等ということができるようにも思う。
西部邁氏の喫煙規制に対する反対論を読んだことがあったが、かつて全学連幹部であっただけあって反体制、反骨の精神は相変わらずのようで、彼に言わせれば「全体主義的」とも思える激しい嫌煙運動に対する反発の精神は、（かなり我田引水的な反対理由だとは思ったものの）それはそれで一聴に値する―――と思ったものだ。
考えてみると、禁煙、嫌煙運動家がいう「嫌煙権」も、反禁煙論者のいう「喫煙の自由」も、両者ともに「自由」という論拠においては変わらない訳で、そうなるといずれの側も「自由」という権利を我田引水的に使っているだけ――であっていずれが「正しい」とか「間違っている」とは断定できない代物である。
東京オリンピックに備えて、日本も国際基準の喫煙規制をしようという動きが随分と盛り上がってきており、厚生労働省などを中心にしてさらに喫煙を規制しようという動きが盛り上がったが、喫煙規制派の小池百合子都知事の人気の凋落ぶりに合わせて、ここにきて喫煙派の国会議員さんたちの巻き返しにあって、すっかり喫煙規制派の旗色が尻すぼみ気味だ。
都知事や厚労省の規制派の声を押し返して、このところすっかり調子づいている喫煙派の自民党を中心とする議員さんたちの力が、禁煙派の小池都知事の規制案の大凡9割を押し返してしまっているということらしいが――喫煙派のその規制反対論の論拠が、「中小規模の飲食店の営業権の自由を侵すことになるから」というのだと聞いて、つくづく「自由」という言葉のオールマイティ―さ、に気付かされた。
喫煙派も、嫌煙派もその論拠の基本として振りかざすのは「自由」の概念だ。「自由」という概念はフランス革命の頃から言いだされたわずか250年程度の歴史しかない概念であり、それだけに真の意味が確定していないからこそ、今やあらゆる論争に於いて相対する側が「自分たちこそ自由の戦士」を主張できるという単なる便利な切り札になってしまっているように思えてならない。
（2/12/18 10:00pm）
2018年2月9日
御恩と奉公
源頼朝が鎌倉に幕府を開き強い権力を持てたのは彼に従う武士（御家人）たちが頼朝政権に対して強い忠誠心を持ち鎌倉政権に敵対する勢力と戦ったからだが、この鎌倉政権に対する武士達の忠誠心すなわち「忠義」の源にあったのは、「御恩と奉公」の関係であったことはよく知られている。
「御恩」とは将軍が御家人達それぞれの功績に応じて領地を認めその支配権を保護するばかりではなく、あらたな功績があれば新しい領地を与えるなどする事だが、御家人たちは、その「御恩」の代償として、将軍に忠誠を誓い、将軍に一朝事ある時には一族を率いて「いざ鎌倉！」とはせ参じて将軍の為に命を賭して戦ったのだ。
鎌倉幕府が滅びた原因は、フビライハンによる元寇に抗するべく幕府の呼びかけに応じて、はせ参じた御家人達の「ご奉公」対して、報酬としての「御恩」として与えるべき新たな領地がなかった――すなわち、幕府がこの「御恩と奉公」のギブアンドテイク関係を果しえなかったからだ。
後世、武士の徳目として美化されることになった「忠義」ではあるが、そもそもの成り立ちは「ギブアンドテイク」のソロバン勘定が大本にある――ということを頭に入れておく必要がある。身も蓋もない言い方になるが所詮、人が徒党を組む、派閥を作る理由の根本には自分にとって「得になる」という計算があってのことなのだ。
自民党の第三派閥である額賀派でクーデター紛いの紛争が起き、参議院メンバーを中心に会長に退任要求を突き付けた問題は、結局、額賀氏が会長を退任し、後継会長には副会長を務める竹下亘党総務会長が就任する方向で「調整」することになったという。これも、鎌倉幕府崩壊の理由と同じように、額賀派という派閥の領袖が、派閥メンバーに対して十分な報酬を与えることができなかった―――すなわち「ギブアンドテイク」関係が成り立たなくなったから――と考えればきわめて分かり易い。
かつては「カネとポスト」を握っているとわれた派閥に属していない限り自民党で代議士を続けることは不可能といわれた時代もあったが、政治資金規正法による政党交付金が党に配られるようになってからは、かつてのように派閥領袖の資金力に頼る必要がなくなり、又、公認権やポスト配分においても派閥の力がすっかり衰えてしまっている以上、最近は自民党議員にとっては派閥に属する意義がすっかりなくなってきており、いまや「女子学生達の仲良しグループ化」しているのだそうで、「仲良しグループ」ならば、「いてもあまり楽しくないグループ」に居る必要がない！と思うメンバーが増えるのも当然で、その不満分子たちが「なぜ楽しくないのか？」と考えた時、自分達にいい目を全然見せてくれないリーダー（会長）に批判の矛先を向けるのはある意味、自然の成り行きだったのではないだろうか。
昨今の額賀派では次期首相を狙えそうなボスらしいリーダーもおらず、先の内閣改造でも美味しいポストにありついたメンバーもそれほどいない―――となれば、派閥のボス然として居座っている額賀氏に不満の矛先が向くのもある意味では自然の成り行きだったのではないだろうか。
自民党第三派閥での出来事なので、鎌倉幕府崩壊のような大変動の予兆とも思えないが――政界に限らず、人の世における組織維持の難しさを改めて思い知らされる出来事ではある。
（2/08/18
10:00pm）
2018年2月7日
美人投票
適正な株価をどう計算するのかについての理論はいくつかあるがもっともポピュラーなのがPER（株価収益率）に基づいて概ねその15倍から17倍程度が適正―――というのがよく使われているようで、市場で取引される株価がこの理論を基礎にしているようにも見受けられるが、この数式とてそれほど信用できない―――という事実も、毎日いや時々刻々株価の激しい変動をみていると分かる。
そもそも、その企業の業績がどうなるのかなどという正確な予測は誰にも不可能であり、時に額面割れすることすらある株価という得体のしれないものの将来価値を付けるなどという無謀なことをやっている株式市場は、いってみればガラクタ市で品物に他人がつけるであろう価格を予想して、値付けしているのと同じで、そもそも「真の正確な株価」などというものがある訳もない！といってもよいのかもしれない。
「株価は、自分以外の人が幾らの株価が適正と思うか次第で決まる」――という仕組みを見事な例えで語ったのがケインズの「美人投票」理論である。
ケインズは株式市場における投資は、「投票者が100枚の写真の中から最も容貌の美しい6枚を選び、その選択が投票者全体の平均的な好みに最も近かった者に賞品が与えられるという美人投票」に見立てることができるといった。
要するにこの形で行われる美人投票は、「自分が誰を一番美人と思うか」という投票ではなく、「どの女性に一番得票が集まりそうか」を当てる投票になってしまうことで、「そこでは、真に美しい女性に得票が集まる美人投票とはまったく違う投票になってしまう」―――というのだ。
ケインズによれば、株式市場ではこの美人投票同様、市場参加者にとって「値上がりするであろうと判断する銘柄」を選ぶことが有効な投資方法である以上は、そこで高値がついている株が必ずしも一番、価値のある株という訳ではない―というのだ。
2日続きの日米の株価大幅下落だが、日米の経済のファンダメンタルズが必ずしも悪い訳ではないのに、史上最大の下げ幅を見せる市場に動揺が走っているが、まさにこれこそケインズが喝破した株式市場イコール美人投票理論なのではないかと思う。
その内、ある程度下がったところで市場参加者が「もうここまで下がれば下げ止まりだろう」と考える時がきて「そろそろ買い時では――」と思い出せば、市場では皆がそう考えはじめるから市場は下げ止まり、再上昇ということもあり得る訳で、株式市場というものはそういう動きを今までもずっと続けてきているし、これからもそうだろう―――と考えればよい―――というのが今や株式市場とは縁遠いところでみているだけのタカさんの気楽な分析だ。
（2/06/18 10:00pm）
2018年2月6日
売れ残り
クリスマスケーキといえば現代では様々な形や素材のものがあるけれど、タカさんの年代だと、砂糖菓子でつくられたサンタクロースやクリスマスツリーが飾られたデコレーションケーキを思い浮かべるのだが、クリスマス―ケーキの起源であるはずの欧米では確かにクリスマスにケーキを食べる習慣はあるにはあるが日本型（？）のケーキを見たことがないように思う。
これは、日本型（？）のクリスマスケーキは大正時代に不二家が作ったものでこれが徐々に日本各地に広まったものなのだというから日本特有の形であり、そうであればもはや「日本の伝統的季節料理」の一つと言ってよいのかも知れない。
クリスマスケーキ同様に西洋の行事に便乗した日本独自の風習といえばバレンタインデーのチョコレートというのがあるが、これもまた起源は諸説あるものの日本のチョコレートメーカーが「女性が好きな男性にチョコを添えてプロポーズできる日」といったキャンペーンを張って始めたものだそうで、今からせいぜい50年位前からはじまった日本特有の習慣らしい。
クリスマスケーキにせよチョコにせよ起源は決して古いものではなく、商魂豊かな日本のケーキ屋さんやらチョコメーカーがはじめたものだが、それ以降、様々な工夫が加えられ多様化し進化していることには「日本人らしいなぁ〜」と感心させられる。
商魂が元で始まった季節の食べ物といえば、「恵方巻」があるが、これも関西のほんの一部にあった風習である「節分の夜に、恵方に向かって願い事を思いながら太巻きを丸かじりすると願いが叶う」という風習を1998にセブンイレブンがキャンペーンを打って全国に広めたものだそうだが―――さすがに20年もやっているとケーキやチョコに比べれば太巻きでは飽きられることもあるようで昨年は、各スーパーやコンビニで大量の売れ残りが出て、廃棄されている写真がSNSなどで拡散して話題になっという。それに懲りたのか今年は関西のあるスーパーチェーンが「恵方巻、もうやめにしよう！」というキャンペーンを張って話題になっているという。
タカさんにとっては、「太巻き一本を恵方に向かって一かじりで飲みこまなければいけない」というこの風習が「お行儀が悪い！」ものに思えて一度もやったことはないのでこの「恵方巻、もうやめにしよう！」キャンペーンには拍手を送りたい気がしているが、このスーパーがこういうキャンペーンを打った理由の一つには、恵方巻の場合、ケーキやチョコと違って半年も前からの作り置きだとか、当日を過ぎても多少の値引きをすれば売れる、というわけにはいかない「ナマモノ」であり売れ残れば廃棄するしかなく損失が大きくなる―という商売上の理由もあるというから、タカさんの思う「恵方巻、もうやめにしよう！」とは随分趣旨がちがうようではあるが――。
そうそう、そういえばタカさんが若い頃、女性の結婚適齢期は24歳まで、それを過ぎる（25歳を過ぎると）「売れ残りのクリスマスケーキ」などという今ならセクハラ紛いのことが言われたものだったが――晩婚化が進んでいる昨今、クリスマスケーキではなく「年越しそば」説というのがあるそうで、31歳が一番の適齢期だと言うのだそうだから―――この半世紀近くで随分世の中は変わったとはいえる。
（2/05/18 10:00pm）
2018年2月5日
骨折り損のくたびれ儲け
海で魚を取った人、畑で大根を作った人、山できのこをとってきた人、それぞれが物々交換できれば、その日の夕餉に魚と大根ときのこを揃えることができるが、この三品の交換だけでは、薪や着物といった他の生活に必要なものを手に入れることができないし、薪や着物を市場にもっていってその日の夕餉を調えようとしている人が、必ずしも魚や大根、きのこを欲しているとは限らない。
そこで人間社会が生み出した知恵が、貨幣である。貨幣は、魚や大根、きのこなどのようにすぐに腐ったりしないし、保存がきくという特長がある―――。
小学校の社会科で習った「貨幣」の価値（お金の価値）とは、こういった商品の交換の際の媒介物として使用可能であること、貨幣そのものが普遍的な価値の尺度となり得ること、そして価値の貯蔵手段としての機能をもつことの3つがあることだと習った筈で、そう考えれば、古くは「石貨」の時代、金本位制の際の金、最近ならIMFが管理するSDRという価値によって裏打ちされている――現在の流通貨幣は、すべてこの条件をみたしてさえいれば（通貨発行主体の信用がなくて、超インフレになっている場合などを除けば）だれもが認める「価値」があるといえる―――と曲がりなりにも経済を学んだタカさんは思ってきた―――。
ところが、最近「仮想通貨」といわれる市場が急激に伸びてきていて、これがタカさんの習った経済学のいう「通貨」の原則から大きく離れているのには、タカさん自身「そんなバカな――！」と思いつつも、実際に何百億円単位で仮想通貨が次々と開設され多くの人々がそこに群がっていると聞き、「ブロック経済」だの「コールドチェーン」だのといったタカさんが現役時代にはなかったような経済用語が次々に出てくるは、若い経済学者の先生方が滔々と解説し、しかも「これからはブロックチェーンだ！」と連呼されると、なんだか自分が近代経済学華やかな時代に、マルクス経済学を語っていた頑固者の古い経済学に固執している人物にでもなったような気になって、経済の話になると口をつぐみ勝ちになっていたのだが―――。
仮想通貨NEMの巨額流出事件が報じられて、改めてタカさんもこの問題（仮想通貨について）を勉強してみたが、結局はこの仮想通貨なるものが、タカさんの習った「古い貨幣論」と比べて、貨幣としての要件を満たしていないことこそ、この通貨の将来性を大いに疑わせるものだ―――という結論に至っている。
このNEMという通貨（？）、一般の通貨のような価値の裏打ちをする主体（たとえば円ならば日本銀行という信用保証機関）が、「トレース可能なネット空間」に過ぎないということが問題だ。例えば、「トレース可能である」ということは一見この仮想通貨に信用を与えているように思えるが、逆に言えば、普通通貨のメリットでもある「匿名性」に欠けるということだ。例えば今回、このNEMを盗んだ犯人（？）が、いずれこれを現金化しようとすれば、その記録が残る―すなわち、犯人だと名指しされないまでも、当局の捜査対象にはなってしまうだろうから、実質、換金できないも同然だ。
換金できない仮想通貨となれば、それはすなわち通貨として価値はゼロ、ということになるから―――NEMを盗んだ犯人は単に「骨折り損のくたびれ儲け」に終わるだろう――それが今のところ、古い経済学を学んだタカさんの結論だが――。
（2/04/18 10:00pm）
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