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2018年4月
＜＜4月タイトル＞
04/27 量子論と般若心経 04/26 威厳はどうして得られるか 04/25 子宝と孫の顔 04/23 シンギュラリティが来る日 04/20
口座振替 04/19 女人禁制 04/18 雲行きが―― 04/17 自然は自然にもどる 04/16 逃亡犯の隠れ家 04/13 欠けたマグカップ
04/12 不穏な雰囲気 04/11 キャッシュレス 04/10 狭い世界 04/08 パチンコからカジノ 04/06 見頃は何時？ 04/05
バチカンのスタバ 04/03 治る病気 04/02 男を下げた？
2018年4月27日
量子論と般若心経
水素原子は余りにも小さいためにその構造や大きさを説明する際に、何倍かに拡大して分かり易く説明する手法がよく使われる。
例えば、水素原子の構造は水素の原子核の回りを、電子一個が回っているという太陽と一個の惑星の構造に似ているのだが、水素の原子核を一円玉一個に例えるという手法がある。
実際の原子核の直径は10の15乗分の1m（＝1000兆分の１m）、水素原子全体の直径は100億分の１m（原子核の10万倍）なので、原子核の大きさを一円玉（直径2㎝）に例えた場合、水素原子全体の大きさは直径2㎞となる。
すなわち水素原子の構造はその中心に1円玉の大きさの原子核があるとすると、それから2㎞離れたところを電子（重さはない、すなわち形のない粒子といわれている）が回っているという構造であると説明されると、その小ささが何となくイメージでき、それと同時に、原子というものの中身は殆どの部分がスカスカの空間である―――という、量子というものの魔訶不思議さに改めてこの世界の神秘を感じてしまう。
大きなスケールである宇宙の、星と星の間、銀河の構造、銀河と銀河の間といったところ、すなわちその構造のほとんど全部の空間には何もない――すなわち「空」であるという事実にくわえ、極小の世界である量子の世界も、その大部分はなにもない空間ばかりであるという、量子論、宇宙論の説く事実に、改めて、般若心経の教える「色即是空、空即是色」を思い出す。
「色即是空、空即是色」とは「宇宙万物の真の姿は空であって、実体ではない。しかし、空とは、虚無ではなく、知覚しているこの世の現象の姿こそが空なのである」という意味だ。
二千数百年前に既に人類が到達していた知識と現代科学の最先端が解き明かす知識とが一致している―――ということこそ驚異という他ないではないか。
（4/26/18
10:00pm）
2018年4月26日
威厳はどうして得られるか
昭和20年代、30年代を舞台にした小津安二郎監督の作品を見ていると、登場人物達の言葉遣いと、今の我々のそれとの違いに驚かされると同時に、「そういえば、当時の大人たちはこういう言葉遣いだったなぁ〜」と何とも言えない懐かしさを感じる。
小津作品で主人公の初老のサラリーマンが帰宅すると、奥さんと嫁入りを控えた娘さんが玄関先まで出てきて「おかえりなさいませ」とあいさつをする―――等という場面があるけれど、藤沢周平の時代小説で武士の主人公の帰宅時に奥方が出迎える場面と大きな変わりはなく―――すなわち日本では昭和30年代まではそれ以前の、100年、200年前と、言葉遣いや、男女関係、家族関係はそんなに大きくかわらなかった―――ということなのかと思った。
思い出してみると幼い頃（昭和20年代、30年代）母は父が帰宅すると（玄関口まで迎えに出ていたか覚えていないが）「おかえりなさい」と迎えていたし、父に対する言葉遣いも「ご飯になさる？」といった調子の敬語を使っていたような記憶がある。
幼い頃の、タカさんが悪戯をしたりすると、母に「お父さんに、叱って頂くわよ！」といわれ、それだけは勘弁してほしい―――と、すぐに母に謝ったもので―――それほど子供にとって父は威厳と権威を備えた偉い存在だったのだと思う。）
言葉遣いというものは、社会環境の変化によって大きく変わるのは当然で、男女平等思想が徹底され、女性の社会進出も盛んになってくれば、社会におけるあるいは家庭における男女の関係も大きく変化する。
会社から帰ってきた夫を妻が玄関先で迎える―――などという情景も希になってくれば、「おかえりなさいませ、ご飯になさいます、それともお風呂になさいます」なんていうシチュエーションは、冗談の類になってしまっているのではないだろうか。
いや、それどころか、家に帰ったら「ただいま」と言い、迎える家族は「お帰り」という声をかける、という挨拶すらないという家庭が増えているとも聞く。これでは、家庭内での威厳なんていうものが生まれる余地はないのではないと思う。
そうそう、子どもの頃、偉い、と思っていた父が、敬語を使っていたのが一緒に住んでいた母方の祖父母だったので必然的に、タカさんは「おじいちゃんは凄く偉い人」と思っていたし、いまでも「おじいちゃんは威厳があって偉い人だった」という記憶が鮮明だ。（そのおじいちゃんには可愛がってもらい、小学校3年生まではおじいちゃんと一緒の部屋で寝ていたものだが――多分、おじいちゃんが早寝だったので、両親にとって年寄りに子供と一緒に寝てもらう方が便利だったのだと思うが―おじいちゃんから聞いた日露戦争戦勝祝いの提灯行列の話などは忘れられない思い出だ）
タカさんの孫がタカさんを尊敬しているかどうかは定かではないのは、タカさん自身、孫には「優しいおじいちゃん」と思われたいと、孫の小さい頃から随分猫かわいがりしてきたからだが、先日妻が孫に「おじいちゃんは、怒らないし、何でも買ってくれるし、優しいでしょう？」と聞いたら「ちっとも！家庭教師の先生の次に怖い！」と答えたのを聞いて、ちょっとがっかりすると同時に、孫は実は、自分に対して威厳を感じているのかなぁ〜とちょっとうれしくもなったのだった。
（4/25/18
10:00pm）
2018年4月25日
子宝と孫の顔
結婚式のようなおめでたい席で使ってはいけない、あるいは避けるべきことばとして「忌み言葉」がある。
おめでたい席であるし二人の門出でもあるのだから「滅びる」だとか「別れる」「切れる」が忌み言葉であるというのは、常識的に理解できるが、「料理が冷めないうちに－－－」は「料理が温かいうちに―――」と言い換えるべきだとか「スタートを切る―――」は例えば「スタートラインに立つ――」に言い換える－－－等という決りは、こういう席でのスピーチに慣れていない人なら相当注意しないと、つい使ってしまいそうだ。
しかし、ややこしいとは言えこの辺りまでの「忌み言葉」は、注意深くしてさえしていれば、どうにかクリアできそうだが、最近はこれに「子宝」だとか「子孫繁栄」「孫の顔」という結婚式にふさわしいと思われていたことばも「なるべく言わない方がよい」という「半分、忌み言葉」に加わってきているとなると、よく知らない人の結婚式などに呼ばれた（押しかけた）地方議員さんたちなどは、相当困っているのではないか――とも思う。
子供ができたから式を挙げる、妊娠が分かってから式を挙げる、何カ月か（何年か同棲した後に式を挙げるというカップルも多くなっているし、結婚しても不妊に悩むことになるカップルもあるだろうし、はたまた、様々な事情で、子どもを作らないカップルも増えている世の中、「結婚したからには、子どもを作って－－－」というパターン化した思考を、カップルに押し付けるのは、ある意味、二人に対するセクシャルハラスメントになるから―――というのだ。
一昔前なら、スピーチを頼まれた親戚のおじさんやら、職場の上司などのなかには、全く悪意なく（というか、逆にお祝いの意味で）「お二人が早く子宝に恵まれますように－－－」とか「ご両親に早くお孫さんの顔を見せてあげて下さい－－－」なんていうことを言っていたものだが－－－考えてみれば不妊のカップルや、子どもを作らないで二人の生活を大切にしようという主義のカップルにとっては、「子宝」やら「孫の顔」という言葉は、ある意味、嫌がらせ、セクシャルハラスメントに当る―――可能性がたしかにある。
イケメンの同僚に「今日の服、すてきだね！」といわれれば喜ぶ女性でも、中年の上司に同じ事を言われれば、「まあ、いやらしい！」と不快に感じこれを「セクハラだ」と言い出す可能性がある。
ハラスメントの多くはよく考えてみると昔はよくこんなことがまかり通っていたものだ―――と思えるものが多いが、中には、「えっ、こんなことまでセクハラになるのか！」と思うものもないではない。
昨今では「相手がセクハラだと感じたらセクハラだ」というのが基準だそうだから、そう考えれば「子宝」も「孫の顔」もセクハラと取る人はいるだろうから、やっぱり用心して結婚式では使わない方が無難―――かもしれない。
まあ、さしあたりそういう結婚式でのスピーチの機会もなさそうなタカさんであり、心配する必要もないのだけれど―――この頃の結婚式のスピーチはかなり無味乾燥な物になっているのでは―――などと想像するのだが―――。
（4/24/18 10:00pm）
2018年4月23日
シンギュラリティ―が来る日
現代では「肝心かなめ」とも書くが、「肝腎かなめ」がもともとの用語であり体の中で肝臓と腎臓という臓器は極めて重要でありこれが機能しなくなれば人はたちまちにして死ぬ！ということから、「非常に重要な〜」という意味である。
心臓を含めてこれらの臓器の重要さは医学が未発達の時代から良く知られていた訳だが、解剖図などでもよく見るようにそんなに大きな臓器ではないだけに（腎臓は握りこぶしより小さいぐらい）ややもすれば軽視しがちだ。
腎臓は、ソラマメ型の臓器で左右に一つずつあり、（場合によっては片方だけが機能すれば機能を果たせる）それほど目立つ存在ではないのだが－－－この臓器の働きは実に様々で―――（血液中の老廃物を除去する、血圧を調整する、体液量の調整、等々）その機能が30％以下に低下すると昏睡に陥り数時間で死にいたる、といわれている。
人の体の中でそんな重要な仕事をしている臓器を、全て人体の外の機械で代替させようとすれば東京都全域の土地を使って大化学コンビナートを作っても未だ十分とは言えない－－－という話を昔、聞いたことがある。
たしかに、血液からの老廃物の除去という機能だけでも、人工腎臓による血液透析で行うには、週三回、一回3時間から6時間を要する、というから腎臓という小さな臓器がいかに大きな仕事をしているかは、誠に、「生命の驚異」という他ない。
AI(人工知能)の能力が目覚ましい発達を遂げつつあり、将棋や囲碁の世界では人間の能力を凌駕しつつあるとか、株式売買などでは1秒間に何万回の取引が可能なコンピューター無くして今の株式取引は不可能だとか、2045年までには人間の知能を機械学習の知能が凌駕する時代が来る―――とも言われている。
しかし、まだ現在のスパコンの大きさは、大きなビル一個分にも相当し、大変なエネルギーの入力が必要であることを考えると、「人の頭蓋骨の中の一部」という狭い空間の中にある人間の脳の果たしている働きには、少なくとも効率の面でAIが追いつけるようになるとはとても想像がつかないのだが－－－。
近未来には、人間の頭蓋骨の中に収められている知能（将棋をしたり、詩を書いたり、恋愛したり―――）が果たしている全ての機能が、超小型化された角砂糖一個分の容量の人工知能に置き換わるだろう―――などというカーツワイル流の予測もないではないが－－－。
もう、半世紀以上に亘る研究があっても、一向に腎臓の機能のほんの一部である人工透析、さえも、あのそら豆状の小型臓器がいとも簡単にやっている仕事の、何分の一もできていないことを思うと、「AIが人を凌駕する日」すなわちシンギュラリティ―というのが来る日というのが今一つ、現実味をもって信じられないのだが－－－。
（4/22/18 10:00pm）
2018年4月20日
口座振替
昔、実家では新聞料金やNHKの受信料を集金人に払っていた。
母は「みんなが振込にしたら集金のおばさんの仕事がなくなってしまってかわいそうだから」と言っていたが、そのことばに感化をうけたのか妻は今でも新聞代は月々、集金のおばさんに払っている。
集金のおばさんの給料がどういうシステムで支払われているのか知らないが（恐らく一軒幾らの歩合制？）確かに新聞屋の従業員ではないからみんなが口座振替にしてしまっては、おばさんの仕事がなくなり月々なにがしかのおばさんの歩合収入もなくなってしまうだろうし、振り込みと違って集金に来てくれるのだからこちら側には全く負担にならないから、当分の間、集金人に支払うシステムは続くのだと思う。（それに、何カ月目か毎に、次の何カ月か分の継続を申し入れるとお礼といって野球のキップなどを呉れるのも魅力だと妻は言っていた）
NHKの受信料の方はケーブルテレビ料金と込みになってここ何十年は口座振替になって自動的に支払うようになっており、そもそもNHKの集金人というのがわが町にまだいるのかどうかも知らないが、近年は、電気代にせよガス料金にせよ、集金人という仕事がどんどんなくなってきて自動化されているように思う。
事務の合理化という意味では電力会社にせよ、ガス会社にせよ集金に掛かるコストと手間が大幅に削減でき、利用者側にしても自動振替の方が面倒臭くないからこれからもどんどん集金人という仕事は減っていくのだと思うが－－－母がいっていたように「仕事がなくなって集金のおばさんがかわいそう」という事態が起きているとしたら―――そうそう、無責任に喜んでもいられない面もあるような気がする。
我が家の近くに郵便局の本局があるのだが、そこには夥しい数の配達用のオートバイがあり、多くの配達員が朝早くから、夕方暗くなるころまでこれを使って駆けずりまわっているが、聞くところによると、メール、SNSなどの普及により今や郵便物の数は激減、民間の（といっても日本郵便も民営化されているが）配送業者との競合も激しく、「郵便配達」という仕事はなくならないまでも「将来は大幅減員が予想される職業」の上位にあるという。
あの夥しい数の配達用の赤いオートバイと、ポストマン達が数年後には消えていくのか―――と思うとなんだか淋しくなってきてしまう。
世の中では、一方では様々な分野で「人手不足」が言われているから、時流にのって受けに入っている人達もいるだろうが、時代に取り残されて行く人達もたくさんいる－－－ということが、リタイアした身のタカさんとしては気になって仕方がない。
（4/19/18
10:00pm）
2018年4月19日
女人禁制
土俵上で倒れた市長を土俵に駆け上がり救命活動している女性に「女性は土俵から降りてください」というアナウンスが繰り返し流されたことへの非難が集中し「土俵上は女人禁制」という大相撲の伝統とやらは、現代にそぐわない女性差別である、ましてや人の命よりも相撲の伝統を重んじるとは何ごとだ！そんなルール等撤廃すべし！という声が一斉にあがっている。
ただ、この問題、「人の命」と「女人禁制という伝統」との対立という形で語られることに問題があるのであって、なんということはない、両方を尊重する、すなわち「人の命に係わる、あるいはそれに類する緊急事態だったのならば、女人禁制ルールにこだわらないが、通常の場合は、何百年も続く大相撲の伝統を重んじて、これからもできるだけ守っていく――というルールに変更すれば、何も両者がめくじらを立てて喧々諤々とやり合う必要のないことだという気がする。
もっとも以前あったように、女性の首長が優勝力士表彰の際に「土俵に上がるのはどうか」といった相変わらずグレーな部分については議論の余地が残るだろうが、そういう場合も男女同権の世の中だけに表彰式などという昔の大相撲にはなかった（伝統的とはいえない）場面では、女性が土俵に上がることも認める、というルールにするのがよいのではないか――と思う。（あり得ないとはいえないが当分、女性相撲部屋に入門を志し、褌一丁で稽古場や土俵に立つという時代は来ないだろうし－－－女性はタイツでよい、とかブラジャーを付けて土俵に上がってよい－－－ということにしてはさすがに「大相撲」ではなくなってしまう）
世の中の常識がどんどん変わっていく中で古いしきたり、伝統というものが時代にそぐわなくなっている例は数多くある
黒部ダムの建設工事や、青函トンネル工事の映画をみると（石原裕次郎主演の「黒部の太陽」や高倉健主演の「海峡」など）工事現場は穴掘りの神様が女性を嫌うからとして女人禁制が厳しく定められていた、いまでも石油掘削の現場などで女性の姿がみられないようにも思う。
宝塚の舞台には男性は立てないし、歌舞伎座の舞台に女性がたっては伝統芸能としてはおかしなことになりはしないだろうか。そうは言っても、宝塚の舞台を裏で支えているのは（大道具、小道具など）多くの男性陣であり、歌舞伎でも裏方には衣装係、床山、小道具などでは多くの女性が働いており、大相撲だって部屋にとって一番大切なのはむしろ親方よりもお上さんといわれる親方の奥さんであるように（貴乃花部屋の場合など親方が部屋をぶっ壊し、辛うじてお上さんが、それを食い止めている感じだ）、男だけ、女だけで成り立っている世界なんてほとんどない。
エリザベス女王が国民の絶大な人気を得ているのも、夫のフィリップス殿下（エジンバラ公）の何事にも目立とうとしないがしっかりとした支えがあるからだといわれているし、夫唱婦随、婦唱夫随だからこそうまくいっている夫婦は多いではないだろうか。（安倍さんのところは、別にして）
余り、表面だけの現象にばかり囚われて男女同権を声高に主張するのもちょっと世の中ギスギスしすぎるのではないか―――等というと、タカさんは古い！と総スカンをくいそうだが。
（4/18/18 10:00pm）
2018年4月18日
雲行きが――
公務員は「公僕」であるとされている。「僕」とは「しもべ」であるからすなわち建前上からいえば「国民のしもべ」ということになる。
身分制度というものが無くなり、ましてや「職業に貴賤なし」の世の中だから何も国民が偉くて、公務員が偉くない、という訳でもないが我々国民は何かにつけ「エラソー」にしている公務員に対して「彼等は国民のしもべではないか！それなのにエラソーにしやがって！」などと（陰で）言い放ち溜飲を下げている場合が多い。
というのも、我々の意識の中に彼等は「お役人」「お上」であり我々こそ彼等の僕（しもべ）なのではないか―――という封建時代からの意識、あるいは科挙で選ばれた中国の偉い「進士さま」という意識があるからではないだろうか。
実際、中央官庁の高級官僚ともなれば、選びに選び抜かれた優秀な超エリートであり、一年やそこらでコロコロ変わり、国会での碌な答弁も出来ない「大臣」に比べたら、実質「日本の政治において最も権力を握っている（大臣よりもりもずっと）偉い人――」という認識であることを否定できない。
「日本は政治家がダメでも、官僚がしっかりしているから大丈夫」という安心感さえあるのが実情だ。
そんな現役高級官僚の中でも一番上位の地位にあるのが各省庁の次官と呼ばれる人達であり、役人になった以上誰もが目指す最高ポストだ。
次官にまでなれば退官後には政治家に転身するにせよ、天下りするにせよ、最高のポストが約束されていると言ってよい―――。
そんな超エリートの次官のスキャンダルが続いている。出会い系バー通いがバレたが「女性の貧困問題についての実地調査だった――」と噴飯物の言い訳をして次官をクビになった文科省の前川次官、今のところ「調査中」ということではっきり断定されてはいないが、女性記者に対する数々のセクハラ発言で辞任必至といわれる財務省の福田次官とスキャンダルが続いているがいやはや「日本は政治がダメで、官僚もダメなのか！」という暗い気持ちにさせられる。
特に、福田次官は最強の官庁といわれる財務省の次官であり全国の国家公務員中でももっとも権力を持つ立場にいるご仁で、居並ぶ政治家、閣僚でさえ一目も二目も置く立場にいる人のはずなのに―――それがダメだとなれば―――官僚全体がダメというイメージを持たれかねない。
昭恵夫人といい取り巻きの次官連中といい安倍さんの身近の連中がこれだけ足を引っ張るとなると―――野党がしっかりしていないとはいうものの―――安倍さんの三選もかなり雲行きが怪しくなってきたのではないだろうか。
（4/17/18 10:00pm）
2018年4月17日
自然は自然にもどる
自然環境保護という言葉は美しい響きを持っている。
それだからこそ人々はこの言葉をよく使い、その運動に参加していると「何か良い事をしている」という自己満足感にも陥るし、人からも「あの人環は環境題にまじめに取り組んでいる良い人だ」と思われる。
使用済みの牛乳パックを良く洗い、折りたたんで束ねリサイクルに出す―――という運動をもう何年も続けている人（中には自分で紙漉をして「絵手紙」を書く－－－というところまでやっている人もいる）を知っているが、確かにどこからみても良き市民然とした人で、実際にまじめな方である。
しかし、ある記事によれば牛乳パックを再生紙として使う場合、まず家庭で汚れを洗い流すのに水を大量に使うし、再生工場では内張に使われたラミネートを溶かして除去するのにも大量の水と化学薬品を使うなど、結果的に環境破壊につながってしまう面も多く、それなら切り出したパルプ材からパックを作って、使用後はゴミとして焼却した方が、環境にとっての負荷は少ないという話もある。
そもそも人間生活の為に自然に生えている樹木を伐採し、多くのエネルギーコストを使って工場に輸送し、大量のエネルギーを投入して牛乳パックを作った―――という時点で、人間は自然環境に害をなしている、ともいえる訳で、更にリサイクルの為に、水やら化学薬品を使って環境を汚すことが結局、自然環境破壊に繋がってしまうとしたら――――人が生きていく上では環境に害をなさずにはいられない訳で、その人間がエラソーに上から目線で「自然環境保護」などといっていい人ぶっているのは、酷く滑稽にも思えてくる。
人間も自然の一部なのだから、その人間が自然に手を加えることは、ライオンがシマウマを食べ、そのシマウマが草原の草を食むのと同じように「自然の営みの一部」ということも出来るのだから、上から目線で「自然環境保護」なんていわない方がよいのかもしれない。それこそ自然との共生の視点が重要だということだろう。
以前は里山の保護の為に間伐を行い、その間伐材を利用して割りばしや爪楊枝を作っていたが、これが森林破壊に繋がるとして「マイハシ運動」だとか「割りばし返上運動」なんていう「環境保護」「自然資源保護」が盛んに言われたが、そのお陰で日本の里山での間伐が行われなくなり、山林が荒れる等ということが起こっているがこれなども間違った「自然保護運動」の典型ではないだろうか。
もっとも山が自然のままに荒れるということは、結果的には「自然が戻った」ともいえる訳で―――結果的に自然環境を守っていることになるのかも知れないが。
参照：「再び草の野に」
（4/16/18 10:00pm）
2018年4月16日
逃亡犯の隠れ家
塀のない刑務所というからそこに収容されている受刑者は恐らく凶悪犯という訳ではないと思うが、脱走されてみるとやはりいくら凶暴犯ではないとはいえ、「犯罪者」「囚人」であり彼等を塀がない刑務所に収容するなんて―――、治安上問題ではないか？という議論も起きているのではないかとも思う。
勿論、彼等が刑期終了後に 逸早い社会復帰をするために、こういう開放的な刑務所に収容した方がよいという社会科学実験的な意味もあるのだと思うが―――その脱走犯が人口2万３千人もいる島に逃げ込み、連日500人規模の警官を投入し捜索にあたっているものの、1週間以上たっているのに一向に捕まらないというのだから―――島民は不安だろうし、「警察は何をしている！」という非難の声も高くなっているのではないかと思う。
一日も早い脱走犯の確保ができるようにと願っている次第だが。
この事件で思ったのは、「瀬戸内海の小島」と言えども想像以上に広く、人口も、結構いるということだ。数字で表すと面積22㎢というから縦横4キロから5キロの範囲でしかなくそう聞くと毎朝歩いている距離から考えるとたいしたことはないように思うが―――。
捜索を難しくしている原因の一つがこの島にある空き家の数だそうで、1,000軒以上の空き家があり持主不明のものまであるから、「持主の許可を得て家宅捜索」というのが一向にはかどらないというのだ。
都会でも近年は空き家問題がさまざまな社会問題となっているが、こんな田舎の島でも問題が深刻化していると聞いて驚くばかりだ。｛
たしかに、空き家と言えども屋内の探索には所有者や管理者の許可が必要で、例え10年も空き家になているところでもその登記上の所有者や管理者を見つけ出し、その許可をとらねばならないとなればそう簡単な話ではない。所有者が複数に上る場合や所有者が亡くなり、管理者が不明の物件なんていうのもあるだろうし－－－。
空き家が1000軒ともなれば、全部の空き家を虱潰しに捜索するといっても、数カ月を要するかもしれない―――。
都市ゲリラの連中は、今までは往々にして「都会に紛れて身をかくす」のが常識であったが、これからの逃亡犯やテロ犯は、案外、過疎の田舎の空き家に隠れる－－－というのが常套手段になるのかもしれない―――。
（4/15/18 10:00pm）
2018年4月13日
欠けたマグカップ
普段使っていたマグカップが柄の所が欠けてしまった。
どこで買ったのかも記憶にないデザインもありふれた安物だが、少し大ぶりなカップで10年近く愛用していたこともあって洗っていて手を滑らせて欠いてしまった時には、大分がっかりしてしまった。
ところが「カップが欠けてしまった！」と言ったら、妻が何事もなかったかのように、「ああ、あのマグカップならもう一つあるわよ」といって棚の奥から模様も何もすっかり同じ、しかも真新しいマグカップを出してきた。
妻もいつ買ったのかは覚えていないそうだが、きっとどこかのセールに並べられているのを買ったのだろうと言っていた。（それにしても女性とは、なんでもかんでも思いつき買ってくるし、しかも物持ちのいい種族だと感心する）
それからは、その新しいマグカップを毎朝使っているのだが―――10年も使いふるしたあのマグカップに比べて、同じデザイン、同じ大きさ、とはいうものの、新しいカップは何かが違う―――使いふるした感がないというか、カップの色がくすんでいないというか―――マグカップとしてはどうでもよいような点だが―――。
なにしろあのマグカップは10年以上毎朝使っていた品だ！という思い入れがあって、新しいカップにはまだ「愛用の品」というほどの愛着がないのかもしれないから、そのうち何年も使い続ければこの新しいカップにも愛用の品としての愛着が湧くとは思うが－－－。
「使い古し感」という第三者には分からない価値とは一体何だろう。
個人ではタカさんのマグカップの例のように、自分の使い慣れた身の回りの品には高い価値を付ける傾向がよくあるが、必ずしも個人レベルの話ばかりではないようで、サンクコスト（埋没費用）という経済用語もあるように、企業等の集団においても往々にして「使い古し感」という安心感はあるよにも思う。
成功の見込みのないと分かっているプロジェクトでも、長年やっていると愛着が湧いてきて、本当なら早く見切りをつけて次のプロジェクトにとりかかるのが合理的なのは明らかなのに、それまでに投入した努力やコストを考えるとあきらめがつかず、更にムダな時間やコストを更に投じてしまうということがよくある。
発明王エジソンは「私は失敗したことがない、ただ、1万通りのうまく行かない方法を見つけただけだ」といったし「失敗は成功の母」という超ポジティブな言もあるようだが―――いつまでも失敗に拘泥せず、現実はむしろ「失敗は失敗でしかない！」とあっさり諦める方がよいのかもしれない。
半値以下に下がってしまった株、もう体のサイズに全然合わなくなっている昔のブランドものスーツ等々、ムダなのに愛着故に捨てられないというものは実に多い―――。
現実の政治において森友、加計、防衛省とこれだけボロボロの状態が続く安倍内閣に人々の愛想も付きかけているような気がしないではないが―――。
代わるに足るべき野党も、安倍首相に代わるべき総裁選候補も、現内閣以上に頼りないとなれば―――欠けたマグカップでも我慢して使っていくしかないのかなぁ〜という気がしないではないが―――日本の政治の現実が悲しい―――。
（4/12/18
10:00pm）
2018年4月12日
不穏な雰囲気
これだけグローバル化が叫ばれるようになり昔はよく国債的な紛争の種でもあった「貿易」だが、近年は国際協調、自由化、グローバル化に進んできて余り話題にならなくなってきたと思っていたが、ここにきて急に一昔前に戻ったように「貿易戦争」の勃発である。
自らの選挙基盤である産業労働者のご機嫌とりのためだろうと思うが、トランプ大統領の打ち出す思いつき的な「アメリカファースト」施策が、そのメインターゲットとして中国に向けられ、メンツ上、それに報復をせざるを得ない中国が反応し―――、更にトランプさんの思いつき的制裁を呼び－－－という具合に、雪だるま式に大ごとになってしまい、今や「米中貿易戦争」が勃発寸前である。
米中貿易戦争は、中東紛争のように日本には影響の少ない紛争だから日本はクビをすくめて成り行きを見守っていればよい―――等とのんびり構える向きもあるが、中国と米国という日本にとっての一位と二位の貿易相手国同士の紛争の影響は甚大であろうことは、明らかだ。しかし、ただオロオロしているしかないというのが実情だ。
米国の鉄鋼、アルミニウムの輸入制限措置発表に端を発し、それに加えて中国の産業ロボットなど1300品目の制裁リストを公表したことに、中国は大豆など106品目の米国製品に対し、米国の制裁と同規模となる500億ドルの追加関税を課すと発表し―――これに対して米国はさらに1千億ドルの対抗措置を検討しているというから、戦争拡大の雪崩現象は当分おさまりそうにない。
いままで中国市場から製品や部品の調達をしていた欧米市場や、日本もこの米中貿易戦争に巻き込まれる（トバッチリを受ける）可能性を考え、最近は中国の工場への注文を激減させているというから、いずれはこの日中貿易戦争という雪崩の影響は我々の回りにも押し寄せてくるかもしれない―――。
「米中もし戦わば」という類の軍事面でのシミュレーションでは、最終的に未曾有の惨劇を生むことは明らかで、片方が一方的に勝ち無傷でいられるなどということはなく、場合によっては地球規模の破壊につながり人類、いや地球消滅という事態まであり得る――という結論になっているが、これが軍事ではなく貿易戦争であった場合のシミュレーションも結論は似通っているはずだ。
ちなみに中国が2017年に米国から輸入した製品の額は、1300億ドル（14兆円）それに対して中国の米国への輸出額はその4倍の52兆円にも及ぶという。いかに両国の経済規模が巨大だといっても、それだけの貿易額が失われたとしたらまさに核爆弾が数個炸裂したような衝撃が起きるだろうし、両国は勿論、その影響をまさにうけている世界の各国の被害も甚大な規模に及ぶだろう―――。
トランプ大統領という愚かな大統領の思いつきから発した貿易問題に、中国というメンツ第一の国が過敏に反応し、小さな火種が見る見るうち大火に拡大―――世界各地が壊滅的に破壊される―――などという悪夢のようなシナリオも、もはや荒唐無稽とばかりは言い切れないのでは―――という不穏な気配が漂っているような気がしてならない。
（4/11/18 10:00pm）
2018年4月11日
キャッシュレス
少額の買い物をする時には最近はSUICAやnanaco等の電子マネーを使うことが多いし、逆に金額が張る物を買う時には殆どの場合、クレジットカードを使っている。
キャッシュ（現金）を用意していて払うのは、何かの飲み会での会費だとか結構限られたケースが多くなっているが、一昔前にくらべたらリタイアした身のタカさんにとっても、日常でのキャッシュレス決済の比率は恐らく7割を超えているのではないかと思うが―――。
統計によれば日本での現金を使わない決済の比率は2015年で18％だが、これは韓国での89％、中国での60％、アメリカの46％に比べて極端に低く、インドの36％に比べてもその半分というのだから、日本は国際的に進む決済のIT化、キャッシュレス化に随分遅れをとっているのかなぁ〜とも思う。
これには、現金信仰が強い日本の伝統とか、紙幣が常に新しく清潔な日本では紙幣に触れることに余り抵抗がないといった事情も絡んでいるような気がする。（アメリカのドル札などには、触っただけで黴菌が手につきそうな、臭いそうな、超汚いドル札がある）
日本では、結婚式に招かれた客はお祝い金をピン札でもっていくのが普通だが、アメリでは祝いに現金を渡すというのは、物凄く失礼にあたるそうだし、日本のおじいちゃん、おばあちゃんは、孫の入学祝いにはピン札か精々図書券を渡すのが一般的だが、アメリカではおじいちゃん、おばあちゃんが孫の入学祝いに小切手を贈った――等という話は聞いたことがない。
キャッシュレス決済だと、レジの締めに掛かる時間や人件費と、キャッシュレス決済で金融機関に払う手数料との兼ね合いの問題もあるのだろうが－－外国人観光客がこれだけ増えてくると「キャッシュオンリー」の店には外国人が来なくなる―――などという問題も起きてくるだろう。
そうそう、昔の話だが、日本では財布にある程度の万札が入っていないと「いざという時に恥をかく！」という思いがあり、いつもある程度の金額を持ち歩いていたが、アメリカでドル札をそれなりに持ち歩いていたらアメリカ人の同僚に「そんなに財布に札が入っているのを見られたら、強盗に襲われるぞ！」と注意されたことを思い出す。
彼によれば、財布に入れておくべきなのは20ドル札一枚だけでそれ以上でもそれ以下でも命が危ない！とのことだった。（強盗も余り多い金額を奪うと、警察に届けられると思うから奪った後で口封じのためにピストルでズドンと来るし、余りに少なすぎると頭に来てズドンとくるから20ドルが「命の値段」なのだ―――といっていたが―――。
政府は27年度までには「キャッシュレス比率40％」目標を掲げているらしいが、果たしてどうなるだろうか―――。
（4/10/18 10:00pm）
2018年4月10日
狭い世界
女子レスリングの伊調馨選手等へのパワーハラスメント問題を調査していた第三者委員会がこれを認定したが、伊調選手や彼女のコーチ等への栄強化部長の度を越したパワハラが8年間にも及んでいたという事実には驚くばかり。
栄氏の個人的僻みが原因のパワハラと認定され、栄氏一人が自発的に辞任したことで幕引きが図られているが、この事態を8年間も放置していたレスリング協会の責任を問わずして協会のパワハラ体質の改善は無理だろうと思う。
緊急理事会後の記者会見で協会の福田会長は「認識の甘さ」を認めたが、そもそもこの福田会長という人、パワハラの告発状が内閣府に提出された時点では、言下に「そんなことはあり得ない！」と栄本部長の側にたってパワハラを否定した人だ。
「身内のパワハラを言下に否定した人がトップを務める協会の第三者委員会による調査―――」と聞いた時点で公平な調査結果は期待できないのではないかとも考えたが、国民栄誉賞の伊調馨選手に対するパワハラ事件とあっては、全国的な関心が高く、ごまかしが利かなかったようで、パワハラ認定が下りたが、なぜ告発時点では全面否定したかを記者に問われた福田会長は「（告発状を）ぱっと読んだときの発言だった」と弁明にもならない弁明をしている。
いやしくもレスリング協会の会長というトップにある人が内閣府に出された告発状の中身を精査もせず加害者側に立って「パッと見ただけで」否定する―――等ということがあってはならないし、それを臆面もなく「いい訳」に使うとは―――著しく常識に欠けた行為といわざるを得ない。
伊調選手や吉田沙保里選手という国民栄誉賞受賞者を出した女子レスリングという国民的に人気のある競技ではあるが、正直いって日本の多くのスポーツの中では極めてマイナーな競技であり（女子レスリングをやっているという人が身近にいる―――といった人が日本中に一体どれほどいるだろうか）一説では、日本には多く見積もっても女子柔道の百分の一以下の選手しかいないといわれている―――。
そんな狭い世界だけにその世界からはみ出しては、練習すらままならないし、まして食べていくことができないとなれば、勢いそこで権力を持った人―――福田会長や谷岡至学館学長、馳衆議院議員、栄強化部長といった）に逆らえばとんでもないことになると皆がパワハラを受けても我慢する、パワハラを見て見ないフリをする－――という体質が常態化していたことは、容易に想像がつく。
だからこそ、福田会長のような人（告発状を「ぱっとみただけで」堂々と否定してしまうような人が）、パワハラが事実だったと認定されたのに、その責任も取らず会長に居座り続けることが許されてしまうのだろう。
大相撲にしてもそうだが、公益法人という公の団体でありながら、決して巨大とはいえない狭い世界では、こういったパワハラ紛いのことは、往々にして行われているような気がしてならない。
（4/09/18 10:00pm）
2018年4月9日
パチンコからカジノ
「娯楽の王様」といえば20年程前ならパチンコであった。当時たしかその総売上高は国家予算（その頃は70兆円位だった？）を上回っていたと思うが、最近のパチンコ業界の売上高は23兆円程度というから、競馬の年間2兆円の10倍というからまだまだ巨大ではあるものの、ピーク時の１/３程度にまで落ち込んでいる訳だ。
確かに、タカさんも、20代だった今から40年以上もまえには、独身時代も、結婚してからも、小銭をもってパチンコ屋に出かけることはよくあったが、それ以降はさっぱりご無沙汰でここ数十年はパチンコ屋に出かけた記憶はほとんどない。
当時パチンコの人気が高かったのは、少ない時間でも、小銭程度でも手軽にできる（時間つぶしになる）、気楽さがよかったのだと思う。
パチンコ人口（愛好者）はピーク時には3000万人とも4000万人ともいわれたが、売り上げの減少ぶりから類推すると、恐らく今やその愛好者は1000万人を割っているのではないだろうか。
確かに20年も前なら、どこの街でも駅前といえばパチンコ屋が林立していたものだが、最近は駅前には幾軒かあるだけですっかり軒数は減ってしまっているようだ。
株式を上場している大型パチンコチェーンの決算が大幅減益となっているというニュースも最近は毎期毎に繰り返されているようだし、パチンコ店が新卒大卒を採用していた頃とは勢いがまるで違ってきているようだ。娯楽の多様化といった社会の変遷に伴って日本特有（台湾にもあるという話をきいたことがあるが？）の、あの個人の技術を必要とする（？）チマチマしたパチンコとゆうギャンブルの人気が落ちているのかなぁ〜とも思うが、競馬、競輪といったギャンブルの売り上げも衰退の一途をたどっているというから、ギャンブル全般の人気が落ちているのかもしれず、ギャンブル業界の衰退は、必ずしもパチンコだけに限った話ではないのかもしれないが－－－。
一説によると、パチンコ産業界ではパチンコの衰退にともなって次の産業としてのカジノに期待を寄せているともいわれているが。衰退一方のギャンブルであるチマチマしたパチンコにしがみつくのではなく、ゴージャスでスケールの大きなカジノ産業に乗り換える－－－というアイデアがギャンブルの衰退という事象からするとどうも的外れという気がしないではない。
ギャンブル全体が衰退傾向にあるというのが事実だとすれば、ギャンブル依存症対策として、全国でたった3か所しか許可されないというカジノリゾートに、しかも週三回までの入場制限付き―――さらには入場料が一回6000円という敷居の高いカジノに、パチンコを上回る人数の日本人がいくだろうか？とも思う。
大げさにぶち上げ、この数十年揉め続けたカジノ法案だが、いよいよ実現の運びに漕ぎつけるまでに、紆余曲折があり過ぎた結果、実現する代物は、なんとも、制限ばかりの、不自由なものになってしまいそうだ。
競馬場にしても競輪場にしても100円の入場料を払えば、一日遊んでいられるし、パチンコなら入場無料だというのに、一日6000円もの入場料を払ってカジノに出かける日本人がいるだろうか――――。アラブのお金持ちや、中国の汚職役人相手に稼ごうというのかもしれないが、マカオや香港に対抗するには、よほど豪華な施設をつくらなければという気がする。
（4/08/18 10:00pm）
2018年4月6日
見頃は何時？
「三日見ぬ間の桜かな」とはいうが数日前の桜吹雪がウソのように我が町のさくらもすっかりと葉桜になってしまい、今年の花見の季節は終わってしまったようだが、桜前線はまだまだ東北を北上中で見頃はこれからというところも多いから、（青森の弘前城址公園のさくらなどは５月の連休中辺りが見頃だとか）遠出する気さえあれば、まだまだチャンスはある。
花見の季節といえば日本人の大半の人々が、名所という訳ではなくとも近くの公園や川堤といったところに出かけて一瞬たりといえどもさくらを愛でているのではないだろうか、こんなに恵まれた環境にあるのだから日本人に生まれてよかった――とおもう。
もっとも世界には、日本のさくらのように、季節になるときれいな花が咲き誇るところは多いが、日本人ほど国をあげて一つの花をめでる国民はいないような気がする。
ジャカランダの花が一斉に花開くロスアンゼルスや南アフリカでもあんな見事な花を見に出かけるという風習はないようで、日本人とさくらの関係を思うとなんだか狐につままれたような気分になる。
もっとも、最近はこの花見の風習が日本人だけのものでもなくなってきているような気もしないではない。
ここ数年、花見に行くと中国、台湾、韓国、タイといったアジア地区からの観光客がふえているのを感じていたが、今年は「東京のさくらが見頃になった！」とネットなどで聞いて中東や欧州からの花見客が殺到したため中東ドバイからの日本便が3月末は超満員で予約が取れなかった―――というのだからさくらの花見もいよいよグローバルスタンダードになってきつつあるのかなぁ〜とも思えてくる。
そういわれてみれば、千鳥ヶ淵や靖国神社に花見に行った時、アジア系に加えて今年は、欧米系の花見客が増えているなぁ〜と感じた訳だ！
例年、いちどは旅行がてら東北などに花見に出かけていたが近年は余り行かなくなってしまっている。これは大体の場合、パックの花見ツアーで行っていたのだが、早い時期に予約が満員になってしまうので随分早い時期に申し込んでしまい、「まだ咲いていない」とか「もう散ってしまった」といった具合に見頃を外すことが2－3年続いた所為であったのだが、考えてみればリタイアの身であれば時間は都合がつくのだから、ドバイからの花見客のように「丁度見頃になったぞ！」と聞いてから、おもむろに出かける－－－などという方式に変えればよいのだが―――。
パック旅行の簡単さ（身一つで出かければ後は旅行会社にお任せ！で済む）を思うと―――ちょっと躊躇してしまうが－－－。
（4/05/18
10:00pm）
2018年4月5日
バチカンのスタバ
バチカン市国といえばカソリックの総本山であり世界のキリスト教信者が一度は訪れたいと願う地、世界最大級の観光地でもあるが、その広さは皇居の約半分に過ぎない世界最小の国である。
このバチカンに世界最大のハンバーガーチェーン「マクドナルド」と、同じくアメリカ発祥の世界規模に展開するコーヒー店チェーンの「スターバックス」が出店しているという。
今や世界のどこに行っても見かけるあの派手なロゴと店舗デザインだが、さすがに2000年の歴史を持つ、歴史的保存地区にアメリカ文化を代表するこの二つのチェーンのけばけばしい店があるということに、回りの景観と余りにもマッチしないだろうし、敬虔な信者の中には神への冒涜だとか、文化的侵略的な意味を感じてしまう人もいるのではないか――とも思うのだが―――。
いってみれば法隆寺の境内にマックとスタバの店がある―――といったイメージだが、日本だったらさすがに大反対運動が起きるだろうし文化庁辺りもさすがに許可は出さないのではないだろうか―――とも思うが―――どうだろうか。
歴史遺産保存と現代生活をいかに調和させるかという問題は、どこの国においても中々難しい問題で京都や奈良などの一部では歴史的建造物が尊重されてはいるというものの、町全体を見れば必ずしもそうとは言い切れない部分もある。
日本でも地方の景観の変遷が激しく、残しておくべきものがどんどん失われている現状には、バチカンにおけるマックやスタバの問題以上に深刻な部分があるように思う。
例えば地方の新幹線の駅などは、どこも同じ作りである、その駅前には、どこも全国チェーのサラ金や居酒屋の入った特長のないビルがあって、地方性というものが感じられなくなっていることを感じる。
例えば。盛岡の駅前も広島の駅前も同じような駅ビルがあって、同じような全国チェーンのレストランや居酒屋が軒を並べているのだから、一体どこの駅前にいるのかさえ区別がつかないことを考えれば、日本の都市における歴史的景観だとか、地方文化の保存は世界に比較しても極めて貧弱といわざるを得ないようにも思う。
その原因は、我々現代の日本人自身にあるのかもしれない。それは我々の意識が、歴史的遺産だとか地方文化といったものを昔に比べて尊重しなくなっていることが根本にあるからかもしれない。
20年も前だったら旅行にいけばその地方の名物料理を食べに出かけるとか、土産物にしてもその地方の名産物などを探したものだが、タカさん自身、最近の旅行先では、飲みに行くにしてもその地方の郷土料理店ではなく、全国チェーンの居酒屋だったり、東京のデパートで売っているからといって旅行先で土産物を買う機会は大幅にへっている。（旅行にいったからといって近所に土産物を配るといった習慣もすたれつつある）
こうなって来ると、旅行先といえどもいつも食べなれているマックを食べ、スタバで飲むコーヒーが一番安心できる－－－といった気持ちになる人も多いというのも分からぬでもない。その内、法隆寺や薬師寺で「吉野家」の牛丼が食べられるような時代がくるのかもしれない。
（4/04/18 10:00pm）
2018年4月3日
治る病気
エイズ（HIV）が広く知られるようになったのは、NBAのスーパースター、マジック・ジョンソンが罹患していることが明らかになった1990年頃のことだった。
当時HIVの治療法も確立しておらず罹患してから10年ほどでエイズを発症すると死に至る病だといわれ「不治の病」として人々を震撼させたものだった。
HIVはウィルスによって伝染しその8割が性行為によるものだといわれていたから、不特定多数の相手と性関係が盛んな男女、あるいは同性愛者に発病のリスクが多いといわれ「不治の病」といわれながらも、病に罹患したということが知られると今一つ人々の同情が寄せられ難い病気――という面があった。
その点、ジョンソンが自らHIVであることを告白したことは「勇気ある行動」として称賛もされたが、一部のNBAのチームメートからは「バスケットの試合中の激突などで彼の汗などに触れるとHIVに感染するのでは？」と恐れられ、その為に彼はNBAからの引退を余儀無くされた。
その後、エイズの知識も増え（性行為をともなわない接触では伝染しない－－－といった）、更には完治には至らないまでもエイズの発症を抑える治療法が開発されて今や、HIVから死に至る患者の数は激減しているといわれ、HIVといえどもそれほど恐怖の病ではなくなっているようだ。
しかし、エイズの恐怖が言われ出してから30年から40年、当時、奔放な性生活を送っていた人々は、ある意味、決死の覚悟での性行為を余儀無くされ、あるいはその性衝動を抑える―――といった努力もしなければいけなかった訳で、自由奔放だった性道徳観に多小なりともブレーキをかける働きをしたといえよう。
90年代に入ったころ、「まもなくHIVに治療薬ができる」という噂や予測が（願望を込めて）盛んに流れたことがあって、その当時、一部の性解放論者の中には、「発病したところでエイズの発症まで10年かかる病なら、それまでには治療法が開発されるから大丈夫！」などという楽観論がささやかれたそうだが―――その人たちの何人がHIVに罹りながらも治療薬の恩恵を受けて命を取り留めたことだろうか―――。
「罹患したら進行を遅らせることはできても、治療することはできない」といわれるアルツハイマー病そのものを治療する薬の開発が英国で進んでおり、3年以内に治療薬が完成する－――という記事が今週号のニューズウィークに出ていた。
この記事によると発症を抑えるワクチンも10年以内に入手可能になる―――というのだが―――。
年齢と共にアルツハイマー型認知症の発症のリスクは増えるといわれておりタカさんの年齢になるとそろそろ心配になってくるが、10年以内に予防薬が完成し、例え既になっていたとしても後3年待てば治療薬が出来て完治する―――というなら、タカさんの今のところの老後に対する恐怖心は、大分薄らぐことになるが―――エイズの時のように、治療薬完成までの予想が大きく外れないように祈りたい。
（4/02/18 10:00pm）
2018年4月2日
男を下げた？
相撲界は良くも悪くも日本的な文化、習慣、考え方が色濃く残る世界である。それは、相撲が日本文化の伝統にその淵源を置いているからであり、それ等の全てを現代的に、あるいは世界基準に変えてしまえば相撲が相撲でなくなってしまうだろう。（力士がチョンマゲをやめてプロレスのようなタイツ姿で取り組みを行っては、もはや相撲といえない代物になってしまうだろう）
勿論、伝統的なものだから一つなりとも伝統を変えてはいけないという訳ではないし、そういう訳にもいかない。現代の社会情勢からみて余りにも前近代的なものは変えて行かなければならないのは当然で、50年前の相撲界に比べれば大きく変わった部分があるのは当然で、相撲界も社会情勢や時代とともに伝統部分を残しつつも変わって行くべき部分は、むしろ積極的に変えて行くべきであろう。
しかし、何が伝統的な部分であり変えるべきでないのか、いやむしろ積極的に変えるべきかの線引きは中々難しい。
例えば子弟制度（親方と弟子の関係）なども、現代社会の基準からみれば前近代的といえる部分は多いが、例えばこれを廃止して芸能界のようにプロダクション制度にして、プロダクション（相撲部屋）とタレント（力士）の個人雇用契約を結ばせ、移籍なども自由―――という制度にしたら――となると―――。
日馬富士の貴ノ岩への暴行問題では、被害者の親方としての貴乃花親方の協会への対処の仕方が、直接の被害者である貴ノ岩個人にとって良かったのか、悪かったのかとの評価は結果論になるとは思うが、弟子の貴公俊が暴力をふるい、今度は暴力の加害者の親方になってしまったことで正義の味方としての親方の立場は一転、貴ノ岩問題で喧嘩をふきかけた相手である相撲協会の理事会に全面降伏せざるを得なくなり、貴乃花親方の立場は一気に弱くなってしまった。
こうなると割りを喰ったのは弟子の貴ノ岩で、親方の命令通り2場所休場を続け、インタビューにも一言もこたえずに（答えようとすれば親方に遮られていた）貴ノ岩の立場はなんだか気の毒なことになってしまったような気がしないではない。
そういえば日本的伝統とかしきたりといえば、「喧嘩両成敗」とか「事を荒立てない」だとか「なあなにすませる」といったことがあるが、今回の一連の騒動を、「喧嘩」だとすれば 日馬富士 vs 貴ノ岩 日馬富士vs 貴乃花、 貴乃花 vs 相撲協会、鶴竜 vs 貴乃花 といった喧嘩があったような気がするが、日馬富士 vs 貴ノ岩の喧嘩は日馬富士が引退に追い込まれて負け、日馬富士vs貴乃花、は日馬富士が引退で負けたように見えるが、謝罪を受け入れなかった貴乃花も「大人気なし」の負け、貴乃花 vs 相撲協会は、貴乃花が自滅して降格処分を受け入れ全面降伏したから、協会の全面勝利、日馬富士vs貴乃花は二人とも処分されてしまったから両方負けといったところが結論ではないかと思う。
そうだとすると、貴乃花親方も、日本的な伝統というかしきたりに従って「事を荒立てない」だとか「なあなにすませる」という方式を多少は採用していた方が、最後にあそこまで男を下げることもなかったのではないかなぁ〜と思わないではない。
（04/01/18 9:00pm S.T. ）
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