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2019年8月
＜＜8月タイトル＞
08/30 豪邸の行方 08/29 コンプラ過剰 08/28 トウモロコシの駆け引き 08/27 今どきの秋刀魚 08/26 戦争を知らない世代
08/23 機会ロス 08/22 キャッシュレス化で困る人 08/21 香水嫌い 08/20 破れ鍋に欠け蓋 08/19 絶滅させてやる！ 08/09
おじいちゃんの眉毛 08/08 平均世帯人数 08/07 偶像崇拝 08/06 群集心理 08/02 勝負は早い方が 08/01 当らない予測
2019年8月30日
豪邸の行方
某有名女優の都内の豪邸が売りにだされたが買い手がつかず大幅に値引きされた上にある不動産会社が取得し更地にした上で180坪を5分割して戸建用の分譲地として売り出したというニュースがあった。
都内の一等地に180坪の豪邸ともなると、固定資産税だけでも年500〜600万円、光熱費や庭の手入れといったもろものの維持費だけでも年間1000万円ちかくはかかるともいわれているだけに、こういった大豪邸を買えるのは余程の高額所得者か中国の成金位しかいないと言われていたのに、更にこの豪邸は、女優の息子が毎日覚醒剤パーティーをやっていて逮捕された―――といった、いわく付き物件であったことも手伝って、買い手がつかなかったのだとか。
よく豪邸といわれた物件の持主が亡くなって何年かすると維持費負担が大きすぎて遺族が手放さざるを得なくなり売りに出されることがあるが、買い手がつか更地になって切り売りされるという例は、日本だけの話ではなく、あの豪邸の立ち並ぶハリウッドでも良く見られる光景だという。（以前は、ハリウッドでもそういう豪邸の買主は、サウジの王族とか、中国の腐敗官僚の一族といったところが多かったが――今はどうなのだろうか）
そうそう以前、地球温暖化に警鐘を鳴らすドキュメンタリ―映画「不都合な真実」でアカデミー賞を受賞した元副大統領のアル・ゴアがテキサスの私邸の年間光熱費に、アメリカの平均世帯の10倍もの浪費を続けていることがすっぱ抜かれ、「何が地球温暖化阻止運動だ！偽善者め！」と猛反発を喰ったことがあったが、やっぱり豪邸の維持費とやらはとんでもない金額がかかるようだ。
禅の法話として語られるという「起きて半畳、寝て一畳、たらふく喰っても2合半」（参照：「起きて半畳」3/5/99）は―――人間の欲望は際限がないけれど、生きて行く為にはほんの少しのもので足りるではないか―――と諭す言葉だが、歳をとっても小さいながらも欲望という本能を断ち切れない身だけに、常に我が身に言い聞かせたい言葉だ。
（8/29/19
10:00pm）
2019年8月29日
コンプラ過剰
最近「コンプライアンス」にちょっと異様なほど配慮しなければならない風潮が高まり、いささか世の中が窮屈になっているような気がしてならない。以前にも書いたことがあるが（参照：「特別な許可」7/10/19）やたらと「特別な許可を得て撮影しています」的な断りのテロップがながれ、「チコちゃんに叱られる」のような謎解き番組の回答時にも「諸説あります」のテロップが挟まれるのは、いちいち文句をつける視聴者がいて、最近はネットなどでその文句に変に反応する暇人がいるものだから、それが場合によっては「炎上！」等ということにもなって大変なことになる（NHKならば便乗した「N国」が騒ぎだすとか、民放番組なら番組スポンサーに苦情が殺到する――といった）怖れがあるからこんな下らないテロップを入れる必要があるのだろうが、やっぱり最近はこのコンプライアンス配慮が行き過ぎて、世の中をギスギスしたものにしているような気がしてならない。
ここ数年増えてきて気になる表現に事件や事故の際に「心肺停止」という表現だ。人が死亡したかどうかの判断は、法律的には資格を持った医師がしなければならない、とされているからだというが、溺れて行方不明になった人が川底から何日かぶりに発見された――という際にも、医者が死亡と判断するまでは「心肺停止」と報じられる。
報道する側が勝手に「死亡」と判断することが「コンプライアンス違反」に問われるからと言って、こういったケースで、杓子定規に「心肺停止」と報じることは、却って報道するものの死者に対する、冷淡さ、敢えて言えば冒とくにさえ感じてしまうのはタカさんだけだろうか。
事故の直後、救助した人に蘇生の可能性は低いと判断されても人工呼吸などをこころみるのは当然だが、3日間も水底にあって、素人でも、もうこれはダメだと判断される場合でも医者の判断を待つまでは「心肺停止」というのはどう考えてもおかしい。
古い表現ならば例えば「既に冷たくなっていた」などという言い方で暗に「残念ながらもう助からない」と示す場合もあったと思うが、今のコンプライアンス重視の世の中ではこういった表現さえも許されないのだろうか。
（8/28/19 10:00pm）
2019年8月28日
トウモロコシの駆け引き
映画「フィールドオブドリームス」で主人公（ケビン・コスナー）が野球場を作ったのは彼が所有するコーンフィールド、すなわちトウモロコシ畑という設定だった、その野球場の回りも見渡す限りのコーンフィールドであったのを覚えておられる方も多いと思う。
シカゴ駐在時代に隣のミズリー州セントルイスまで車で旅行したことがあったが、この間は行けども行けどもコーンフィールドが続いていて、あまりの景色の変化の無さに辟易とする思いだったことを思いだす。
それほどにアメリカ中西部ではトウモロコが作られており、トウモロコシなしではこの地域、あえていえばアメリカの農業は成り立たないのではないかと思える程だった。
アメリカのトウモロコシ生産量は年間4億トン（ちなみに日本のコメの生産は800万トン）というすさまじい量だが、人間が直接口にする量は実に微々たるものでそのほとんどが牛や豚などの飼料用とエタノルー用でありその他に55百万トンほどが輸出されているが、生産農家は大量の補助金によって経営を成り立たせているという、アメリカの財政にとっては、お荷物の存在なのだ。
中国との貿易戦争の中で、先日、中国はアメリカの追加関税への対抗措置として米国産トウモロコシの関税上げを発表した。
中国はアメリカに次ぐトウモロコシ生産国で（年間2億３千万トン）アメリカからの輸入の必要はほとんどないが実情なのだが、今まではおつきあいから少し輸入していた――という程度であり、4億トンという生産量から見たら中国への輸出量は、びびたるものに過ぎず、実質的に中国でのトウモロコシの関税が上がってもアメリカにとってのダメージは少ないのだが―――、二期目の大統領選を控えたトランプにとってはトウモロコシ農家の支持を失わないためにも中国向けで減ると予想される輸出量を振り向ける先を確保することが必要だったといえよう。
そこに手を挙げたのがアメリカコーンの最大輸出先である日本で、折からのG７サミットでの二国間協議で、アメリカコーンを追加で引き受けることにしたという。
追加量としては恐らく100万トン程度であり、従来の輸入量500万トンに比べればたいした増量ではないし、コーンの輸入量増の見返りで日本車への追加関税が見送りになれば御の字だ―――ということなのだろうが―――。
ビジネスマントランプと日本の駆け引きの今後が結構見ものになってきたようだ。
（8/27/19 10:00pm）
2019年8月27日
今どきの秋刀魚
「女房を質に入れても初ガツオ」などというまくらが落語で使われるほどに、昔は何でも旬のものが珍重されたようだが、冷凍技術が発達し、又、漁もかつての様に沿岸漁業ばかりではなく沖合や遠洋での漁業が盛んにおこなわれ、まして養殖や輸入といった形での漁獲の確保が行われるようになっているから、今やかつてのように旬などというものにこだわる必要もなくなっているし、そもそも一体いつが旬なのかもわからなくなってきている。
とはいうものの、ここのところ資源量が年々大幅に減っていることもあり、しかも漢字の当て字が「秋刀魚」と書くだけに、サンマについての話題が多くなっている。
例年なら今の時期から大量に水揚げされ、都会の魚屋の店頭でも大量に売られはじめているはずのサンマが、今年は形はあまりよくないし、脂の乗りもよくないにもかかわらず昨年以上に不漁で水揚げが少ないために、卸値は高めなのだとか。
この頃は、さんまが食べたいと思えば、近所の定食屋で一年中、解凍物のサンマの塩焼きがたべられるのにもかかわらず、秋刀魚の初水揚げのニュースなどを聞くと、やぱり、初物の生サンマの塩焼きがたべたくなるのは、タカさんには古い日本人の「旬」に対する渇望があるからかもしれない。
もっとも例えば落語の「目黒の秋刀魚」で殿様が農家の軒先で食べた秋刀魚は、恐らく房総近海で取れた南下途中で脂の乗り切った秋刀魚だと推測されるから、根室に水揚げされた沖合漁業の秋刀魚とは随分違う代物だと思われ、今更、旬だ、初物だ、と騒ぐのは随分見当はずれの野暮なことなのかもしれないが。
（8/26/19
10:00pm）
2019年8月26日
戦争を知らない世代
8月になると広島、長崎の原爆記念日、そして終戦の記念番組が数多く流されるが、終戦は1945年、今から74年前のことである。タカさんが生まれる2年前のことだ。
従ってタカさんは「戦争を知らない世代」として育った。確かに、戦争の思い出については回りの人から断片的に聞いたことはあるし父も招集を受けて軍隊で終戦を迎えたというし外地で終戦を迎えたおじさんもいた。10歳ほど年上の先輩の中には田舎での学童疎開の体験者もいてそんな話も聞いたことはあるが、戦争を、自分が体験した訳ではないので今一つ切迫感をもって聞けてはいなかったように思う。
我々は、平和の大切さを身をもって感じるためにも、我々は「悲惨な戦争の記憶をいつまでも受け継いでいかなければならない」といわれるが、例えば昭和一桁世代、あるいは昭和10年代生まれに比べれば、タカさん世代を筆頭に戦後生まれのいわゆる「戦争を知らない世代」にとっては、それは中々難しいことではある。
5年程前だったが当時10歳の孫に「おじいちゃんは、戦争は兵隊さんで、どこにいったの？」と聞かれたことがあった。21世紀に生まれた孫にとっては、日清戦争や日露戦争、あるいは太平洋戦争は、教科書の中に書いてある一つの事項にすぎず、極端な話、70年前も100年前も、一つの歴史事項としてしか感じられず、それがいつ起きたことなのか、といった現実感をもってとらえることができない事柄なのだろうとも思ったものだ。
今年の夏の時事川柳に「戦争を知らぬ祖父母がいる平和」という一句を見つけた。まさに、タカさんと孫の経験を読んだような一句で思わず膝を打った。74年間にわたって戦争することもなく平和な暮らしが続いている日本にとって誠に良い事であることは、この川柳の通りではあるが―――世界の平和のためには皆が「悲惨な戦争の記憶をいつまでも受け継いでいかなければならない」ということばを8月の終戦記念日前後に度々きかされると―――ちょっと複雑な思いにもならないではない。
（8/25/19
10:00pm）
2019年8月23日
機会ロス
昨年、土用丑の日を過ぎて、スーパーやコンビニチェーン店から、大量に廃棄される売れ残りのうなぎのかば焼きのニュース映像が流れ、折からうなぎ資源の枯渇がさけばれていることもあって世間の非難が集中したが、今年ファミリーマートでは土用丑の日のうなぎ弁当を、完全予約制で販売したところ、販売額は昨年比約2割減少したものの、廃棄費用が大幅に減り店舗の利益が平均で約7割増えたという。
コンビニやスーパーでは欠品を出すことによって売上機会を逃してしまうといういわゆる「機会損失」を嫌って多め多めに仕入れておくことが、「商売のいろはのい」だと言われてきた。お節料理セットや恵方巻、クリスマスケーキといった季節限定の商品は、何カ月も前から多めに作りおきしておくのが常識といわれ、又、例年大量の売れ残りが廃棄されることが繰り返されてきたにもかかわらず、それが「商いの常識」と信じられていたが、今回のファミリーマートの一件は、まさにコロンブスの卵であり機会損失を怖れるよりも全体の商売の効率を考えた方がはるかに利益が多いという事を示しているし、さらに、ムダな食品ロスを出さないで限られた資源を守ることにもなる、という、考えてみれば当たり前の事実を突きつけたように思う。
そういえば、タカさんが結婚した50年程前には、女性の結婚適齢期に関しては「クリスマスケーキ理論」というのがあって、24歳（12月24日）までが最適期、25歳を過ぎると急激に価値が下がり、27歳（27日）ともなると4割引でも売れないしそれ以後は―――等という今考えると女性に対するセクハラもいい所のジョークが言われたものだが、その理論とやらも年越しそば理論（31歳が最適齢期）にとって代わられ、今や女性の結婚適齢期等という考え方そのものがセクハラ扱いされてしまうのだから―――。
商売における「機会ロス」の考え方同様、世間常識なんていうものは時代と共に変わるし、変っていかなければいけないものだとつくづく思う。
（8/22/19
10:00pm）
2019年8月22日
キャッシュレス化で困る人
京都仏教会が、お布施やお賽銭などの「キャッシュレス決済」導入に反対する声明を発表した。理由としてあげているのは「信者の個人情報が第三者に把握され、信教の自由が侵される恐れがある」とか「宗教統制や宗教弾圧に利用される可能性がある」等をあげているが、坊主丸儲けで、ばか儲けしている京都の寺社の歳入実態が把握されてしまう事に対する抵抗なのではないか―――等ととる向きがあるという。
京都観光のタクシーや人力車、飲食店、土産物屋等でのキャッシュレス決済の普及率が高くなっていることや、外国人観光客の利便性を考えると、寺社のキャッシュレス拒否もいつまで続くかと言う感じがするように、今や遅れているといわれる日本のキャッシュレス化の進捗も加速度がつき始めているようにも思う。
タカさんもなんだかんだ言いながらキャッシュレス決済をすることが多くなってきている。特にコンビニなどでの少額の買い物をした際には、いまや小銭を出す、あるいは小銭でお釣りをもらうのが嫌で、どうしてもSUICAやnanacoといったプリペイドカードでの支払いをしてしまうことが多くなっている。
こういったカード決済をすることによって大量の個人情報が集められいつの間にかそれが利用されてしまうといった問題は確かにあるからカード利用にはなんとはない不安をいだかないではないが、京都の坊さんほどには掴まれて困る情報でもないし―――といったところはある。
カードを使う側の問題はよく言われるが、キャッシュレス決済を受け入れる側、たとえば店側はどうなのだろう。現金に比べればキャッシュレスを導入することによって売り上げの3％程度の手数料がかかるというが、現金を扱わないことによってレジ業務が大幅に合理化できるとか、売上管理の事務が簡単になるなどして人件費が大幅に節約できる―――などのメリットが大きいので3％程度の手数料なら十分ペイできるらしい。
そんな訳でもうすぐ人々が現金を持ち歩かない時代がくるのかもしれないけれど、それもいい事ばかりとはいえないようだ。というのは、いち早くキャッシュレス化が実現しつつある英国では、人々が小銭を持たなくなった為に、街で小銭を貰って生活していたホームレス達の収入が減って困っているのだとか――ということは京都の坊さんとロンドンのホームレスにとってキャッシュレス化は敵、ということのようだ。
（8/21/19 10:00pm）
2019年8月21日
香水嫌い
絶対音感がある人の割合がどれ位になるかは諸説あるようだが、モーツアルトやショパンのような天才音楽家には絶対音感があったというから自分にも絶対音感があったらなぁ〜なんて思わないではないが、人の話によると絶対音感があるということは、良い事ばかりではないし、むしろ日常生活ではデメリットの方が多いのだとか。
絶対音感があると、ある楽音を聞いたときに即座にその楽曲の音名・階名表記を全部記憶し、再現できてしまうらしいが、今街に溢れている音は必ずしも美しい音楽ばかりではなく、あらゆる騒音、中には不快な音もたくさんあり、これらの美しくない音程の外れた音が四六時中耳に入って来て頭の中を駆け巡ってしまうとなれば―――これはもう拷問に近いのだとか。カラオケに行って音痴が3番まで歌いきるのを10曲も連続で聞かされた時の苦しみをおもえば―――何となく絶対音感者の苦しみが分かるような気がする。
勿論、タカさんには絶対音感などまるでないけれど、ひょっとして人並み以上に敏感なのではないかと思う感覚に嗅覚、すなわち匂いに対する感覚があり、それは結構鋭い方ではないかと思うところがある。
動物の感覚というのはいずれも自分の身を守るために備わったものといわれており、嗅覚の場合は、食べる物が腐敗していないかを嗅ぎ分けたり、煙やガスといった異常をいち早く察知する為に、原始の時代に身に着けた能力らしいが、いまや、料理の美味しいさ、花などの美しさを楽しむ為の必須な能力になっている。（嗅覚障害があると食べ物の味が分からなくなる――といったこともあるらしい）
ところがこの嗅覚も絶対音感と同じで鋭ければ良いというものでもないようだ。まあ、好みと言ってしまえばそうなのかもしれないが、タカさんの場合、洗濯の際に使う柔和剤の匂い、女性の化粧品、香水の匂い（香りというべきか）といった世の中では「良い香り」といわれている物でも、そのにおいが強いものが苦手で、物によっては頭が痛くなってしまう。それが為に付き合いの上で結構困ることも多い。
もっとも、酒が嫌いな人にとっては酒のにおいというのは頭の痛くなる匂いだそうだが、タカさんのような酒好きには理解できないように、強い香水のにおいがきらいなのは、必ずしもタカさんの嗅覚が鋭いからではなく、単にタカさんが女性を苦手にしているだけからかもしれないが――？
（8/20/19 10:00pm）
2019年8月20日
破れ鍋に欠け蓋
高速道路であおり運転をして停車させた後続車の男性を暴行した男が全国指名手配され大阪で逮捕された事件は、男の犯行の一部始終が後続車の車載カメラに記録されていたこともあって各局のニュースで度々流され、又、逮捕の際に抵抗する男の様子も待ち構えていた各局のテレビカメラがとらえていてこれも繰り返し流すなど、夏枯れ気味のテレビ番組が一気に活気づいている感じだ。
この事件、まあ誰が見ても分かり易い「許しがたい犯行」であり各局のコメンテーターも口をそろえて犯人を非難しているのは、昨年夏、同じあおり運転の挙句に停車させた車に乗っていた夫婦を死なせてしまうという極悪非道な犯行の記憶が生々しいだけに当然の反応といえるが、タカさんがこれらのニュースをみて気になったのは、昨年の事件もそうだったが今回の事件でもなぜこの男たちをこんな犯罪に駆り立ててしまったのだろうかという問題だ。男の置かれた環境だとか、生まれついての暴力性といったものもあるだろうし、高齢者が免許を持つことが悪業であるかのようにも思われがちで、高齢者に対する免許返納がいわれる昨今の世の中において、こういった乱暴な運転をしがちな男達が、安易に運転免許が与えられ傍若無人な運転を繰り返しながら、なお免許を与えられているという免許システムそのものにも何か問題はありそうだが―――。
タカさんが一番、気になったのは今回のあおり運転も昨年のあおり殺人の際も共に現場には女の同乗者がいたということだ。両事件ともに女は犯人の交際相手だったというし、今回の事件の女は逮捕状の出ている犯人をかくまって本人隠避の容疑で逮捕までされており、後続車の男性を犯人が殴る際にはガラ系の携帯でその様子を平然と撮影しているなど、明らかに暴行の教唆、共犯の疑いまである。
昨年の事件の女は女子大生だったらしいが犯行を止めるでもなく笑いながら見ていたというのだから、今年の事件の女と同じく逮捕して裁判にかけるべきだったのではないだろうか。
馬鹿で単純な男ほど女にいい所を見せようとするのか粗野な振舞をするというが、そんな粗野な行動をみて喜ぶ女がいるというのだから―――。
「破れ鍋に欠け蓋」とか「割れ鍋に綴じ蓋」などというように、世の中にはどうしようもない男には、なぜかどうしようもない女がくっ付いているものだという昔の人の嘲笑は、現代でも全く変わりがないようだ。
（8/19/19 10:00pm）
2019年8月19日
絶滅させてやる！
自然界における食物連鎖は実に巧みにできていることは良く知られている。実った稲を食い荒らすスズメを害鳥だとしてその大規模な駆除運動を全国的に指示した毛沢東による「打麻雀運動」（参照；「打麻雀運動」10/06/17）の結果、スズメは撲滅されたがそのスズメが捕食していたイナゴやウンカなどのイネの害虫が大発生、農業生産が大打撃を被った為、中国政府は慌ててソ連から大量のスズメを送ってもらった―――等という笑い話のような話もあるし、北海道でも明治期に家畜を襲うからと蝦夷オオカミを絶滅させた結果、オオカミが捕食していたエゾシカが大量繁殖してしまい、今や自然遺産の知床などでのエゾシカによる植生への食害被害によって守らなければいけない知床の自然林が荒廃しはじめているという話もある。
「自然との共生」という耳障りのいい掛け声も、人間が増えることによって実際は難しく、実は人間こそが最大の自然破壊者―――というのが、悲しいながら実態だともいえるのではないだろうか。
都心で生ごみを食い荒らすカラスを撃退しようという運動が行われた結果、実際都会のカラスはこの20年ほどで1/4位の個体数に減ったというが、カラスが減ったおかげでネズミが増えているというし、その他にもレイチェル・カーソンの「沈黙の春」以来、半世紀を経ても農薬の及ぼす自然界への影響を危惧する論議は尽きない。
昔の日本家屋では蚊取り線香やら、蚊帳といった方法しかなかった、夏の夜にブンブンと眠りを妨げる蚊も、最近はキンチョールやアースジェットといった殺虫剤を撒くことで、ほとんど気にならなくなってきたが、世界では今でも年間500万人もの死者を出しているマラリアや、日本脳炎やデング熱といった多くの感染症を媒介する虫としてその撲滅が研究されているのだとか。
しかし、一方、蚊は食物連鎖の底辺にいる虫として多くの昆虫の餌になっており、それらの昆虫が多くの鳥たちの食糧となっていることからすると、蚊を人類が撲滅させてしまったら、それこそ食物連鎖の底辺を破壊すことになってしまい、まさに「沈黙の春」が出現してしまいはしないかという問題もあるという。
蚊といっても世界には3500種類があり、その内、人類に有害な菌を媒介するのは200種余りにすぎず、まして人の血をすって病原菌を媒介してしまうのはメスだけだというので、不妊化したメスの蚊を大量に孵化させこれを散布すれば、その内にこの種の蚊が絶滅するのでは―――という方策の研究が進んでいるという。
確かに、不妊化したメスを大量に放ってその種を絶滅させてしまうという方法は、かつて沖縄でニガウリ（ゴーヤ）に卵を産み付けるミバエで成功した例はあるものの、昆虫の不妊化という方法の成功例は決して多くないし自然の摂理に手を加えることへの怖れは残る。
そもそも誕生したのが4億年前、それから様々な環境の変化にも適応し遂には1000万種とも言われる種類にまで進化繁栄してきた昆虫が、誕生からたった20万年に過ぎないホモサピエンスに、早々簡単に駆逐されるなんていうことがあるとも思えない。
ブンブンという蚊の羽音も、昔なら夏の一時の風物詩の一つとしてやり過ごしたりもしていたのだろうが、現代では「絶滅させてやる！」なんて考えるのだからそれだけ世の中殺伐としてきたということなのだろうか。
（8/18/19
10:00pm）
2019年8月9日
おじいちゃんの眉毛
イモトアヤコや平野ノラといったお笑い系の女性が太眉にしているのは分かるが、最近の女性メイクは随分と濃い眉毛を強調するものになっているように思う。
ショッピングモールの化粧品売り場にあるポスターの女性モデル達も今年の夏は太眉ではないものの、みな黒くはっきりとした眉毛を際だたせ目力を強調するメイクになっている。
何年か前には細眉が流行っていた時期もあったように記憶するが、女性の眉毛の太い、細い、濃い、薄いには結構時代的には極端な変遷があるようだ。
土偶などの女性の眉は極端な太眉だが、平安時代の女性は、細眉だ。細眉にするために毛抜きで抜いていたというから、お洒落も大変だったことだろう。時代が下がって浮世絵の美人なども、切れ長の目を強調するために眉毛も細くそっていたというように、日本では切れ長の目を際だたせる化粧法がどうも長い期間、主流だったようで、総じて細眉が多かったように思う。その頃は、現代の様に大きい目を強調するために太眉にしてツケまつげなどの女性は、きっと美人とは言われなかったのではないだろうか。そうそう、タカさんが高校時代からの大ファンであったオードリー・ヘップバーンは、長くて黒くきりりとした眉毛だったから、日本の女性には見られないように大きな目を強調するものだったところも、タカさんが惹かれたのではないかと思う。
タカさん自身は朝、顔を洗う時位しか自分の顔を鏡で見ないけれど、最近、なんだか村山元首相ほどではないまでも、随分と眉毛が長くなってきたような気がする。先日の「チコちゃんに叱られる」でおじいちゃんになると眉毛が長くなる理由は、「眉毛が抜けるのを忘れるから！」だと言っていたが―――あれ以来、タカさんの眉毛もそろそろボケ始めているのか―――と朝顔を洗うたびに、ちょっと自嘲している。
（8/08/19
10:00pm）
2019年8月8日
平均世帯人数
日本の人口統計をみていると総人口は減り始めているのだが、唯一、戦後一貫して増え続けている数字がある。総世帯数だ。辞書によると世帯というのは、「一つの家族として独立の生計を営んでいる人々の集まり」ということになっている。
総人口が減っているのに、世帯数が増えているということは、一世帯当たりの人数が減っているという事なのだが、その内訳をみると目立つのがいわゆる「単身世帯」の増加だ。
統計数字を見ると、タカさんの子供時代である1950年代には、日本の平均世帯人数は5.0人だったが2017年には2.47人にまで落ち込んでいる。
かつての一世帯が平均5人という時代のモデルとなると夫婦に子供3人といった家族構成だったが、勿論、5.0人というのはあくまでも平均であって、中にはサザエさん一家のような三世代同居で7人とか8人といった今ではまず見ないような家族構成も結構多かったように思う。
最近の平均2.47人というのは、若者の一人暮らしが増えているからというわけではなく、未婚の中高年男性の一人暮らしや、配偶者と死別した高齢者の一人暮らしが増えているからだという。
タカさんは3人兄弟で育ち、50年代の我が家は、両親と兄弟３人の家庭だった。平均世帯人数が4.0人だった70年代には妻と娘二人の4人家族だったし、今や妻と二人暮らしになっており平均所帯人数を少し下回る家族構成であることを考えると、常にまあまあ平均の家族構成の暮らしを70年程過ごしてきたことになるが―――。
日本の平均世帯人数がいつか2.0人を切るようになる時代がくるのだろうか？と思うといささか心落ち着かない。
（8/07/19 10:00pm）
2019年8月7日
偶像崇拝
エジプトにいる時に秘書の女性のお父さんが亡くなった。事務所の日本人スタッフにも人気のある気立ての良い女性だったこともあって皆で彼女を慰める意味でも、是非お葬式に参列しようと相談したのだが、エジプト人の同僚に相談すると、それは難しいだろうと言われた。
イスラムである彼女の親族のお葬式となるとイスラム教徒以外の者、しかも近しい親族でもない者が参列することは出来ないという。なるほどイスラムの風習はそうなっているのかと理解して参列は断念したが、せめてお香典のようなものだとか、供花ぐらいは皆で贈ってはどうかと思ったが―――、エジプトでは葬式での香典やら供花の風習もないと聞いて驚いた。エジプト赴任中に日本の親類や知人が亡くなったという訃報が届けば、取り敢えず留守宅に連絡して香典や供花を手配するとかエジプトから弔電を打つ、と言ったことをやるし、場合によっては留守宅の妻に代理での葬儀参列を頼んだりもしたものだったが―――イスラムとの風習の違いにはあらためておどろかされたものだ。
聞くところによると日本でも某宗教団体の会員の中には他宗派の葬式には出ないという所もあるやに聞くが、一般的には宗派の違いや、宗教の違いには宗家も参列者もこだわらないのだが―――（実際、タカさんも神式やカソリック、あるいはプロテスタント等の他宗教に参列したことはあるし、仏式の場合、一体そこに来ている坊さんが何宗か、など聞いたことがないというのが普通だ）
そうそう、エジプトのイスラムでは土葬が基本だとか、人は生まれて来た時は裸だから死んでからも裸という訳で土葬の際には裸で埋められ、これと言った墓標もないのだと、これもエジプト人の同僚に聞いた話だが―――。
イスラムといえば偶像崇拝を禁じているからモスクにはアラーやモハメッドの像などは一切ないばかりではなく人や動物の絵さえなく、アラベスク模様やアラビア文字飾り文字や、メッカの方角を表すミフラーブという壁龕があるだけだから荘厳ではあるものの結構シンプルだ。
それに比べると同じ偶像崇拝禁止のはずのキリスト教では、十字架のキリスト像やらマリア像、聖人像などが所せましと飾ってある。「あれは、どう見ても偶像ではありませんか」と聞いたことがあったが、「偶像ではありません！」と顔を真っ赤にして神父さんに叱られたが―――その迫力に負けてなぜ偶像ではないか、という理由までは聞きそびれてしまったが―――。
タカさんにはどうも、やっぱり日本流のナアナアの宗教観の方がなじむようだ。
（8/06/19 10:00pm）
2019年8月6日
群集心理
香港で中国政府による様々な締め付けに対する反発から大がかりなデモが連日起こっているが、その一部が暴徒化して省庁の破壊行為に及び、今度はその破壊行為を口実にした当局によるデモに対する大規模な取り締まりが行われるなど、結果的には中国政府当局に却って民主化抑圧の口実を与えるような成り行きになっていることには、香港の人々の自由への希求を応援したいタカさんとしては、憂慮を禁じえない。
理路整然と中国政府の締め付けに対する抗議をしていたはずの運動が、規模が大きくなるにつれてその一部が暴走に走り、結局、最初に掲げた理想も形無しになってしまい却って弾圧を招いてしまう――というのは良くみられることだが、原因は人間の本性が群集になると理性的とも思えないような行動に走ってしまう―――といういわゆる祭の時の異常な興奮状態に通じるものがあるからではないかと思う。
日本中には数多くの祭があるが、祭の原型は「祀り」だともいうからもともとは厳かなものだったと思うが、いまでも厳かな祭りは多いものの、賑やかな祭り、だんじりの様に荒っぽい祭りの方が多いように思う。
世界各国にも祭は多いが、クリスマスなどの様に静かで厳かな物もあるが、スペインのトマト祭りやリオのカーニバルのように、いやに賑やかで、荒っぽい物の方が多いように思うが、人間というものは世界共通に「祭」に名を借りて荒っぽさを発揮したがるものなのではないかとも思う。
小学校入学前に宮崎県の青島に住んでいたことがあったが、そこでは毎年「御神幸祭」という祭が行なわれており、この祭りでは男たちが神輿をかついで海に入り、神輿をひっくり返すは、神輿同士をぶつけ合わせるなどという随分荒っぽいことが行なわれており、幼かったタカさんはあれ以来、「祭は怖いもの」というトラウマが抜けないでこの歳になってしまっている。
諏訪大社の御柱蔡とかだんじりなどでは時にはけが人や死人がでることもあるというから「安全第一」の今のご時世から考えると、なぜ今でも続いているのかちょっと不思議に思わないではないが―――。
原始の時代から人間というものは基本、群衆になるといわゆる群集心理からか、日頃は思いもよらないような無謀なことをおこなってしまうところがあり、それがどう考えても危険と思われるようなことをやってしまうところがあり、それが乱暴な祭やら、デモ隊の暴走といったものに繋がっているのかなぁ〜と思も思う。
しかし、いまもっともベターな政治体制と言われる民主主義は、基本は大衆といわれる人々のまとまった意思によって執り行われる政治だといわれる。ということは群れると非理性的になり乱暴なものになるという本性を持った人間が行う民主政治というものそのものが、どうしても非理性的で暴力的な結果、例えば暴動や戦争といった行為に走りがちな宿命を背負っている―――ともいえるのではないだろうか。
（8/05/19 10:00pm）
2019年8月2日
勝負は早い方が
10歳の仲邑菫さんが囲碁界でプロデビューを果たし、将棋界ではわずか14歳でプロ入りした藤井聡太君が2年経たずして七段になっているなど、棋界のニュースに事欠かないこの頃だが、ある調査によると、日本人の約5割は将棋のルールを知らないし、囲碁にいたっては8割がルールを知らないとも聞くからマスコミがいうほどには碁将棋は話題になっていないのかもしれないが―――タカさんの幼い頃の体感でいえば、男性に限っていえば碁将棋ともにかなりの割合でルール位は知っている人が多く、昔は昼休みなどに対局している人も、ある程度はいたような気もするが―――。
タカさんは、碁将棋ともにルールもしらないし話題には、ついていけないが、勝負事そのものは嫌いな訳ではなく、むしろ好きな方なのに―――なぜなのだろうかと考えてみたが―――我ながら不思議でもある。
一つには碁将棋は一勝負にかかる時間が長いということがあると思う。愛好家には、あれこれ手を考える時間が楽しいのだ！と叱られそうだが、タカさんはせっかちが過ぎる所為か「勝負は早い方がいい」という方だ。
カジノでもルーレットのレッドorブラック賭けやオッズorイーブン賭けのような単純な賭け方の方があれこれ考えないでいいし勝負が早い方いい。
競馬でも勝負の早い短距離レースの方が、長距離や障害レースよりも好きだ。ダービー、オークスといった一連の春のクラシックレースが終わると東日本では、福島や新潟、それに函館、札幌でのいわゆる夏競馬が始まる。若い頃は夏競馬の馬券を買いに後楽園や浅草の場外馬券売り場にいったりもしたのは、まだ元気に溢れていたからだが、もう10年以上前からは夏競馬は基本的にお休みにしている。それでも、新潟開催で行われるアイビスサマーダッシュレースだけは特別で、これだけは毎年買う事にしており、先週末のこのレースも久しぶりに手をだしたが―――。
このレースの特徴は何と言っても「日本一短いレース」という点と「コーナーがない直線1000メートルのレース」という点だ。なんせ、コーナーが一つもないから、内枠、外枠の有利不利がなく（本当は微妙にあるらしいが）、毎年わずか55秒程度のあっという間に決着がつくから、せっかちな競馬ファンにとっては、レース本来の「強くて、早い者が勝つ！」というコンセプトが凝縮されていて単純明快なだけに結構人気レースになっているようだ。
そういえば、カリフォルニアにいた時、ロスの郊外にあるロスアラミトスという競馬場に時々行ったけれど、ここではクォータホースレースというわずかクォーターマイル（400メートル）という超単距離の直線コースでのレースが行われており、勝負の決着はわずか30秒程、しかも遅い時間になるにつれ距離はどんどん短くなり確か、一番短いレースだと1/8マイル（約200メートル）なんていう超単距離レースがありこれなんかだとスタートしたかと思うともう終わっているから、さすがに競馬の醍醐味というのは殆どないといってもよい。
「勝負は早い方が」とはいうものの何事にも限度があるということだろうか。
（8/01/19
10:00pm）
2019年8月1日
当らない予測
競馬の予想や長期天気予報のように「予測」「予想」の類は、「当たらない」ことで知られるが、その中では将来人口予測はかなり確度の高い予測だと信じられている。
例えば現在10代の日本の男女別人口を調べれば20年後の30代の男女別人口は、よほどの天変地異でも起きない限りかなりの精度で予測が可能である。
しかし、これがもっと長期、例えば50年後、100年後の予測となると競馬の予想同様に「当たらない予測」になってしまうからおかしなものだ。
例えば、今から約50年前の1973年に世界人口会議に先駆けて当時の日本政府が開催した第1回日本人口会議では、日本での人口爆発のおそれから「子どもは2人まで」という大会宣言を採択し人口抑制を呼びかけている。
実際、当時の将来人口予測では、2015年には「１億3103万人から１億4647万人の間」とされていたが、実際は2015年の日本の総人口は１億2520万人であり予想最低値よりも更に5％近く上限値からだと何と15％も下回っている。これだと「予測」というには余りにお粗末、天気予報で快晴と予報したら朝から雨だった――というのに等しい「大ハズレ」といわれてもしかたがなかろう。
先日発表された日本の昨年度の日本の総人口は前年比マイナス0.25％となっており現時点での予測だと40年後の2060年には8630万人になるという。
確かに数学的に計算すればもし年率1％ずつ人口が減り続ければ総人口は69年で半減することになるというから今のペースで行くと日本の総人口が40年後に8630万人という話はそれらしくも思えるが――――。
現在、世界人口の増加率は年率1.18％であるという。これも数学的に言うと年率1％の人口増加率でも約70年後には人口は倍増することになるというから世界人口は70年後といわず今から40年後には100億に達していることになり、日本人の世界人口に占める割合は、1％を割っていることになるが――――。
まあ、これも人口予測という「当たらない予想」の一つなのかもしれないし―――。
（7/31/19 10:00pm）
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