金曜日シリーズ全目次 ←ここをクリック
「日々草々」全バックナンバーリンク表 ←ここをクリック
2019年下期の各月バックナンバー： 7月 8月 ９月 10月 11月 12月
フロント頁：”日々早々”のバックナンバー
2019年9月
＜＜9月タイトル＞
09/30 体制保証 09/27 アルバイト 09/25 良い子の基準 09/20 国境の海 09/19 令和おじさん 09/18 時の流れ
09/13 民主主義ってなに? 09/10 ケーキ屋さん 09/09 どこかあやしい 09/06 コシャリ 09/05 クワバラ、クワバラ 09/04
ボイコット 09/03 控除率 09/02 アメリカ銃社会
2019年9月30日
体制保証
韓国の文在寅大統領は先週、国連総会において演説し、「国際社会は、北朝鮮が求める「体制の安全保証」をするべきだ」と述べた。
「北朝鮮の体制」とは、すなわち金一族3代に亘る独裁恐怖政治体制のことであり、この独裁体制下においては数々の人権蹂躙が行なわれていることは良く知られており、今現在も北朝鮮全土にある政治犯収容所には約12万人ともいわれる政治犯とその家族が収監されており、強制労働、処刑、拷問、性的暴行、乳幼児殺害が行なわれていることが、国連人権委員会などにより報告されており、又生々しい脱北者の証言などによっても明らかになっている。
又、横田めぐみさんをはじめとする多くの日本人が、北朝鮮により拉致され、未だもって多くのとらえられ続けていることを我々日本人は決して忘れてはならない。
度重なる北朝鮮のこういった許しがたい人権状況を解消するためには、その元凶である北朝鮮の「体制」そのものが変更されなければ無理であることは明らかである。
核開発を脅しの材料として使い、北朝鮮が国際社会に要求しているのは、金一族とその取り巻きによる人権蹂躙、恐怖政治体制を「保証せよ」ということであり、それはすなわち、今現在も北朝鮮国内で続く強制収容や、国民の過半数にも及ぶ飢餓状態と、日本人拉致状況に目をつぶれ！金正恩をはじめとする独裁者とその取り巻き達の暴虐に対して免罪符を与えよ！といっているに等しい。
こんな理不尽な要求を、金正恩自身やその取り巻きがするのはまだ理解できるが(余程命が惜しいのだろう)、今まで米国や我々日本と同盟を組み、その恩恵にもあずかってきた韓国の大統領が、金正恩の代弁者となって国連の場で行うとは―――はっきり言って彼は、虐殺者、そして拉致実行犯と同罪、あるいはそれ上回る卑劣漢というべきだろう。
（9/29/19 10:00pm）
2019年9月27日
アルバイト
もう50年以上前になるが、学生時代に2週間ほど山に行く為の資金稼ぎに手っ取り早く金になるからというので、全国規模の運送会社（この会社は今もある）の集配センターで深夜の荷捌き作業というのに行ったことがある。
確か、夜中の10時位から朝の6時位までの作業で、途中何度か休憩時間はあるものの何しろ次々に到着する長距離トラックから荷下ろしをして、それらの荷物をベルトコンベヤーにひたすら乗せていく―――という作業だった。一晩働くと、当時の家庭教師のバイト代、一ヶ月分くらいの実入りになる―――というので欲に目がくらんで行ったのだが、これがとんでもなく、きつい作業で、何時間かやっているとフラフラになり途中で倒れるかと思う程だったが、何しろ次々にトラックは入ってくるし、ベルトコンベヤーはギュンギュン荷物を飲み込んでいくし―――という訳でサボったりする訳にもいかない――次の短い休憩まであと5分、あと3分、後2分、とひたすら休憩時間を渇望し、休憩の声がかかる度に倒れ込むようにその場にへたり込んだものだった。
どうにか、朝6時となり作業から解放されたとき、食堂には朝食と大鍋の味噌汁が用意されていたが、とてもそんな物を食べる元気さえなくなっており、家までどうにか辿り着いたもののその日は倒れ込むように寝床に入り込み翌朝までひたすら寝た記憶がある。このバイトを何日かやる予定だったが、一回で懲りてギブアップした思い出がある。
そのバイトの経験から、「働く」というのがいかにきついものかということを身に染みて感じたことは、以後、労働に対する真摯な気持ちを持てるようになり、若い内に、貴重な勉強をさせて貰った―――と思ったものだった。
週一回ほど妻と近所の大型スーパーに買い物に行くのだが、その店にはレジだけで20程あるのだが、いつも長蛇の列だ。レジ打ちは全員が女性で、若い人もいないではないが、大半は中年のおばさん風で、いかにも「主婦パート」っぽい。ところが、このレジおばさん達、皆実に手際が良く、春先に多い「実習生」腕章をつけた若い子たちの能力をはるかに凌駕している。彼女等の仕事振りをみていると、商品を次から次にかごから取り出し、レジを打ち、清算済のかごに入れる―――という単純作業だが息つく暇もない作業だ。客は次々と並び、ノロノロなどしていたらそれこそ舌打ちでもされそうだ―――しかもこの仕事、ずっと立ちっぱなしだ。（ロンドンのスーパーではレジ打ちは全員椅子に座っていたというのに）日本のスーパーのレジは余りにも過酷だ―――。
スーパーのレジ打ちバイトの時間給がどれほどのものかは知らないけれど、今のタカさんには例え一時間といえども出来ない過酷な労働だ。それを中年のおばさん（？）たちが黙々とこなしている――かつて一回でギブアップした深夜の荷下ろしバイトを思い出しおばさん達に思わず頭が下がった。
すべからく労働というものは、多かれ少なかれ大変なものだが、よほどの幸運にでも恵まれない限りは人は働かなければ食べて行けないという現実がある―――。
いや〜あ、労働の過酷さ、大変さをあらためて感じさせられ、おばさん達に頭が下がる思いだった。
（9/26/19
10:00pm）
2019年9月25日
良い子の基準
小学校で先生が「この問題が分かる人」と問えば「ハイ！」と手を挙げて積極的に答える子は「優秀な良い子」と評価され授業参観でもあればその子の親は鼻が高いしホッとするが、毎回の質問に手も挙げない子はダメな子、との印象を持たれてしまい親もちょっと肩身が狭かろう。
ただ、手を挙げないからと言ってその子が出来ない、ダメな子という訳でもない場合だって多い。元々、引っ込み思案で、あるいはシャイで手を挙げて答えるという行為をためらっているだけなのかもしれない。
アメリカの小学校だとこういう日本でいう「おとなしい子」は概して「知恵遅れなのではないか？」と思われてしまいがちだ。分かってもいない問題でも、「ハイ、ハイ」と手を挙げて万一先生にあてられたら「えーと、わかりません」なんて答える子は、日本では「お調子者、多動児」なんて言われてしまうかもしれないが、アメリカでは場合によっては「活発で積極的な子」等と評価される場合もある。「おとなしい良い子」と「活発な良い子」は必ずしも一致しないのだ。
「食べ物の好き嫌い」にしても「好き嫌いを言わず何でも食べる」子がいい子だといわれるが、これだって生理的な好き嫌いというものはどうしてもあるだろうから余り極端であるのはとも、かくある程度の範囲で好き嫌いがあるのは考え方によってはその人の「個性」であり、許容されてしかるべきだとも思う。（ただ、好きな人もいるし、作った人の事を考えれば、「あれが嫌い、これが嫌い」と広言して回るのは、礼儀に背くから、嫌いな物にはなるべく近づかないようにするのが常識というものだ）
なるべく皆に「同調する」ことは社会生活の上で大切だが、自分の「個性」というものを大切にし時には自分の意見を頑なに主張しないまでも、頑固に守ることも、又大切だ。
そう、世の中、相反する事柄があっても自分のアイデンティーに従って一方を守ることも必要だ。世の中「おとなしい子ばかり」になっても「活発な子ばかり」になっても何だか恐ろしいし、「頑固者の偏屈だらけ」になっても「何事も同調する者だらけ」になっても恐ろしい。
ネットが発達して多くの人間が自分の意見を発信し、また他人の意見をマスレベルで知るようになった昨今、逆に、やたらと同調圧力が強くなり、一方の意見に同調しない者に対するバッシングが酷くなっていて、「好き嫌い」だとか「個性」といったものが許されない世の中になっているような気がしてならない。
世の中は、こういった例は実に多い。例えば、多数決原理を最も基本とする「民主主義」と、個人の自由意志を尊重する「自由主義」があるが、この二つの近代社会を動かす主張は、往々にして対立するし、それ故にそれぞれの主義、主張を掲げてあるいは曲解して、他の主張を叩くようなことが行なわれていないだろうか？
一方の意見だけが正義の如くに言われ、声なき声は沈黙せざるを得ないような状況―――例を挙げればキリがないが―――なんだか怖くなって来る。
（9/24/19
10:00pm）
2019年9月20日
国境の海
東シナ海における中国漁船団に対する韓国海警の機関銃掃射が報じられることがあったし、先日は北朝鮮漁船団に対するロシア国境警備隊の機銃発射と北朝鮮船員170人の拿捕、という事件が報じられている。
広いようでも、海における漁獲が豊富な水域は限られており，領海とか排他的経済水域も混み入っているとなれば、中国や北朝鮮などの漁船による領海侵犯、密漁も頻繁に行われており守る側の国の警備もまた熾烈なものにならざるを得ない。
一方的にロシアが北朝鮮船を取り締まっている―――という訳でもなく、先月にはロシア漁船が北朝鮮に拿捕されており、北朝鮮の制裁品の瀬取りの片棒を担いでいるのが韓国船や中国船であるという例もあり、それを取り締まろうとする米国や日本の船に対する抵抗が、例えば先日の韓国海軍の日本の哨戒機に向けてのレーダー照射事件のような形で頻繁に起こっているのは事実だ。
ただこれらの事件の報道でつくづく感じるのは、こんな一触即発の武力事件が起こっている中で日本は大丈夫なのか？ということだ。
北朝鮮漁船が取り締まりのロシア沿岸警備隊に対して銃を発射してきたのでロシア側に負傷者が出たことも報じられている。過去には北朝鮮の武装不審船が海自に対して銃撃してきた挙句、自爆したという事件もあったし、日本の排他的経済水域で密漁をする北朝鮮漁船軍団が海上保安庁の巡視船に向けて発砲してきたと事例もあるというのに、巡視船には、それに対する対抗措置としては放水位しかないというのだから―――日本の領海を守るという使命を帯び奮闘している海上保安庁の乗組員の生命が本当に心配になる。
憲法に書かれている武装放棄の原則は、「平和を愛する諸国民の公正と信義.を信頼して―――」となっているが、今やそんなノー天気なことなど行っていられない現実が日本海や東シナ海のみならず世界各地で起こっているというのに、いまだにそんな憲法の理想論（敢えていえばざれ言）に引きずられ、もしも隊員たちの命が失われるようになっても、「憲法改正反対」「憲法を守れ」と言い続けられるものだろうか。もし、そうだというならば、彼等こそ国境の海で密漁船に身を挺して欲しいものだと思う。
（9/19/19
10:00pm）
2019年9月19日
令和おじさん
第4次安倍再改造内閣が発足したが第一次から通算で言えば今年11月には戦前の桂太郎内閣の最長記録を抜くという最長記録となるそうだが、対抗馬の少なさから早くも二階幹事長などは自民党総裁としての「安倍４選があってもいい」と言った発言をしており（自身の幹事長続投を意識してのリップサービスだったにせよ）、後継者が未だ現れたとは言い難い現状から考えれば確かにその可能性もゼロではないと言えるのかもしれない。
反安倍を社是にしている（？）朝日などはお決まりのように「お友だち重視」とか橋本五輪相の過去の失言を掘り出すなどして批判しているが、内閣発足直後の日経の世論調査では、内閣改造を「評価する」が45％、「評価しない」が30％だし、改造後の内閣支持率が59％、不支持率が33％というからまあ概ね結果良し、というところだろう。
この記録的長命の安倍内閣の中で首相に次いでの大臣歴任記録を持つのが、今回も続投が決まった菅義偉官房長官だ。
今上映中の映画、三谷幸喜監督の「記憶にございません」でも喜劇的にえがかれていたが、官房長官という職務は、内閣の中でも最重要ポストといってもよいようだ。
歴代でも後藤田正晴、宮澤喜一といった官房長官は時には陰の総理大臣ともいえるような権限を持ち、政権運営の命運を左右するような場合すらあり、平成以降では歴代の官房長官の中から３人もの内閣総理大臣が出ている。（小渕、安倍、福田康夫）
その仕事は多岐にわたるが、中でも首相の最側近として首相の考える政策をスムースに実現するための根回しがあるが、無能といわれる大臣が多い中で彼等の顔を立てつつ諸方面との調整を行い、言う事をきかない役人を人事権やポストをエサに従わせ、できるだけ自分を目立たない立場において首相を立てる―――というのだから中々できる仕事ではない。
そういう意味では菅氏は今までのところ無難にというより、かなりてきぱきと職務をこなしてきただけに、その職務を継ぎたいと手をあげるような適任者がいなかったというのも彼が続投となった理由ではないかとも思う。
菅氏は現在無派閥ながら彼同様に派閥に属さない若手を中心とした50人程を束ねて「菅グループ」とも呼ばれるグループの中心にあるという。次期首相候補有力者を持たない派閥もあり、こういう所からは「勝馬に乗ろう」とする連中が将来合流してくる可能性だってあるから、安倍首相の4選が本当にないということにでもなれば、ひょっとして次の首相候補のトップに躍り出てくる可能性だって考えられなくもない。
「平成おじさん」の小渕官房長官が後に首相になったように、「令和おじさん」だって首相就任はあるかもしれない。
（9/18/19 10:00pm）
2019年9月18日
時の流れ
新元号令和になってからはやくも5カ月が経っていて平成を語ることが何だか懐古調になってきている位だからましてや昭和となると随分、昔という感じもしてくる。
先日、「昭和の香りの漂う〜」とぐるなびに書いてあった町中華に行ったのだが、なるほど「昭和の香り」云々といわれるのも相応しいように変な言い方をすればおしゃれ感の全くない（！）町中華で中々気楽な感じの店だったが、なるほど「昭和の香り漂う〜」感がふんぷんとしているなぁ〜と思ったのは、流れているバックグラウンドミュージックがキャンディーズや、フィンガーファイブ、中森明菜、といった70年代、80年代に流行った曲ばかりだったことが一番だった。キャンディーズの曲となれば、たしかに昭和であり、平成生まれの世代には全くなじみのないものであり、タカさんにとっての「憧れのハワイ航路」（岡晴夫）のような物だろう。
NHKのBSなどで時々やっている演歌の懐かしのメロディーだとそれこそ昭和と言ってもちょっと時代が古くなりがちだが、キャンディーズやピンクレディーとなると昭和とはいうけれど、昭和も50年代、タカさんが既に大学を卒業し就職していた時代だし、（その頃生まれた人だって既に40代後半になっているはずだ）タカさんにとっては「懐かしい」か、といわれるとちょっと違うような気がしないではないが―――確かにそのころ10代、20代だった人達、すなわち今50代から60代前半位の昭和生まれにとっては「懐かしの昭和メロディー」になるのだろう――――と思った次第。
そういえば、「歳の差婚」の夫婦が困った事というリストに「懐かしのメロディーが全然違っている〜」なんていう項目があったなぁ〜と思いだした。好きな女優、好きな男優なんていうのも歳が10歳以上違うと全然違ってくるとも聞く。
そうそう、先日ZOZOマリーンでいつも会っているマリーンズファン仲間と古い野球の話をしていたら、やっぱり話が合うのは同年代の連中だった。松坂世代とON世代とでは40年違う。その松坂世代が今や次々と引退して現役はわずか、今や大谷翔平に憧れる少年は多くても松坂なんて知らないという少年達が多いと思う。 テキサスの哲とも言われていた引退間際の川上哲治の現役試合を見たことがある、というタカさんがいかに長老になってきているか―つくづく時の流れを感じる。
（9/17/19 10:00pm）
2019年9月13日
民主主義ってなに？
民主主義の対義語は何か？と問われるとそもそも民主主義とは何かという定義が、はっきりしないだけにその答えは様々になってしまう。
「絶対君主制」等と答えるともっともらしいが、今や中世ではないのだから絶対君主制など存在しない（まあ、北朝鮮などがそれに近いかもしれないが―――あの国だって一応正式国名は「朝鮮民主主義共和国」だ）のだからどうも現実味のある対義語とはいえない。
ロシアや中国の政治を見ていると、権威主義的なところが目立ち、反対派に対する弾圧やら抑圧のやり方をみれば、それこそナチスなみの全体主義的なところばかりで、これこそが民主主義の反意語！かな～と思わないではないが、ロシアや中国だって、他国を批判する際には自分達の方がよほど民衆のことを考えており、まさに民主主義だと言っているではないか。
そうそう、「民主主義の敵」だったと言われるナチスだって、当時世界でもっとも民主的といわれたワイマール憲法下のワイマール体制の中から、民衆の熱狂によって生まれた、という生い立ちを考えれば、果たしてナチスは民主主義の反意語というよりは、民主主義が育てた子供ともいえるのではないだろうか。
共産主義や社会主義が民主主義の反意語だといわれることもあるが、どうだろうか？日本共産党だって「自分達は民主主義政党である、民主主義を守るために戦っている」と宣言している位だから、今現在、さし当ってその為に戦っている相手というのが、「安倍政権」だと言っているのだから、共産党の論理でいけば現在の政権は、「民主主義の敵」ということになってしまうのだろうが―――一応、民主主義的な選挙で2/3近い議席をえていることを考えると――どうも分かり難い。（そうそう、共産党の志位委員長は、れいわ新選組の山本代表と「野党連合政権」をめぐって国会内で会談すると発表したが―――益々、訳が分からなくなってきた）
（9/12/19 10:00pm）
2019年9月10日
ケーキ屋さん
小学校低学年の女の子の「将来なりたい職業」第一位はこの20年連続で「パン屋さん、ケーキ屋さん」だというから高校生女子の第一位が「公務員」という超現実的な希望になるのに比べて幼い女の子らしい夢が溢れていて何だか嬉しくなるような話だ。
しかし、男の子たちの夢である「スポーツ選手」に比べて女の子の夢である「ケーキ屋さん」は、意外と現実的な面があると言われた。
実際20年も前には、独立を志向する人達にとっては、パン屋さんはともかくケーキ屋さんというチョイスは、意外と現実的な面があるといわれたものだ。
それはパンとかケーキという商品は、日本でいうならばうどんやそば、お好み焼き、等の「粉もん」の一種であり、粉もんは商品代に占める原価率が低いことでよく知られた商品だ。もちろん、いくら原価率が低くいといっても商品販売単価が低く、客一人当たりの売上額が低いとか、あるいは廃棄ロス率が高い、といった条件があると必ずしも利益率は上がらず「儲からない」ということになってしまうが、パンなどと違ってケーキは一個当たりの価格も比較的高く（モンブランやいちごのショートケーキなどは一個400円、500円はする）一人の客が買うケーキの個数は箱に入るぐらい――少なくとも4個ぐらいはあるから客一人当たりの売上額は高くなる。
ケーキの場合、うどん、そば、ラーメンなどと違って店で食べる客は少なく、大半は「お持ち帰り」だから広い店を構え店内で接客することも少なく、ショーケースの前で客に品物を選ばせて渡すだけだから雇う店員の数も少なくて済む―――等々「客単価が高く、売上利益率が高い」商売だと言える。
自分の店でケーキを作るとなると設備費も人件費もいるが、大手ケーキ屋と契約して毎日ケーキを配達してもらういわゆる「ケーキ販売店」になれば、利益率は個人店よりは低いかもしれないが、オーブンなどの設備費はいらないし人件費も少なくて済むから、昔は独身OLがリタイアして親許で開業するのに向いている職業などといわれたこともあった。
ところが最近、「街のケーキ屋さん」の倒産が増えているのだとか。スイーツ全体の需要は増えているのに不思議な話だとおもったが、原因は最近コンビニスイーツが人気で一個、二個といった個人客が増え、「お父さんが駅前のケーキ屋さんでお土産にケーキを買って帰る」などというタカさんが現役の頃のような客が減ってしまったことにあるという。
そういえば、タカさんも子供が小さい頃にはたまには駅前でケーキを土産に買って帰ったり、両親のお見舞いに行く際には同じく実家近くの駅前で土産にケーキを買って持って行ったものだが―――。娘も独立し、両親も亡くなって、夫婦二人の生活になってからは、もっぱらコンビニスイーツしか買っていないなぁ〜とも思う。
やっぱり「ケーキ屋」さんは、いつまでも小さな女の子たちの「夢」であり続けるべきで、余り現実的な商売の話にはしない方が良さそうだ。
（9/09/19
10:00pm）
2019年9月9日
どこかあやしい
先月、長﨑県警が指定暴力団山口組系組長の男や組員ら６人を密漁の疑いで逮捕したというニュースがあったが、この組長、密漁したオオモンハタやスジアラなどの高級魚を長崎駅前で親戚が営む飲食店に卸し、この飲食店は、それらの高級魚を使って観どこかあやしいワンコイン（500円）という周辺の相場の半額程の安さの海鮮丼などとして提供し観光客などに人気で年間3000万円もの売上をあげていたという。
漁協にも属さず、したがって資源保護の費用なども払わず組員を安い賃金で使って密漁していたというのだから、確かに他店の半額近くで海鮮丼を提供しても十分もうけがあったのだろうが、まあよくも何年間も密漁がバレなかったものだと変に感心してしまった。
そういえば、昔、実家の近所に時々来る小型トラックの引き売りの八百屋の品物が安い！と評判だったそうだが、不思議なことにその八百屋、何故か毎回、一品か二品しか売っていなかったという。後日、その八百屋、夜、青物市場に忍び込み、翌朝のセリに備えて積んである野菜をごっそり盗んで売っていたことが露見し逮捕されたそうだが、なるほど、急いで盗むのだから品数を揃える訳にもいかず一品か二品、手近に積んであった品物をほんの数分の内にごっそり積み込んで逃げていたのだという。
新聞記事でこのドロボー八百屋の話を知った主婦たちは、何だか、ドロボー八百屋の共犯者になったような罪悪感から、暫くは引き売りからも物を買う気にはなれなかったとか。
そうそう、そういえば最近も駅前で、随分安い桃などの果物を売っているのを見かけるが、一説によるとあれも市場で売れ残った品物を拾ってきたり、タダ同然で仕入れたり、あるいは中には夜中に農協の倉庫などから盗んだものをやくざが売っているのだ―――という話もある。（しかも、売り子には、街で声掛けした学生などにバイトを持ち掛け、いわゆるブラックバイトとしてこき使い、中には約束したバイト代を踏み倒して逃げる―――なんていう手口もあるのだという―――）
昔は、「安かろう、悪かろう」と言って安い物は粗悪品だ、といわれたものだが、最近では「安くて良い物」が溢れるようになって現代人は、かつての「安かろう、悪かろう」を知らない世代も増えているが―――やはり、心の隅には安すぎるものは、どこかあやしいのではという疑いを抱く必要があるのかもしれない。
（9/08/19 10:00pm）
2019年9月6日
コシャリ
その国の人々が、世代や地域、性別などに関係なく好んで食べる料理のことを国民食などと呼ぶらしいが、最近の日本人が国民食として上位に上げるのはラーメン、カレーといったものになっているとか。（昔は日本といえば寿司、天ぷら等があげられていたが、この頃はそうでもないらしい）
そういう意味ではアメリカならばステーキではなく、やはりホットドッグとハンバーガーだろうか。日本人ならば歳をとってくると段々肉系のものを避けたがるが、アメリカ人は歳をとっても、ホットドッグやハンバーガーを好んでよく食べるようだ。
以前、親しくしていたアメリカの取引先の若い副社長が日本に5日程、出張してきていたのでほぼ毎日彼に付き合って色々な有名店に連れていったことがあったが、何日目かに何が食べたいか、と尋ねたら「マックがいい」と言ったのにはちょっと驚いた。
彼いわく、「タカさんが連れて行ってくれる日本のレストランはどこも最高に美味しいので満足しているのだが―――本当のところ、そろそろ、マックが懐かしくなって来た」というのだ。
なるほど、我々日本人も海外滞在が長引くと無性に、例えば「おにぎり」のようなシンプルなものが食べたくなるなぁ〜と思ったものだ。
そうそう、エジプトに駐在していた当時、街で「コシャリ」という米やパスタ、豆、タマネギなどとトマトソースでごちゃ混ぜにして煮た料理（見栄えは決してよくないが）を売っていて時々買ってたべていたが、エジプトを離れてからついぞお目にかかったことがないのだが、最近、どういうわけかこのエジプトの国民食といわれるコシャリを、ふっと懐かしく思い出し、なんだか無性に、食べたくなったりすることがあるが―――どういう訳だろう―――。
（9/06/19
10:00pm）
2019年9月5日
クワバラ、クワバラ
憲法21条で表現の自由は保障されているが、無制限に認められているわけではなく同じく憲法13条の「公共の福祉」との関係で制約があるというのが通説で実際、名誉棄損、性表現、差別表現等がそれに当るとされているが、例えば名誉棄損であるかどうかとか、これは制限を受けるべき性表現なのか、あるいは芸術的価値として許容されるべき表現なのかといった公共の福祉のためのいわゆる「公序良俗」の範囲については常に論議が起きるところであり、実際のところは、個別に（ケース毎に）司法の判断を仰ぐしかない場合も多い。（古いところでは三島由紀夫の「宴のあと」裁判、伊藤整訳の「チャタレー夫人の恋人」裁判等があるが、その基準は時代とともに変わってきている）
ヘイトスピーチ対策法が２年程前に成立したが、なにを持ってヘイトと判断するのかの規定が性表現などと同様にあいまいであり、表現の自由との境目をどうつけるかが、法案成立当時から問題視されていたし、今もその論議は続いている。
法案審議当時、明らかにこれはヘイトだと言われていたのは部落差別や半島出身者などに対する差別で、特に当時「在徳会」などによる常軌を逸した嫌がらせや迷惑行為もあったことで、その辺の議論があまり深堀されぬままに成立した経緯があるが、ここに来てやはりそのツケが回ってきているようだ。
先週、週刊ポストが「韓国なんていらない」という特集を組んだところ、執筆者の一部が「ヘイトだ！」と以後の執筆を拒否すると宣言、おろおろした出版社が謝罪するという事件があったが、この一連の騒動に対して、ある評論では、「日本世論の韓国に対する批判はヘイト、しかし日本に対する批判、あるいは悪口雑言は、表現の自由、という二重基準がまかり通っている」と怒っていたが、なるほど確かにそういう片手落ちの基準がまかり通る（一部の話とはいえ）ようになってしまったのも、ヘイトスピーチ規制法審議当時にヘイトと表現の自由の境界の論議を尽くさなかった所為ではないかとも思う。
日韓両国政府のやりとりにしても日本が「日韓基本条約で合意した約束を守って欲しい」といえばヘイト、韓国が、二国間の国際的条約を平気で無視するばかりか「一度反省を言ったからとか、一度合意したからといって過去の問題は終わったという訳にはいかない」条約や協定の決め事無視を正当化するのは「言論の自由だ！」というのだから――呆れかえるとしかいいようがない。
おっと、「呆れかえる」という表現はひょっとしたら韓国や日本の媚韓派の人たちに「ヘイトだ！」と非難されるかもしれない―――クワバラ、クワバラ。
（9/05/19 10:00pm）
2019年9月4日
ボイコット
抗議活動のひとつとしてのボイコットには、様々な種類があるが、基本は、人々が団結して行動することによって抗議の意思を表明するものだ。
ある企業や人物を排斥する、あるいはある業界、企業などの商品を買わない、サービス料金などの支払いを拒否する、又は逆に、特定の企業や団体に対してサービスの提供を行わない等、その形態は実に様々だが、香港で行われている大規模な民主化要求運動において、学生たちが行っているという授業ボイコットもその一種だと言われている。
ただこの香港の学生達の「授業ボイコット」なる抗議の形態の意味が今一つよくわからない。ボイコットの本来の目的は誰かに対してダメージを与えることによって自分達の抗議の意思を示し、あわよくば相手の行動をやめさせる事にあると思うのだが、確かに学生達が授業を受けず街に繰り出してデモを行うという統一行動をとることで、一定の数の香港の学生達がいてもたってもいられないほど怒っている―――という意思はアピールできるかもしれないが、そもそもこの授業ボイコットの対象が誰なのか、そしてその対象に何をして欲しい（あるいは止めて欲しい）と要求しているのかが、今一つ分からない。
一回の授業毎に、入場料のような形で授業料を払う方式ならともかく、授業料というものは基本的には、半年なり、一年なりの一括前払いのはずで、学生が授業に出て来なかったからといって払い戻しはないはずだ。すなわち差し当たり授業ボイコットの直接対象となっている大学当局や教授陣には、なんの実害もないしむしろ自分達も休めて「ラッキー！」といったところかもしれない。
従って、勝手に授業に出て来ない学生に「頼むから授業にでてきてくれ」と懇願する大学もないと思うし、大学当局だって香港政庁や中国政府ではないのだから「一体、自分達が何をしたらいいのか」すら分からないのではないだろうか。
親に叱られて不貞腐れた子供が「ご飯よ！」といわれて「僕いらない！」といって部屋に閉じこもるなんていうことがあるけれど、その場合は可愛い子供だけに母親はおろおろして「お母さんも、ちょっと言い過ぎたわ、ごめんね」なんて折れることもあるかもしれないが（父親だったら、「人間、いつまでも飯をくわないではいられないのだから、ほおっておきなさい！」と母親をたしなめるだろう）、これは親子関係だからこその話で、学生と大学当局の関係では（まして今回のようなケースで）ボイコットの意味がよく分からない。
韓国では来年の東京オリンピックのボイコット運動が起きているという。確かに、日本に対する韓国ならではの「嫌がらせ」としては彼等の気分は多少晴れるかもしれないが、常識的に考えてその考えに同調するような非常識な国や団体があるとは思えないし、主催者側の日本にとっても、韓国がオリンピックに出て来ないからと言って別に困ることはないのではないだろうか。（変な横断幕などを垂らして会場でいやがらせをされる怖れもなくなるし）
「そんなことを言わないで、オリンピックに出て下さいよ〜」と日本が懇願するとでも考えているのだろうか？ 「それは残念ですなぁ〜」と軽くあしらっておけばいい話ではないだろうか。（北朝鮮が単独で参加したら随分面白いことになるかも）
（9/03/19 10:00pm）
2019年9月3日
控除率
IR法（カジノ法）が成立してから既に一年、カジノをどこに作るかなど未だ未だ決まっていないことも多く、実際に日本でカジノの営業が始まるのはかなり先の話にはなりそうだが、ラスベガス大好きのタカさんとしては待ち遠しいところだ。
ギャンブルを奨励する宗教などというものはなく、ほぼ全ての宗教がギャンブル（かけ事）を禁じているのに、宗教の影響の強い諸外国にこそカジノが多いのはなぜなのだろうと思うが、一つにはカジノのかけ事の控除率が低いところにあるようにも思う。
かけ事の控除率というのはいわゆる寺銭のことであり、胴元が幾ら取るかの率のことだ。例えば宝くじなどの場合、1000円の宝くじを買えば賞金に回されるのはその内のわずか460円、控除率なんと54％といういわばやらずぶったくりだ。
競輪競馬オートといった公営ギャンブルの場合も控除率は25％だ。すなわち1000円の競馬の馬券を買ったとたん、あなたの握っている馬券の価値は750円になっているのだ。しかし、カジノのかけ事だと控除率は、ルーレットでも5.3％、クラップスの場合一番低い賭け方だとわずか0.14％に過ぎない。
控除率が低いということは、すなわち勝ってもその配当率が低いということでもあるのだが、勝つことより楽しむことを目的とするならば日本で競馬場にいくよりも、カジノに行った方がよほど良いということになる。（まあ、日曜日の競馬場に家族連れで行って、内馬場で弁当を食べてくるようなものだ）
もちろん、賭け方によっては身をほろぼすような場合もあるだろうが、これだけ公営ギャンブル（控除率25％）があり、年間総売上15兆円というパチンコ（控除率13％）、それに、やらずぶったくりの詐欺にも等しい、宝くじをやっている国で、控除率の低いカジノを目の敵にして「まだ依存症対策に不安がある」などと反対する人達が多いというのも何だか不思議だ。
香港デモで暴れまわっている暴徒の黒幕は、実は民主デモ弾圧の口実を探している中国政府だとも言われているように、カジノ開設をあれこれ反対しているのは、既存の公営ギャンブルやらパチンコの関係者（多くの警察OBが就職している）の団体なのではないか？等と勘繰りたくなる。
（9/02/19 10:00pm）
2019年9月2日
アメリカ銃社会
今朝もニュースでアメリカの銃乱射事件が報じられていた。トランプが大統領になってから人種問題対立問題が激しくなっているから―――等という解説もあるが、なあにアメリカでの銃乱射事件の頻発は今に始まったことではなく、国中に銃が3億丁も溢れており、今尚スーパーで銃を売っており、簡単な手続きで買えるしアメリカで最大級のロビー団体が全米ライフル協会という銃器製造会社と銃愛好家の団体だというのだから、誰が大統領になっても銃器犯罪が減ることはないと思われる。
これだけ銃が溢れていると、一般市民も治安を守る警察も、常に自分が銃で撃たれる可能性を念頭において我が身を守る習慣を身に着けていなければならないと考えるのも致し方ないし、当然だともいえよう。
今朝報じられた米南部テキサス州での乱射事件でも、撃たれた人のうち少なくとも5人が死亡、警官を含む21人が負傷したというが、容疑者の男も警官に射殺されたという。以前にも書いたが（参照：「Shoot first, ask questions later」10/27/16）
アメリカでは警官に限らず守る側も四の五の言わず何しろ銃を撃って相手を殺してしまうのが一番、という考えが浸透している。
なまじ、犯人を生け捕りにするとか、負傷しただけだと、訴訟社会のアメリカでは容疑者の側から裁判で思わぬ反撃を受け、とんでもない賠償金を払わされる―――などというケースが起こりうるから、なにしろ撃ち殺してしまえば「死人に口なし」となってしまい、容疑者を撃った側の警察官はヒーローとなって人々に賞賛される―――なんていうことにもなる。
まあ、それが嵩じて、今や何の抵抗もしていないし銃をもっている訳でもない、大男の黒人を警官が撃ち殺してしまう―――等という殺人紛いの行為が目立ってきていて問題になってはいるが、ナイフや銃を持っている容疑者の逮捕に銃も何も持たずに出向いて、みすみす容疑者に逃げられてしまった―――等という事件が起こり、あるいは凶器を持って抵抗する容疑者をひるませようと空に向かって威嚇射撃をしただけで警察署長までもが弁明に汗をかかなければいけない日本との銃に対する考え方の違いは余りに大きい。
もちろん、どちらの社会がいいかといえば、間違いなく日本の方がいいと思うが、すでに銃社会としての何百年もの歴史を持ち、市民もそして犯罪者の側の意識も日本とまるで違うアメリカを同じ目でみることは出来ないのではないかとも思う。
（9/01/19 10:00pm）
2019年下期の各月バックナンバー： 7月 8月 ９月 10月 11月 12月
タカさんの読書日記はこちらをクリック
金曜日シリーズ全目次 ←ここをクリック
「日々草々」全バックナンバーリンク表 ←ここをクリック
本日の「日々早々」に戻る