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2023年2月
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02/28 素振りシングル 02/27 水手は射ない 02/24 旗日 02/22 美風はどこへ行く 02/20 小さな政府 02/17 鄭成功
02/16 エリート意識 02/15 偏西風 02/14 政経分離 02/13 白い黄金 02/10 世襲どうなる 02/08 サンマ塩焼きとブリ照り
02/07 風船おじさん 2/05 タブーと価値観 02/03 必勝祈願 02/02 モンロー主義 02/01 習近平さんに叱られる
2023年2月28日
素振りシングル
今シーズンから千葉ロッテマリーンズの二軍監督に就任したサブロー（大村三郎）の現役時代、彼のファンであったタカさんが球場で応援しているとよく一緒になる、これもサブローファンのオバサンが、彼が三振した時に思わず発した言葉が、「素振りは日本一なのに！」というもので、そのがっかり度にタカさんも思わず苦笑いしつつ、いたく共感したものだった。
「素振りシングル」と言われるゴルフ仲間がいて、彼もサブロー同様、ゴルフクラブの素振りは、基本に忠実な実に美しく力強いものだったが、スコアーの方はさっぱり振るわなかったので仲間からからかい半分で「素振りシングル」等という異名を頂戴したのだった。
野球でもゴルフでも、理に叶ったきれいなスィングは基本でありレッスンプロやビデオでは、散々叩き込まれるものだが、いざ実戦となった時に、それが必ずしも結果に結びつく訳ではないのも不思議な事実だ。変則スイングでありながら、それで数々のトーナメントを制したプロゴルファーや、タイトルをものにしたプロ野球選手は数多くいる。いや、きれいなフォームで実績を残した選手よりもむしろ個性派の選手の方が多いかもしれない。
先日亡くなったプロ野球歴代３位の通算567本塁打を記録を持つ門田博光選手のように、「素振りは鏡を見ず、ひたすら居合切り名人が出すような、言葉に表せないような音を求めて振った」という人もいる。この話を聞くと素振りは必ずしも形ではないようにも思え「素振りシングル」が数多くいる理由も分からないではないようにも思う。
もっとも、世の中には「タイガーは、インパクトで膝が突っ込む」などとその欠点を指摘する「見るだけゴルファー」の類がごまんといるし、タカさんや,あのサブローファンのオバサンのようなど素人が山ほどいるのだから―――それほど「素振り」の奥は深い、ということなのだろう。
(2/27/23 10:00pm)
2023年2月27日
水手（かこ）は射ない
平家一門が滅びることになった源平最後の合戦、壇ノ浦における義経の勝因はいくつかあるが、相手の船の漕ぎ手（水手--カコという）は兵ではないので射てはいけない、といういわゆる戦時における作法があったにもかかわらず、そんなルールはお構いなしに、義経が平家方の水手を射よ！と自軍の兵に命じたことで水手を失った平家方は一気に敗戦に傾き、安徳天皇は三種の神器とともに身を投げて崩じたことで戦いは終わったと伝えられている。
英語にもMight is right.（力は正義）という言い方があるように、例え「キッタネェ―！」といわれようが、戦いは勝ちさえすればいいのだという考え方は洋の東西を問わず昔からある。
「どんな手をつかってでも勝つ」という考え方に、戦いの双方がたったのでは、戦いはより大規模に、より汚いものになるばかりだから、戦いは、一定のルールの下に行おう、と定めたのが、各種スポーツや格闘技のルールであり、戦争における戦時国際法なのだが―――義経が「水手を射よ！」と命じて、ヒーローになった例をはじめ、ルールを破ってでも勝つことが大事だ！という歴史的実績は残念ながら枚挙にいとまがない。
1986年のワールドカップの決勝で神の手ゴールと言われるハンドの反則を犯していたのが、見過ごされたことでアルゼンチンのマラドーナは、サッカーの伝説的英雄となっているし、宮本武蔵だって佐々木小次郎との巌流島の決闘に、わざと2時間も遅れて到着し、小次郎をいらつかせたことでこの果し合いに勝ち、後の世に剣聖とうたわれている。果し合いの時間に遅れていくなんて、時間にうるさい現代人からみたら欠陥人間だが―――勝ったからこそ、剣聖とあがめられ、小次郎の方は負けたが為に、今やその名を知る人はすくない。
ウクライナ侵攻を続けるロシアは、人間としてのモラルとしては勿論、戦争法ではやってはいけないことになっている民間インフラの攻撃、病院や学校を爆撃し、ブチャなどでは民間人の虐殺、拷問、子供達の連れ去りと洗脳教育などを行っている。
中国は、89年から新戦争論である超限戦を是とする方針をとっているといわれる。超限戦とは、戦争に当っては、通常戦、外交戦、国家テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、心理戦、メディア戦など25種類にも及ぶ戦闘方法を取る目標を立て、既にその準備を整えているという。
まさか、水手を射てはこないだろう！なんて妄想していた平家は滅びたことを、隣国の日本は思い出すべきかもしれない。
(2/26/23 10:00pm)
2023年2月24日
旗日
2月23日は今年に入ってから4日目の祝日（天皇誕生日）だった。
日本の法律で定められた「国民の祝日」は、年間16日あるが、この祝日の数の多さは世界トップクラスに属するらしい。有給休暇が取りにくく国際社会から「働きバチ」などと揶揄された日本が、それなら、なるべく強制的な休日をもうければ少しは国際化するだろう―――とあれこれ理由をつけて「国民の祝日」を新設、増設したことで遂には年間16日という世界トップクラスの祝日数になってしまったらしい。（ちなみにアメリカ、フランス、ドイツは年間11日、オーストラリアは10日だとか）
タカさんの親の世代では、祝日の事を「旗日」といっていたのは、この手の祝日の際には、各家のかどかどに国旗を掲揚して奉祝の意を表す――といったことが行われ、国旗を掲げていない家は、なんとなく冷たい目で見られる―――というようなこともあったらしい。
いまから20年位前までは商店街の街灯には国旗の小旗がかざられたりしていたように記憶するが、この頃は関西の某商店街では祝日に国旗を一斉に掲揚している！とニュースで取り上げられる位だから、今や「旗日」などという言葉は死語になっているのも当然のようだ。
先日の建国記念日に買物に出たが、個人の家でも、あるいは商店街でも国旗を掲揚しているところは全くなく、唯一あったのは交番だけだったから、20年ほど前までの祝日の街の風景は気付かぬ間に一変していたということのようだ。
そうそう、「国旗はどこで売っているか？」という話が何年か前に、ネットで盛り上がったことがあって、その時は確か「デパートの風呂敷売場」だとか「スポーツ用品店」「おもちゃ屋」等々の意見が出て盛り上がっていたが―――今回あらためて調べてみたら「ネット通販サイト」というのがまず最初に出てきたのには妙に納得してしまった。
プーチンの演説に集まったロシア国民が手に手にロシア国旗をかかげ、ウクライナでも戦車から、何から翩翻とウクライナ国旗をかかげているし、アメリカでもフランスでもなにかといえば、人々が国旗を掲げて大盛り上がりしている。（そうそう、議事堂襲撃のトランプ支持者も皆国旗をかかげていたっけ）
それにくらべたら大相撲の千秋楽か、サッカー日本代表の試合ぐらいでしか国旗をみることがなくなっている日本は、ちょっと特殊な国ということなのだろうか？
(2/23/23 10:00pm)
2023年2月22日
美風はどこへ行く
外国人が日本に来て驚くことの一つに屋外にある自販機の多さだ。近年減りつつあるというものの自販機は総数で400万台はあると言われるが、おそらくその半数は屋外に設置されているのではないだろうか。
日本以外の国では屋外に自販機が設置してある国は見たことがない。もし日本の自販機のようなものが、屋外に設置されていたら、中にあるキャッシュ目当てに壊されてしまったり、自販機ごと丸々トラックで持ち去られてしまうだろうから、そんな危ない事をする訳がないのだ。
少し前に銀行の無人ATMが持ち去られるという事件が日本でもあったが、自販機の小銭を狙って等という効率の悪い窃盗は、まさか日本ではおきないだろうというのが日本人の常識であり、そういう常識で成り立っているからこそ、日本は「治安が良い国」だとおもわれていたのに――。
回転ずしチェーンや牛丼店などで数々の迷惑行為が行われ、そんな犯罪行為を撮ってSNSに自慢げに載せる―――というとんでもない行為が横行、今や回転ずしや牛丼店、ファミレスにはカウンターや卓上には、調味料や湯飲み、皿の類は置かれていないのだとか。（牛丼屋の紅ショウガはどうなったのだろうか？）
早い、安い、美味い、を売り物にしていたこういった店は、客の善意を前提に調味料や、湯飲みや、割りばしや紅ショウガを卓上に置いていて、その分従業員の手間を省いていたのだろうが、これからは客の悪意ある迷惑行為を前提にしなければいけなくなったというのだから、日本も外国や貧しい国並みの用心をしなければいけない国になってしまったということなのかもしれない―――なんとも淋しいことではないか。
寿司チェーンでの迷惑行為をした高校生は名前を特定され（これもSNS特有の集団リンチ行為ともいえる）、高校には退学届けをだしたという。またその事がニュースになると、「子供のいたずらをそこまで咎めるのは大人気ない」というSNS投稿と、「そうやって甘やかすから、回転ずしという日本文化（？）が破壊されてしまうのだ」という投稿が嵐のように殺到し、またまた大荒れ状態になっているのだとか。
いずれにせよ、匿名によるSNSのこういった無責任な煽り合いが、日本の美風とも言われた治安のよさを根本から崩しつつあるということだけは確かなようだ。
(2/21/23 10:00pm)
2023年2月20日
小さな政府
近代自由主義思想は17世紀にイギリスのジョン・ロックが持ち込んだものともいわれるが、その頃から個人の自由と、社会の関係はどうあるべきかは延々と論争が続き、未だに決着がつかない問題である。
例えば、アメリカに於ける二大政党、共和党と民主党の最大の対立点である「小さな政府」か、「大きな政府」か、という問題も、この個人の自由を重んじ小さな政府にするのか、国家による社会福祉の充実のためには自由がある程度制限されても仕方がない―――とする大きな政府が良いとする考えか、の違いであり、両者が折り合える余地は少ない。
個人の自由を重んじる、どちらかと言えば共和党が主導する、小さな政府論に基づけば、例えば、個人が自由にその経済活動を行えるように、国家の機能は、外敵からの防御、国内の治安維持、あるいは必要最小限の公共事業にとどめ、経済は自由放任主義、財政は小さな政府にして税金は極力少なくすべし、と説く。
方や民主党が主導するのは、山積する社会・労働・経済問題を解決するために国家は積極的に社会・労働政策に取り組むべし、という福祉国家・社会国家・行政国家の考えかたでありいわゆる大きな政府論だ。
広大な荒野を一家で進み、インディアンの襲撃にも自分達で対抗してきた切り開いてきた彼等の祖先のように、他人や国家に頼るのではなく、何事も自分たちでやってきたという自負のDNAを持つ人達は、「国や社会に頼らないから、自分達にあれこれ干渉しないで自由にさせろ」―――と考えている。自分達を守るために持っている銃を、持つな！などと規制したり、自分達の好き嫌いにまで、なにかとルールを作って干渉してくるのは、自分達の自由への束縛以外のなにものでもない！ 許せない！ と考えているのだ。
日本に住んでいると小さな政府理論も、大きな政府理論も、頭ではわかっても中々実感することができないが、アメリカをはじめとする国々でのこの両論の対立は、歴史的にもかなり根深いものがある。
医療や教育などの福祉は充実させるべきだし、子育て支援から高齢者医療だってまだまだたりない！という日本では、増税にはなにがなんでも反対だ。
大きな政府論の高福祉と同時に、小さな政府理論の「最小限の負担」を要求し、それができないのは政府が悪いからだ！と息巻いている。
(2/19/23 10:00pm)
2023年2月17日
鄭成功
近年、日本で生まれる赤ちゃんの約2％が両親のいずれかが外国人といういわゆるハーフだという。
この割合（新生児50人に1人）は、タカさんの子供時代に比べて飛躍的にふえている。かつては、島国だから国際化が遅れていて日本人ばかり――と言われた日本も遅ればせながら人口の国際化がはじまっているということなのかもしれない。
もちろん移民の国と言われるアメリカや、隣国と陸続きの大陸国である欧州や、他民族国家と言われる多くの国々に比べれば約2％というのはどれほどのことはない数字であり、第二外国語としての英語が話せる国民の割合でさえ10％に満たないといわれる日本が（欧州では概ね7割）国際化が始まっている等といったら、笑われるかもしれないが。
まあ、そうはいうものの日本でも国際結婚とその子供の歴史は、意外と古くからある。縄文時代にはすでに朝鮮半島や、中国沿岸から渡来人といわれる人達が渡ってきており、それらの人々と土着の和人とが、かなり混血したことがDNA解析でわかっている。
記録に残るところでは、遣唐使として唐に赴き、玄宗皇帝に使え李白や王維等の文人とも親交があったという阿倍仲麻呂も、現地の女性と結婚し男子を二人もうけたという記録があるようだ。（倭寇や、タイに渡った山田長政一族にしても現地の女性との間に子供を作ったに違いない）
そうそう、歌舞伎の演目「国姓爺合戦」の主人公、鄭成功は実在した人物で父は明の大商人、母は日本人で長崎生まれ、日本名、田川福松として長崎で育ち、その後中国に渡り台湾と大陸沿岸を占領したりしており、今も台湾と中国本土には英雄として大きな石像が飾られているという。（彼の弟は日本に残り父の後を継いで財をなしたという）
シーボルトも日本人妻との間に娘がいて、その娘が日本初の女医さんになったという話も有名だ。いまでもシーボルトの子孫は、何人か日本におられるという話だ。（シーボルトが世界に紹介した日本固有の花アジサイは、彼の妻のお滝さんの名をとってオタクサと名付けている―――中々ロマンチックな話ではないか）
阿倍仲麻呂や、鄭成功、シーボルトの子孫が今もいるという話を聞くと、いま50人に1人生まれているハーフの子供達の子孫も100年後、200年後の日本にはかなりの数になっているはずで、その頃には日本の国際化は、かなり進んでいる――のかもしれない。
(2/16/23 10:00pm)
2023年2月16日
エリート意識
ユダヤ教とキリスト教の聖典である旧約聖書には、ヘブライ人（ユダヤ人）だけがヤ神エホバに選ばれた民（選民）であり、神はいつか必ずメシア（救世主）を送って救って彼らを救ってくれると書かれている。
イエス・キリスト（彼自身もユダヤ人の子として生まれた）は、この旧約聖書の「ユダヤ人だけ」という部分を批判したことでユダヤ人以外からも信仰を得た、ユダヤ人からは背徳者として否定されることになった。
まあ、そんな経緯もあるから今もユダヤ教徒（99％はユダヤ人）は、自分達こそが選民（エリート）であるという強い自負を持っている。
その選民意識が、2700年前に国を失いディアスポラ（流浪の民族）となって世界中に広がってからも、彼等の強い同族意識の核となり、またそれ故に各地の非ユダヤ民族から差別を受ける要因にもなったわけだ。
イスラエルの地に国を建て、2700年振りに祖先の地に戻ったユダヤ人の中には、この旧約聖書の神の教えを固く信じ、守っている人達がいる。いわゆる超保守派といわれるユダヤ教徒で、今も伝統的な黒ずくめの服をきてもみあげとヒゲを長く伸ばし、奇妙な帽子をかぶっている人達で、イスラエルの人口の約75％（20％はアラブ人）になり、人口の約12％を占める。
以前にも書いたが（参照：「ユダヤ教超保守派」12/2/22）彼等は、自分達は他の人達とは違う神に選ばれた人間なのだ―――というエリート意識を根拠に、一般のイスラエル国民に課せられている兵役も拒否し、日がな一日聖書を読み、子作りにはげんでいて一家の家計は家の女性達の働きと、国からの生活保護でなりたっている。
一般の（保守派ではないユダヤ人やアラブ人）にとっては、めちゃくちゃ不公平に感じる人達だが、この人達と汚職まみれ、疑惑まみれのネタニエフ首相（彼自身は超保守派ではない）が相互協定を結び、「あなたが自分達の兵役拒否と納税拒否を支持するなら、疑惑追及を受けているあなたを守りましょう」―――という約束が成り立ったという。
なにがなんでもイスラエル支持というアメリカだが、さすがにここに来て司法手続きを全てチャラにしようというネタニエフ首相と超保守派のやり方には、民主主義や、三権分立をぶち壊している――と不満を示している。さてどうなることやら―――。
いやはや、エリート意識という奴、何千年にもわたって人類社会の弊害となりがちだが、人類社会から排除も出来ないという、厄介な代物のようだ。
(2/15/23 10:00pm)
2023年2月15日
偏西風
アメリカに行く場合、日本発便と帰国の際の日本到着便の飛行時間には1時間ほどの差がある。帰国の際の航続時間が長く時間がかかるのは上空に強い西向けの風、即ち偏西風が吹いているからだ。
偏西風は地球の自転に基づいて起こるコリオリの力によって起こる現象であって地球の自転が止るとか、時点の向きが反転でもしないかぎり北半球では常に中国から北米方向に吹いており早い所だと時速300キロという新幹線の最高時速（260キロ）を上回る猛烈な風である。
中国からの偵察用気球の飛来とその撃墜以来（2月4日）謎の気球様の飛行物体の飛来と撃墜が続いており米中関係がぎくしゃくしている。
4日に撃墜された気球については中国は、当初は「気象観測用の気球が、気流の関係で誤って米国本土を横断してしまったものだ」と自国の物であると認め遺憾の意まで表明したが（参照；「風船おじさん」2/7/23）事が大きくなり、アメリカ世論がいきり立ちはじめると、今度は完全に居直りをはじめ「ことを荒立てて、対立を深めようとしている米国が悪い」「中国の持ち物を勝手に撃墜したのはけしからん」「回収した残骸や機器は中国に返還せよ」などと、逆切れ状態にある。（質の悪いジョークにしか聞こえず、笑ってしまうが、ちょっと前まで中国がやっていた「戦狼外交」を思い出せば中国らしい反応という気もする）
言うに事欠いて、12日には、「中国にも謎の飛行物体が飛来しているので撃墜する」と警報を出し、いかにも「悪いのは自分達ばかりではない、米国だって飛行物体を飛ばしているではないか」と言い始めたが―――米国から中国へ気球を飛ばすのは、風向きが全く逆で、どう考えても無理だ。日本では小学校でも教えるこの偏西風の風向きを、中国政府の要人たちは、知らないのだろうか？？
この偵察気球問題、飛ばした中国も、撃墜した米国もそれぞれの国内世論もあって、ちょっと引っ込みがつかなくなってしまっており、どう治めるかは、しばらくはウクライナ問題やトルコの地震並みの大問題といった様相だ。
そう考えると、2年前に岩手上空にとどまっていた今回の中国の偵察気球そっくりの気球に対して、記者から「何の目的で飛んできたのか？」と聞かれて、当時の河野防衛大臣のように「気球に聞いてくれ」と答えて無視するのが正解だったのかもしれない。
(2/14/23 10:00pm)
2023年2月14日
政経分離
政治的には合わないからといって経済面では、なくてはならない相手国、という関係だと、政治と経済のどちらかを優先するという訳にも行かない。そうなると便宜的に持ち出されるのが「政経分離」という原則だ。
政治に於いてお互いが折り合えない部分は、これからも継続して議論をするとして、お互いにとってメリットのある経済面での関係は、政治とは切り離して進めていこうではないか―――という訳だ。
この政経分離の関係という奴、例えば、70年代の日中国交回復時には、よく声高に持ち出されたものだ。政治的には日本に対するわだかまりがまだまだ根深かった中国だが、大躍進政策の失敗などで疲弊していた国内経済を、当時高度経済成長に湧いていた日本の手を借りて立て直したいと考えていた中国側にとってこの「政経分離」は渡りに舟であったし、日本もこれに大喜びで乘ったという経緯があった。
「政治と経済」ばかりではない。「政治と宗教」にしても、あるいは「政治とスポーツ」にしても、一緒くたにするとどちらも都合が悪いという場合、切り離して考えれば実利は得られる―――と考えて持ち出されるのが「分離」という便利な方法だ。
パリオリンピックに当ってウクライナ侵略を理由に、「ロシア排除」を主張する国々に対して、ロシアという大スポンサーを除外したくないIOCが持ち出したのが「政治とスポーツの分離」だ。IOCは「個人として戦争に賛同しないという条件を満たせばロシア選手のパリ五輪参加を認める」という、いかにも美しげな原則をもちだしてはいるものの、金まみれで悪評の高いバッハ会長やIOCがもちだしているとなれば、その本音は「スポンサーとしてのロシア政府の金」であることが見え見えだ。
政治と経済、政治と宗教、政治とスポーツの分離が、きわめて難しいというのは今も昔も、隠れもない事実だ。しかし、便宜的といわれようとも分離して考えないと、お互いにっちもさっちもいかなくなってしまうのも又事実だ。
世界恐慌の後、各国が政治を優先してブロック経済体制をとったために、世界経済は委縮し第二次大戦の引き金となったし、逆に、政治的な違いには目をつぶり、政経分離原則にもとづく経済のグローバル化を図ったことで、ここ数十年で世界経済は大きく成長したことも又事実だ。そう考えると政経分離は結構賢い方法とも言える。
今また米中対立の中で、世界の二分化が進んでいるが、あのブロック経済体制が歩んだ道を又たどる可能性が高いのだろうか。
(2/13/23 10:00pm)
2023年2月13日
白い黄金
スマホやEV車で発火事故があったというニュースを時々見るように、そこで使われるリチウムイオン電池は、発火する危険性はゼロではない。
今世界で争奪戦が激しく行われている白い黄金ともいわれるリチウムは、化学記号でしめせば3番、すなわち水素、ヘリウムに次いで宇宙誕生後の早い時期にできた金属ではあるが、希少性が高く米中対立が激しくなりつつある中では、争奪戦が激しくなっている代物だ。
希少性が高いとはいうものの意外と我々の身近でもよく使われている金属で、現在その一番の用途は、耐熱陶器や耐熱ガラスといったありふれた日用品用であってリチウム電池に使われる量はそれに次ぐ2番目に過ぎないときく。（もっともEV車が増えていくにつれ早い時期に逆転する可能性は高いが―――）
海水には膨大な量のリチウムが含まれているが、その含有率は高くなく、海中の熱水噴出孔や、塩湖などのように塩分が濃縮された所だと濃度が高く、採集コストが低いのだそうで、アルゼンチンやオーストラリアの塩湖では盛んにリチウムの採取・加工が行われているという。（そういえば、カリフォルニアのモノ湖やソルトン湖などの塩湖に行った時、リチウムの採集、加工工場を見かけた記憶がある）
次世代の輸送機関としてEV車が注目を浴びているが、その為にはこのリチウムの確保が肝であり、それ故に米中両国共にこのリチウムの囲い込みに必死だ。リチウムの埋蔵量が多い国といえば圧倒的に中国だが、生産量となると今のところオーストラリア、アルゼンチン、チェコといったところが多く中国の追い上げは激しいが、まだまだの感はあるようだ。
クリーンエネルギーへの世界的熱狂が続く中、（原子力への風当たりも強いし）、核融合エネルギーの実現もまだまだ先となると、資源に恵まれない日本は、リチウムを求めてまたまた資源獲得外交に力を入れざるを得ないが、そんな時の米国の中国への締め付けは、日本にとっては実に困った事態だ。
自動車産業は今も日本の主要産業であるが、せっかく技術開発したハイブリッド車も、2035年までにはEUや米国では禁止されそうだとなると、トヨタ、ホンダ、ニッサンなど日本の自動車会社としてはEV化を推進せざるを得ないが―――さて地下資源に乏しい日本は、どうにも追い込まれつつあるようだ。
アメリカにも中国にもいい顔をつづけるといういわばコウモリ外交は、リチウムによっていよいよ追い込まれる様相だ。
(2/12/23 10:00pm)
2023年2月10日
世襲どうなる
福沢諭吉が「咸臨丸」でアメリカに渡ったのは1857年、明治維新の11年も前のことである。彼はアメリカで1776年にアメリカが独立を果たした時の初代大統領、ジョージ・ワシントンの子孫は、今どうしているか？と尋ねて回ったところ、誰もそれにこたえられなかったのという。
下級武士の息子であったがゆえに出世の道をとざされていたという経験から、「門閥制度は親の仇にそうろう」と「福翁自伝」に書いている彼にしてみれば、建国の父として国民の尊敬を集めるワシントンでさえ、その子供や孫たちがどうしているかに人々が、全く関心がないアメリカの民主主義、実力主義にいたく感心したようだ。（もっとも、諭吉は感心したものの、実はワシントンの次の大統領、2代アンダーソンの息子は第6代大統領だし、近年でもブッシュ親子のように、親子二代の大統領、あるいはケネディー家などの名門一族もいるから、かならずしも諭吉があこがれたほどにはアメリカに門閥政治家がない訳ではなく、近年はその傾向は却ってつよまってもいるようだ）
安部元首相の逝去と、体調不良で先週辞任した安倍元首相の実弟岸信夫元防衛大臣の後継を選ぶ、衆議院補選が4月に行われるが、この二人の選挙区のある山口県は、次回衆議院選挙では、例の10増10減のあおりを受けて、4選挙区から3選挙区に減ることもあって、今、選挙区調整が大変なことになっているのだという。
山口すなわち長州は、昔から保守王国で、初代首相の伊藤博文、山形有朋、桂太郎、寺内正毅、田中儀一、戦後も岸信介、佐藤栄作という兄弟首相を輩出しており、岸本首相の女婿である自民党幹事長を務め首相一歩手前まで行きながら亡くなった安倍晋太郎氏の息子である安倍元首相、そしてその弟の岸元防衛大臣の後継候補となれば、そこは当然、岸家、安倍家からでなければ地元後援会や企業も途方にくれるだろう。
政治家が急逝した場合、後継者はその子供や、配偶者がでてくるというのが、世襲制度が強く残る日本の政治風土であって、これはさすがにアメリカとは大分違うようだ。
安倍首相夫人の昭惠さんは、色々な意味で有名人ではあるものの後継出馬は固辞したそうだし、岸家でも手を上げそうなのは一人だけだというし、いずれ選挙区が減ることが分かっているとなれば、今回補選に手を上げそうなご仁もそう簡単には、見当たらないという話もきくと、明治以来の保守王国、そして岸・安倍家の牙城である山口の2補選の行方は、----野次馬的には面白そうだ。
(2/9/23 10:00pm)
2023年2月8日
サンマ塩焼きとブリ照り
近年はサンマの値段が上がっているらしくタカさんがよく行く定食屋でもサンマの塩焼き定食は、もう一年以上お休みとなっている。値段が上がっているのは、サンマを獲り過ぎた所為だとか、中国漁船が日本近海来てごっそりとっていくからだ―――いやいや、漁場が遠くなり折からの燃料費高騰もあって採算があわなくなってきているからだ等々様々にいわれてはいるが、海水温が上がってきていることも関係しているらしい。。
海水温が上昇している、というのは、本当のようでサンマより少し高い海水温でも大丈夫というブリは、この近年は豊漁続きだという話も聞く。（そういえば、例の定食屋ではブリの照り焼き定食は、値上げもせず健在だ）
海水温の上昇の原因は、まだ科学的に特定されてはいないようだが、南極や北極の氷山が縮小しており、その為に極地域の氷や雪が反射して宇宙に戻っていく紫外線量が減ってしまいそれが水蒸気（雲）という温暖化ガスを作ってしまい、その水蒸気（雲）が熱をため込んで温暖化に拍車をかけて、海水温が上昇しているのだ―――という説が、今やかなり幅を利かせているらしい―――。
もっとも、温暖化の主犯ともいわれる水蒸気（雲）は一方では、太陽から降り注ぐ紫外線などから地表面をガードするという側面ももっており、水蒸気（雲）が多くなると、却って地表は寒冷化するのではないかという説もある―。
地球がその45億年の歴史で二度ほど経験した全球凍結（スノーボールアース）も、きっかけは氷や雪、そして雲が日光を全て反射して宇宙に戻してしまったことで、負の連鎖がはじまってしまったものだという説が有力だ―――。
まあ、このでかい地球で起こっていること、まして人類の短い歴史に比べれば実に壮大な時間スケールで起こっている海水温の少しの上昇の原因を厳密に特定し、それをどうにかしようと考えるのは、随分とおこがましいことなのかも知れない―――。
まあ、そう考えるとタカさんにできることといったら、サンマの塩焼きはしばらく諦めて、ブリ照りを食べることぐらいかも知れない。
幸いなことに、ブリもサンマ以上に好物でもあるし――。
(2/07/23 10:00pm)
2023年2月6日
風船おじさん
終戦の間際、日本軍は和紙をこんにゃく糊で張り合わせた直径10ｍ、重さ200㎏の水素風船に15㎏の爆弾1個と5㎏の焼夷弾2個を吊り下げて、アメリカ本土上空に向けて飛ばした。9000個余りを飛ばして1000個ほどが米本土に到達したが、その内の一個がピクニックの家族連れを殺傷したということがあったらしいが、それ以外に、被害はなかったという。
中国が放って米国の領空で撃墜された偵察用といわれる気球は、米本土を８日間以上飛び続け、高解像度カメラやソーラーパネルなどがを搭載、遠隔操作も可能な代物だったというから、この80年程の間の技術の進歩には驚くばかりだ。まあそれほど大がかりなものだけれども、偵察衛星に比べたら安上がりだろうから、黙っていたらその内中国は、何千個もの偵察気球を飛ばしてくるかもしれないからと、アメリカも高価なミサイルを撃ち込んで撃墜したのだろう。
ロシアのウクライナ侵攻に対して、NATOとともに対峙しなければならなくなっているアメリカは、台湾情勢という問題も抱えてはいるものの、今中国とはなるべく事を構えたくないようで、ブリンケン国務長官は訪中して対話を持ちかけようと考え中国訪問を考えていた最中にこの偵察気球を飛ばされては、さすがに態度を硬化させざるを得なかったようで、訪中の予定は急遽キャンセルされてしまった。
アメリカとの対話に積極的にみえた習近平も、間の悪い時にこんな問題が起きてしまい当惑しているのかもしれないが、一強体制で強い権限を持っていると思っていた彼も、案外その統率力は弱く、彼の言うことを聞かない軍が、この偵察衛星を勝手に飛ばしたのだとすれば、習近平独裁よりも不気味だ。
そういえば、30年程前にマスコミに取り上げられた「風船おじさん」が、大きなビニール風船につるしたゴンドラに乘って太平洋横断飛行に出たものの太平洋上で消息を絶ったという出来事があったが－――。あの風船おじさん、今もご存命なら80歳位にはなっているはずだが―――アメリカのどこかで暮らしておられるのだろうか―――。
(2/06/23 10:00pm)
2023年2月6日
タブーと価値観
キリスト教やイスラム教などでは教義的に同性愛は禁じられている。
一昨年だったかローマ教皇も、「同性愛は罪である」というカトリック教会の立場を繰り返し表明してもいた。
教皇すなわち「ローマ教会のトップ、神に仕える最高位の司祭」である彼としては、「同性愛は罪である」というキリスト教の教義をあらためて述べるのは当然ではあるが、その一方現教皇は、歴代教皇に比べたらリベラルな立場をとっているともいわれていただけに、その発言には「やっぱりキリスト教は古いなぁ～」と思ったものだ。
案の定、一昨年イタリア議会で「同性愛差別禁止法案」が審議された際、ローマ教皇は、ローマ教会の「同性愛は罪である」という教義、あるいはその教義を説教することが「差別発言だ！｝として法律で罰せられる可能性があり、これでは、「信教の自由」が侵害されてしまう！と抗議した。
世の中、LGBTを容認し多様性を尊重するとともに、差別を禁じようという動きが主流となりつつあり、様々な差別禁止措置が法律としてできてきているが、一方、千年、二千年、あるいはそれ以上に亘って人々が信じて来た多くの宗教で、LGBTがタブーとされている事もまた事実だ。
宗教上のタブーは、すなわち「神の教え」でありそう簡単に人間どもが変える訳にはいかないという訳で、その宗教の総本山といえども、ひょいひょいと変更する、ことはできない、ということだ。（コペルニクス、ガリレオの唱えた地動説を天動説をとっていたローマ教会が認めるまで400年以上の時間がかかっている）
首相秘書官が同性愛嫌いの発言をして首相も大慌てでこの秘書官をクビにしたけれど、あの秘書官がもしカソリック教徒で「自分の宗教では同性愛は罪になっているから、自分は嫌いだと言ったのだ！」と言った場合は、どうなっていただろうか？―――などと想像してみた。彼をクビにした岸田首相に、ローマ教皇庁から抗議がきただろうか？？
宗教タブーと現代価値観の違い、考えてみるとややこしいし面白い―――と思うのは不信心者のタカさんだからだろうか。
(2/05/23 10:00pm)
2023年2月3日
必勝祈願
がんばるの語源には諸説あるが、「眼を張る」という本来威圧的な状態を表している使い方だという説が有力らしい。（入口でどっしりと頑張って見張っている―――等の場合に今でも使われている）
しかし、現代ではスポーツや選挙など様々な場面で、掛け声として「ガンバレ！」が使われている。（Jリーグリーグのガンバ大阪は、日本語の「ガンバレ」とイタリア語の「脚」を意味するガンバ、とをかけたらしいが）
タカさんも球場でマリーンズの応援する際には、この「ガンバレ！」をよく使うが、英語にはこのガンバレに相当する言葉はない。
Faght！だとかDo the best!などというではないか、と思うだろうが、これも、ガンバレばかリでは能がないからと、日本人が生み出した応援英語であってアメリカでは、まず使われない。個人主義意識の強いアメリカの選手にとって、Faght！だとかDo the best!と他人から命令調にいわれるのは迷惑だ！という意識があるからだとも聞いた。
これから試合に臨む子供達には「Enjoy」（楽しんで！）と声掛けをするのが良い、とも聞くが、日本では、ガンバレ！とEnjoyでは、意味が真逆なところもあり、子供は、頑張ろう！と思っていたのに楽しんで！と言われたらずっこけてしまいそうになるかもしれない。
いま受験シーズン真っただ中で、親御さんたちにしてみれば、やっぱり我が子には「ガンバレ！」と声をかけたくなるだろう。まさかこれから試験場に向かう我が子に「Enjoy」と声をかける訳にはいかないだろう。
そう、日本では子どもたちまでもスポーツは、ガンバルものであって、楽しむものではない、と思っているところがある。
スポーツにしろ囲碁、将棋にしてもガンバって、上手くなろうと思う前にあきてしまうタカさんは、結局どれも長続きしないから、得意技はない。（ルールもおぼつかない将棋にしても、最近はやりのプロ棋士などの対局の観戦を楽しむいわゆる「観る将」だ）
プロ野球の各チームがキャンプ入りに当って神社にお参りに行って「必勝祈願」をやったりしていたが、戦国時代の武将たちがそうであったように、日本では本来「ガンバレ！」よりも、神仏に必勝祈願をするのが合っているのかもしれない。
そういえば、湯島天神も合格祈願の受験生とその親や祖父母たちで随分にぎわっているようだ。
(2/02/23 10:00pm)
2023年2月2日
モンロー主義
第5代アメリカ大統領モンローがとった外交原則、モンロー主義は、当時のヨーロッパ諸国に対して「あなたたちがやっていることに、アメリカはがちゃがちゃ言わないから、あなたたちも、うちらのやることに干渉しないでね！」という外交方針だ。トランプ前大統領の「アメリカ ファースト」に通じるところもあるアメリカの一つの外交姿勢ではあるが、アメリカは一時期「世界の警察」あるいは「民主主義の伝道師」を公言し、世界中の国々に干渉しまくり、場合によっては武力攻撃まで加えているから、モンロー主義も世界の警察も、その時のアメリカの都合次第というところもある訳だ。
それはともかく、このモンロー主義というやつ「相互不干渉」と言い換えてみると、今も世界中の国々でご都合主義的にとられている政策といってよい。「ほうっておいてくれ！がちゃがちゃいうな！」という訳だ。
ウクライナ戦争におけるロシア、新疆ウィグル問題における中国、ミャンマー問題におけるミャンマー国軍、Etc、Etc数え上げたらキリがない。
一方、「民主主義」だとか「人権」は普遍的な価値であるとする人々や国にとっては、抑圧に苦しむ人々を救うことこそ必要であり、そのような抑圧に声を上げない、あるいは沈黙している事は罪であるとまで言う。
ミャンマーで国軍がクーデターを起こしてから2年が経ったという。当時はこぞって世界世論が推していた国家最高顧問であったアウンサンスーチーさんが拘束され彼女の支持勢力が、一掃される中、当初は盛り上がったミャンマー支援の国際世論も、すっかり影を潜めてしまったし、中東で一時起きた民主化の動きもほとんどが強権やポピュリストによって潰れてしまい、それに対する支援の動きも今や全くの下火だ。
まあ、ロシアによるウクライナ侵攻というどでかい問題への支援と、同情で手一杯でミャンマーやウィグル、イランの女性達や、中東の民主化などにかかずらっている時間はない、ということかもしれないが。
もっとも、他国の事を心配するまえに、中国、ロシア、北朝鮮からの威嚇と圧力を受け、日本嫌いを広言している某国を隣に持つ日本は、もっと足元のことを心配した方がよくて、遠い国のことをとやかく言っている場合じゃない、ということもあるかもしれないが―――。
しかし、国会論戦などをみていると、首相の息子がハロッズで買った土産をもらったか、どうかなどということで「論戦」を繰り広げていて、どうも今の日本は、遠い国のことも、自分達の足元のことも、あまり関心がないようにも見えるが―――。大丈夫だろうか。
(2/01/23 10:00pm)
2023年2月1日
習近平さんに叱られる
中国の人口はインドに抜かれたとはいうものの14億人というから日本の10倍以上だ。2020年の全人代で、当時の李克強首相が月収が日本円にして1万６千円以下で暮らす中国人がまだ６億人いる、と暴露して話題になり「中国もまだまだ貧しい」という印象を持った人は多かった。ところが一方では、スイスの銀行調べでは、中国には資産100万ドル（1億３千万円）以上という富裕層が一億人いて、この人数はアメリカの富裕層数を上回って世界一だという。
これらの数字を見れば、共産主義が理想とする「平等で弱者に優しい社会」とは真逆な不平等社会が、共産党独裁の国で花開いているということにもなる。（Newsweekによれば「中国人から見れば日本こそが、貧富の差が少ない、世界で、最も社会主義の理想に近い国だ」という）
まあ、それはともかく、1億人のミリオネアがいるという数字は凄まじい。お金持ちというのは概して、旅行好きでだし「海外に資産を持って快適な生活を送りたい」「それができなくても、海外旅行をし美味しいものを食べたり、買物で散財したい」と考える人は多いだろう。
1億人のお金持ちがいて、4億人と言われる中間層（お金持ちとまではいえないが、貧乏人ではない人たち）の中にも、手ごろな海外にいって、ちょっと遊びたい、という人たちもいるだろう。
そう考える、彼等にとって近場の日本は、結構手ごろな旅行先でもある。中国人のお金持ちと、中間層、合わせて5億人の内１割がもし日本に押し寄せたら―――5000万人というとんでもない数字になる。
10年以上まえになるが、上海にいった時、中国人ガイドが「もし中国の富裕層がディズニーランドに押しかけたら、ディズニーランドは沈んじゃいますよ！」と冗談めかして言っていたが―――（その後東北大震災で実際ディズニーランドが地盤沈下したこともあったし）コロナの規制を緩和したために、今タイは中国人旅行客が押しかけて来て大変なことになっているというし―――やっぱり、しばらくは中国からの旅行客に対する水際措置は継続した方がいいような気もするが―――そんなことをいったら、又、習近平さんに激怒されるだろうなぁ～。参照：「ディズニーランドが沈む」2/25/10 ）
(1/31/23 10:00pm)
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