金曜日シリーズ全目次 ←ここをクリック
「日々草々」全バックナンバーリンク表 ←ここをクリック
2021年上期の各月バックナンバー： 1月 2月 ３月 4月 ５月 6月
フロント頁：”日々早々”のバックナンバー
2021年2月
＜＜2月タイトル＞
02/26 ガイアの怒り 02/25 ステーキと海鮮 02/24 やめる時 02/22 ひなたぼっこ 02/19 氷河期は来る 02/18 一夫多妻
02/17 ナイル川の原理 02/16 ブルーシート常備 02/15 治安部隊 02/12 スーパーカーはいかが 02/10 建国記念の日 02/09
余人をもって代えがたい 02/08 伝える努力 02/05 西洋崇拝 02/04 恐水病 02/03 ビルマの竪琴 02/02 ベジタリアン
02/01 keep calm and carry on
2021年2月26日
ガイアの怒り
我々が日ごろ利用するエネルギーは、ほとんどが電気エネルギーに変換されているが、元はといえば主には石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料の燃焼エネルギーである。
地球温暖化防止の為の脱炭素社会の構築が叫ばれている中、なるべくこういった化石燃料の使用を削減またはゼロにしたいものだが、化石燃料に代わり得るといわれる原子力エネルギーは安全性の問題で、また自然エネルギーは何よりもコストの面で今のところ化石燃料エネルギーに比べ大幅に高く、また風が吹かなければ発電できない風力とか、日が照らなければ発電できない太陽光、といった具合にいずれもその供給が不安定であり、また大型の風車や大規模な太陽光パネル群を作るためには結局、又大量の資源とエネルギーを必要とするし―――耐用年数もせいぜい20年程度となれば、100年後、200年後の世界は風車や太陽光パネルの墓場だらけになってしまう等というディストピア化さえ考えられる。
はてさて、温暖化する地球か、風車とソーラーパネルの墓場化した地球か、という究極の選択というのも実に悩ましい。
数々の難局を乗り越えて500万年の間、進化し続けて今日の繁栄をえてきた人類なのだから、きっとここも何とか乗り越えていくものと信じたいが―――。
例えば、夢のエネルギーと言われる核融合エネルギーを安価に作り出せるようになるとか、送電ロスゼロの超電導線材が開発されれば人類のエネルギー問題も、地球温暖化問題も一気に解決するだろうが、ともに今のところその技術的な目途はたっておらず、いわばまだSFの世界での話にとどまっている。
60年代にイギリスのラブロックがガイア仮説を唱えたが、地球はギリシャ神話でいう大地の女神ガイアそのものであり、その上に生きる人間はガイアの怒りに触れると、滅ぼされてしまうという説だが――。
植物が繁茂していた太古の地球の二酸化炭素濃度は現在の約10倍もあって巨大化した当時の植物にとっては快適な環境だったというから、二酸化炭素の増加の方は、ガイアが怒るかどうかは分からないが、地球表面を風車とソーラーパネルで墓場化する方では、ガイアは相当怒りそうだ。
ガイア仮説を信じるわけではないが、人類は、核融合か超電導線材の内の一つでもなるべく早く実現させなければ―――とは思う。
（02/25/21 10:00pm）
2021年2月25日
ステーキと海鮮
総務省は、菅首相の長男らによる同省幹部への接待問題で11人を処分したという。「利害関係者」からの接待を禁じる国家公務員法違反によるもので、懲戒9人、減給7人という内容で、当時総務省にいて接待をうけたが、現在は、内閣広報官を務めている山田真貴子氏は総務省を辞めているので、処分対象に含まれてはいないとか。
ノーパンしゃぶしゃぶでの大蔵省幹部接待事件からかれこれ20年、またもや中央官庁の幹部への接待事件というのだから、高級官僚とは、こうまで意地の汚い連中なのかと驚くが、今回発表された処分では、一番重い処分が3人で減給(2/10—1/10)3か月、残りは戒告とか訓告処分というから、今後の昇進などには影響するだろうが、役人を首になるわけでもないから本人達にとってはそんなに痛くはないのではないだろうか。
まあ、この接待問題、関係者が菅首相の長男だとか、女性内閣広報官といった野党やマスコミが喜びそうなネタが一杯あるから、今後しばらくはテレビや新聞、雑誌を賑わせそうだ。
加藤官房長官は、現内閣広報官である山田真貴子女史等が受けた接待は一人7万4千円の和牛ステーキ―と海鮮会食だったことを明らかにしている。（タカさんも、早速この店に予約を入れようと思ったが、誠に生憎ながらコロナで休業中であった。残念！）
もっともステーキと海鮮の接待で一人7万4千円、総務省幹部11名を処分と聞くとびっくりするが、中国では年間の汚職起訴人数が1万8585人（20年度）、金額にいたっては日本円で数千億円から1兆円のものもあるというから、それに比べれば（比べてはいけないが）、たいしたことはないような気さえしてくる。
立川談志の漫談で、「警察官の殺人事件がニュースになっていますが、これは日本の警察官がいかにまじめかを示していますなぁ～。警察官が皆悪い事をしていたら殺人だってニュースになりません」というのがあったが―――。
願わくは日本のお役人は、総じて国の為、国民の為にまじめに働いているからこそ、この接待問題が大ニュースになるのだと思いたいものだ。
（02/24/21 10:00pm）
2021年2月24日
やめる時
結婚するのは当人同士が良ければ今日にでも始められるが、離婚するには当人以外の子供や両親、親戚等々の人々も絡んで大変だという。会社にして会社清算するには負債整理だとか何だとか、設立の何倍もの労力と手続きが必要だ。
政府では、首都圏を除く6府県で緊急事態宣言を先行解除する調整に入ったという。緊急事態宣言を発令する時には、第三波で感染者が急激に増加していのにもかかわらず宣言が遅れ「遅すぎた！」という世論が大勢だったけれど、今度は知事等の要請に基づいて「先行解除する」と伝えられると、街頭インタビューなどでは「早すぎはしないか」という声も結構あるのは、やはり前回の宣言解除後、第三波の流行という劇波に襲われたトラウマが国民にかなり浸透している所為もあるのだろう。
ワクチン接種も始まっていることだし緊急事態宣言の効果もあるのだろうか直近の感染者数は減ってきてはいる、という明るいニュースもあるにはあるが、同時にアメリカではコロナでの累計死者数が50万人を超えたとか、ジョンズホプキンス大学の発表ではいまだに世界での感染者数は一日当たりで50万人から60万人に及んでいるというニュースも伝えられ、更には、英国型、南ア型の重症化リスクの高い変異ウィルスの患者がじわじわと増えておりしかも既存のワクチンの効力が弱いのでは―――というネガティブなニュースも伝わってきているだけに、日本だけでそうそう楽観している訳にもいかないのでは―――という人も多い。
WHOの推計ではこのコロナが下火になるのは今年の年末もしくは来年春とも言われているだけに、お気楽に今年7月には東京オリンピックを開催しましょう等というのはどうにかしている―――という世論も根強い。（外国からの選手と役員だけでも総勢で2万人にも及ぶといわれるが、日本人だけでも「医療逼迫」といわれていたのに、そんなに外国人が来てもしコロナ患者がでたら――大丈夫なのだろうか――）
そうそう、今日のニュースでは「変異株、国内でクラスター、第４波につながる可能性」等というメチャ恐怖心をあおるようなものもあったが―――。
やっぱり結婚・離婚同様、緊急事態宣言も始める時よりも、やめる時の方が決断は、大変そうだ。
（02/23/21 10:00pm）
2021年2月22日
ひなたぼっこ
居酒屋あたりで一杯やりながらの会食などというのは、周囲の目の冷ややかさを感じてしまうというか気にしてしまう、今日この頃だが、その点女性は、立ち話、（昔で言うなら井戸端会議）に慣れているから、さほど苦痛を感じないかもしれないが、男性にとっては一杯やりながら親しい人との会話ができないとなると、それは引きこもりにもつながり、年寄りにとっては、結果、加齢に伴う足腰や認知機能が低下していくといわれる所謂「フレイル」に陥る可能性だって増加してくるような気がする。
タカさんの幼い頃、近所のお年寄りは、早い時間に銭湯にいったり（東京の銭湯は当時は、3時頃からやっていたような記憶がある）、床屋でひげを当ってもらい床屋談義に花を咲かせたり、あるいは碁会所を覗くなどという暇つぶしというかストレス解消法があったように思うが、「三密」を避けなければいけないといわれるコロナの下の昨今ではそれも中々難しいのではないかと思う。（銭湯だとか床屋談義ができるところもすっかりなくなってしまった）
先日、スーパーを出たところにある、ひだまりのベンチので、年寄りの男性二人が、ひなたぼっこをしながらおしゃべりをしている光景をみた。彼らはタカさんがスーパーに入る時からそこでのんびりおしゃべりをしていたが、スーパーでひとしきり買物を終えて出てきた時にもまだのんびりとおしゃべり中だった。スーパーの中にはちょっとしたフードコートが、ありそこではコーヒーでも飲みながらおしゃべりすることも出来るのだが、学校帰りの女子高生やら子供連れの主婦たちで結構一杯だし、なにしろ室内だから仕切りはあるとはいうものの、やはりちょっとウィルスが気になるが、外のベンチならオープンエアーだからウィルスのリスクは大分、低いのではと思われた。
昔は年寄りがよく縁側などに腰かけてひなたぼっこをしながらお茶などを飲んでいたものだったが、最近はすっかり見なくなっていた光景だけになんだか懐かしい気がした。
このところ冬晴の日々が続き、少し気温もあがってきただけに、真冬とはちがって、ひなたぼっこにはよい気候になってきているような気がする。（もう少し気温が上がると、ひなたぼっこというよりは日光浴の季節になってくるから、日光に弱いタカさんにとって、ひなたは結構つらくなってくるように思う）
江戸川沿いの堤防の遊歩道にあるベンチなどでゆっくりとひなたぼっこでもしてみるのも悪くないなぁ～と思った。
（02/21/21 10:00pm）
2021年2月19日
氷河期は来る
温暖化懐疑派であるトランプ氏が退場し一気に温室効果ガス対策を強調するバイデン政権になって最大の温暖化ガス排出国であるアメリカをはじめ世界の産業構造も大幅な変革が迫られている。
そんなニュースが飛び交う中、米国中西部は記録的な大寒波におそわれトランプ支持派のみならず民主党支持者の中にも「地球温暖化って本当かい？」という声があがっているのだとか。もっとも強固な地球温暖化支持派にいわせれば「記録的な大寒波も地球温暖化の所為」だそうで、彼等の論法で行けばなんでもかんでも温暖化の所為になってしまうから、その内「コロナパンデミックも温暖化が原因」なんていう説も出てくるかも―――。
長い地球史の中でみていくと地球温暖化と寒冷化は、繰り返してきており南極の氷床などの分析結果からは過去80万年間だけをみても、10万年スケールで氷期と間氷期が繰り返す気候変動が起こっていることが分かっている。
直近だと約2万年前に氷期は終わり、今は間氷期に入っていることも分かっているが、これは地球公転軌道が9万年周期で楕円軌道と真円に近いかたちでブレる事で太陽と地球の離心率が変化することや、地球の自転軸が、4万年周期で22度から24.5度の間で変化しており、現在23.5度の自転軸は後1万2千年ほどで22度に近づき極小になるというが、そうなると陸地が多く氷床ができやすい北半球の夏は寒くなるという。
公転軌道の離心率や、自転軸の変化などを複合したミランコビッチ・サイクル（参照：「ミランコビッチ・サイクル」11/29/14）で計算すると、今から6万年後には、地球は確実に氷河期に突入するという。
我々人類（ホモサピエンス）の歴史はたかだか20万年に過ぎないが、人類は、今までに少なくとも2回の氷期を経験しているわけで、6万年後も人類が繁栄しているかは分からないが、もしまだ繁栄していれば、その氷河期の直前には地球寒冷化防止の為に、「二酸化炭素やメタンをもっと発生させよう！」「地球と人類を寒冷化から守ろう」などという運動がおきているかもしれない。
（02/18/21
10:00pm）
2021年2月18日
一夫多妻
最近世界では同性婚を認める国や地域が増えているが、日本の場合、憲法24条に「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し―――」とあるから、同性婚を認めるためには憲法の改正が必要になる。
憲法改正に反対が多いリベラル派に「同性婚を認めるべきだ」という人が多く、憲法改正を主張する保守派には、同性婚反対者が多いように見受けられることを考えると憲法問題も絡んで同性婚問題の今後は中々複雑だ。
同性婚問題の他にも、最近は夫婦別姓問題などというものもあり、日本の婚姻制度についてはこれからもかなりの議論が続くものと思われるが、世界の複数の国で法的にも認められている一夫多妻制については、今後ともに日本で認められるようになることはなさそうだ。
しかし、いまでもイランやエジプトなどでは、その詳細に違いがあるものの一夫多妻制は認められており、またアフリカ、特に西アフリカ諸国で一夫多妻制が法で認められている国は多い。（30年程前にコートジボアールに出張で行った時に現地エージェントに「奥さんは何人いるのだ？」と聞かれたことがあった）
一夫多妻はイスラム教の国に多いのは、イスラムの聖典であるコーランに「4人までの妻帯を認める――」とあるからで、神が4人までなら妻をもってもよいという以上は、人間が作った国家がそれを禁じたりはできない、という理屈になるらしい。
もっとも、コーランには「4人までの妻をもってもよいが、妻たちを平等に扱わなければならない」という但し書きがあるそうで、一人の妻だけを寵愛するなどということをすれば、死んでから天国に行けなくなる訳で、贈り物も毎回4人に、愛情も4人平等に―――となれば体力的にも財力的にもそうとうハードルは高いだろう。
このコーランの「妻は4人まで」という言葉も、イスラム教が広まる頃に、他宗教との激しい戦いで多くの兵士が亡くなり、未亡人や孤児が増えたためその生活や養育のために、生き残った兵士たちに4人迄の妻帯を勧めたのがはじまりという説が有力だから、現代のイランやエジプトでこの制度を残しているのは、あまり意味がないようにも思える。
日本では、一番多い側室をもったのは第11代将軍徳川家斉で側室40人、子供は55人だったというが、それだけ子作りに励んだ家斉も、孫の代には家斉の血筋は絶え結局一橋家から慶喜が将軍を継ぎ徳川幕府は滅びた―――というのだから皮肉なものである。
（02/17/21 10:00pm）
2021年2月17日
ナイル川の原理
ナイル川の上中流には支流がなく本流が直線的に流れているだけなので、川を挟んだ両岸のごく狭い範囲しか灌漑できず、農業には適さないが、カイロから下流のナイルデルタではナイルが7つの支流に分かれ広大なデルタに水が流れる為に、デルタ全域が豊かな農業地帯になっている。
開業16年目を迎えるつくばエクスプレスにも、このナイル川の原理と同じようなことが言える。すなわち直線的に秋葉原・つくば間をつないでいるだけのつくばエクスプレスは、沿線の狭い地域の開発は進んだものの、広い常陸平野の開発という面では、あまり役立っているとはいえない。
つくばエクスプレスにはJR常磐線がほぼ並行して走っているから、例えば終点のつくばと常磐線の土浦、あるいは水戸をつなぐ延伸を行えばそれ等が囲むエリアの開発が進むし北関東における交通の便は一気によくなることが期待できるだろうに―――。
つくばエクスプレスは開業当初から秋葉原終点ではなく、東京駅まで延伸してJR各線とか私鉄各線との相互乗り入れを行おうという南伸案と、つくば駅からの常磐線への北伸プランはあったが、ともに実現していないのは、やはり資金の問題が大きいようだ。
そういえば昭和3大バカ査定といわれたのは戦艦大和、伊勢湾干拓、青函トンネルだったが、その中の一つで一応完成した、青函トンネルも今のところ新幹線が札幌まで延伸されない限りは余り役にたっているとも思えないのは、つくばエクスプレス同様に札幌までの延伸ができていない為に、北海道旅行に出かける本州の観光客は航空機を利用してしまい、函館止まりの東北新幹線を利用する人は決して多くはないからだろう。
ナイル川の原理はいきているのだ。
（02/16/21 10:00pm）
2021年2月16日
ブルーシート常備
8日の夜11時過ぎに起きた地震は、10年前の東北大震災の余震だということだが、あの大地震以降で起きた地震の中では、マグニチュードは最大、揺れの大きさを示す震度も最大のものだったようで、タカさんも、揺れを感じた時点ですぐにあの10年前のことが頭に浮かんだ。
地震が起きた瞬間、「津波が起きたらヤバイな」と思ったが、テレビの速報を点けたら「津波の心配はない」と言っていたので、「この寒い中、着替えて避難所に逃げなくてもよい」と分かって一安心、電気も消えていないし、水道もちゃんと出ていたから、「明日の朝から10年前のように給水車に並ぶ必要もないな」と知って胸をなでおろした。
10年前には停電にそなえて懐中電灯や、ろうそくを買いに走ったり、給水車に並んだり、あるいは町内会での安否確認をしあったりしたものだったが、あの時の記憶がまだあるから、今は、例えば常に枕元には懐中電灯があるし、水も20リットルのポリタン2個分は確保してあるからもし断水というようなことがあっても夫婦二人暮らしなら当座の役にはたつだろう。まだ過去の教訓がいくつか生きているのだ。
しかし、ニュースをみると、台所の物が落ちまくり足の踏み場もなくなっている家庭とか、商品の棚から品物が落ちて散乱しているコンビニ、あるいは数万冊の蔵書が棚から落ちて散乱している図書館などの映像があった。被害にあったところは、皆お気の毒にとは思うものの、ここは、この間の震災の際の教訓を活かしストッパーをつけるなりなんなりの手をうたなかったのだろうかとも思ってしまった。
「天災は忘れた頃にやってくる」とは中谷宇吉郎の言葉だが、タカさん位の歳になると、厄災の記憶の蓄積はそれなりにあるが、例えばあの3.11の震災の時点では、まだ幼かったタカさんの孫にとっては、「懐中電灯は身の回りにおいて寝るように」とか「棚からガラスなどが落ちているかもしれないからスリッパを履いて歩こう」などという地震の際の教訓は多分、身についていないだろう。
あの商品が棚から落ちまくっていたコンビニも、本がちらばってしまった図書館も、きっとあの震災以降に開店したとか、開所したために、過去の教訓をいかせなかったのかも知れない。
そういえば、予報の出ている、月曜日からの大雨に備えて、地震で屋根瓦が落ちた家の屋根には、ブルーシートがかけられている映像を見たけれど、あんなに大きなブルーシートが何処の家にも備えてあるとしたら、あれはやっぱり東北大震災か何かで得た災害の教訓のなせる業なのだろうか。タカさんの近所の家で大きなブルーシートを常備している家があるとは思えないのだが。
（02/15/21 10:00pm）
2021年2月15日
治安部隊
日本でも60年代にはよく見たデモ鎮圧のための催涙弾や放水車だが、ここ半世紀程は、ついぞみたことはないが、最近だとロシアや、タイやミャンマーで治安部隊がガス弾や催涙弾、放水車などを使っている画像を見て（そういう言い方は不謹慎ながら）なんだか懐かしくもあった。
アメリカでは、先月のトランプ支持派による国会襲撃の際には、治安の側は、実弾まで使ったというから、日本は、この点でも世界の中では異質な国といってもよいのかもしれない。（日本人がよっぽど根性なしなのか、それともそれほど目立った対立点がないからなのかは不明だが）
もっとも、戦前の日本には特高警察や憲兵のような強力な治安組織があり、小林多喜二や伊藤野江のように彼らによって虐殺されるなどという例にも事欠かなかったのだから、他国の事をとやかく言えた義理はないのだが――。
世界的にも歴史的にも、治安当局による暴力というのは保守派による左翼に対するものに限らない。スターリンによる大粛清や、文化大革命や天安門事件による大虐殺は左翼系と言われた側から保守派、守旧派に対するものであり、現在の中国政府による新疆ウィグルに対するジェノサイドや、香港民主派への弾圧などは民族問題も絡んでいるし、その規模や残虐さにおいて過去に例を見ないほどに激しいものだ。
考えてみると近年の対立は、何処の国でも「戦争反対の為の戦い」とか「平和を求める為の戦い」あるいは「悪を正すための殺人」などという絶対矛盾するような言葉が飛び交い、それを皆が「何か変だな？」とも感じなくなっているのだから、文明が進んできたとはいうものの、所詮人間も野蛮な動物の一種であることに変わりはないということなのだろうか。
アメリカでも、武器をもたない黒人を武装警官が発砲して殺してしまったとか後ろ手に手錠をはめて首を絞めた――などというケースばかりだが、こういった虐殺警官に対して、ほとんどのケースで無罪評決が出されているように、治安要員が、その暴力に対して罰せられることは極めてまれだし、中国やロシアに於いても、毒殺を働いた治安要員や、人権派の国民を逮捕して虐殺してしまった―――ケースでも、殺した側の人間が罪に問われることもない。
日本でも戦前の特高や、憲兵隊などで働いた要員のほとんどが、東京裁判で戦犯に問われることもなく、ほとんどが戦後日本で復権し活躍しているから、ロシアや中国でも弾圧者が罪に問われることもないだろう。
そういえば、チャップリンのセリフに「一人殺せば殺人者、100万人殺せば英雄だ」というのがあったなぁ～。
（02/14/21 10:00pm）
2021年2月12日
スーパーカーはいかが
サウジアラビアに行った時、砂漠の中にクレーン車やブルドーザーといった日本製の建機車輌が千台ちかく放置されている風景に出くわしたことがあった。「あれはなんだ？」と現地スタッフに聞いたところ、「故障した車両を修理するのも大変だし、新品を買えば済むことだから――」との答えだったので、オイルマネーで潤っている国とは聞いていたけれど、数千万円、中には1億円を超えるとも聞く建機車輌をちょっと故障した位で捨ててしまうとは、なんと剛毅な！とそのアホみたいな金遣いに感心するやら呆れるやらしたものだった。
産油国で、サウジ同様その金満ぶりが有名なアラブ首長国連邦のドバイの市街地では、最近フェラーリやポルシェ、ランボルギーニといった、夢のスーパーカーの放置が急増しているとのニュースをYouTubeでみた。
一台数千万もする車を、鍵もついたままで放置するとは一体、どういうことなのかと仰天し、あのサウジの建機車輌の墓場を思い出したのだが――こちらは皆ちゃんと動く新品車両だというのだから何とも訳がわからなかったのだが――。
これもどうもコロナ禍が関係しているようで、コロナで職を失った外国人が、ローンの支払いが残った高級車を意図的に放置して、国外に逃亡してしまうケースが続出、結果新車のスーパーカーの墓場が市街地に出現しているというのが真相らしい――――。
サウジやアラブ首長国連邦といった国々ではクレジットカードやローンの滞納は法で罰せられるので、捕まる前に国外に逃亡してしまおうという不届き者が絶えないというし、なにしろアラブの産油国の、外国人と現地人の比率が極端なところでは9対１にもなるので、滞納しそうな外国人の場合、自分の出身国や他国へさっさと移住（逃亡）してしまうのに抵抗がないらしい。
新車好きが多い日本人には向かないかもしれないが、コロナ禍から脱したと豪語している中国辺りだったら、この放置車両をちょっと磨きなおして売り出したら結構いい商売になるかもしれない――――。いや、もうすでにそんな商売が始まっているかも―――。
（02/11/21
10:00pm）
2021年2月10日
建国記念の日
通称祝日法ともいわれる「国民の祝日に関する法律」には、全14日間の内13日の祝日が、」例えば1月1日（元旦）あるいは1月の第二月曜（成人の日）等と明示されているが「建国記念の日」は「政令の定める日」とあり日付がない。
これは建国記念の日が制定された昭和41年（1966年）当時、戦前の紀元節であった2月11日を建国記念日とすることは、軍国主義の復活に結びつく――という社会党などからの反対があり、与党側が妥協案として「別途、政令に定める日としておけば、将来、建国記念日を変えたい時に法律を変えるという面倒な手続きをせず、政令だけを変えればよいではないか」という妥協案を出し、それが国会で可決された結果であり、その後50年以上そのまま「政令に定める日」として2月11日が定着しているからである。すなわち、日本の建国記念日は仮に2月11日になっているだけに過ぎないということにもなる。
確かに日本の「建国」記念日は一体日付的には何月何日が相応しいのだろうか――と考えてみると、これは中々難しい。
たかだか（といってはちょっと失礼だが）建国（1776年）から二百数十年に過ぎないアメリカや、フランス革命の始まった1789年の7月14日をパリ祭として祝うフランスが世界の中では今や「古い建国記念日をもつ国」のトップクラスになるほど、世界のほとんどの国が1900年代以降の植民地からの解放やら独立した日付を建国記念日としており、日本の建国記念日の由緒は群を抜いて古い（古すぎる）し、ちょっと眉唾っぽさもないではない。
紀元節は、神話的人物である神武天皇が即位したといわれる年の１月１日（太陽暦でいうと2月11日）を皇紀元年としてこの日を紀元節すなわち日本の国が始まった年と定めたのだが、勿論神武天皇自身が神話的人物である以上、歴史的事実として「この日に建国された！」と発言するのはちょっと恥ずかしいところもないではない。
しかしかといって例えば明治元年の始まった日（1月25日）だとか戦後の連合国による占領が終結し日本が独立した日（4月28日）を建国記念日だと定めても、これも又反対論が巻き起こるだろうし、やっぱり神話を持ち出す位のあいまいさの方が無難であるともいえる。（キリストが生まれた時を元年とする西暦（AD）だって実際にキリストが生まれたのはBC4年だとかいやBC2年だ、はたまたAD15年だ、といった具合に諸説あるし、キリストの実在さえ疑う宗教だってあるのだから、古事記が神武天皇は137歳迄生きたと書いていてもまあ目くじらを立てる必要もないかも知れない。
いずれにせよコロナ下のリタイアの身にはあまり関係ない祝日だけれど、建国にかこつけて一杯呑むとするか。
（02/09/21
10:00pm）
2021年2月9日
余人をもって代えがたい
昨年の10月、ことし3月に行われる千葉県知事選挙には、立候補せず引退するのではないかとの噂もあった森田健作知事がその去就を明らかにせず困っていた知事与党の自民党は、有力な後継候補も見当たらなかったことから、千葉出身でオリンピック金メダリストでもある鈴木大地スポーツ庁長官を担ぎ上げようと工作していて、本人もその意向があったとも言われていたが、そこに待ったをかけたのが東京オリンピック組織委員会会長の森元総理である。
森会長は自身が元首相であり、又小泉内閣の生みの親、安倍前首相の「政治の師」でもあるから、いかに政界引退後と言っても、今も自民党、ひいては政界全体には、隠然たる影響力があり、その森さんから「鈴木大地君をスポーツ庁長官から下して、千葉県なんかの知事へ、などとはケシカラン」と言われれば千葉県の自民党幹部も震え上がったに違いない。
千葉県自民党の表向きの「鈴木氏を断念」の理由は、「鈴木氏はスポーツ庁長官として余人をもって代えがたいから」ということではあったものの、オリンピック組織委員会会長の森元首相の強い意向が全てだったことは明らかだった。
その森会長が女性差別発言とやらで世論の猛反発を受けている。本人は妻や孫たちからも「もう辞めたら」ともいわれつくづく嫌気がさしていたので辞めるつもりだったらしいが、しかしコロナで「中止か延期しろ！」との世論が8割にも上るという東京オリンピックを、何が何でもやって欲しいIOCのバッハ会長をはじめ、森会長の首切りなどという損な役回りになりたくない組織委員会の委員長武藤氏やらなにやらが寄ってたかって、「余人をもって代えがたいのだから辞めないで欲しい！」と押しとどめたという。
たしかに「延期か中止すべきだ」という世論が強い東京オリンピックだけに、ここで森会長が辞任したらますます開催が危ういだろうし、もし森さんが辞めたために、次期会長を頼まれても今引き受ける人はまずいないだろう。（安倍前首相だとか財界重鎮の名も挙がっているが、まさかこんな時期にこんな貧乏くじを引き受けようという人はいまい）オリンピック組織委員会という組織は、東京都とJOCが設立した一般財団法人だという。そうなれば次期会長候補は、元知事とかJOC重鎮の中のだれかがということも考えられるが、歴代の都知事や、どこかの競技団体のお偉いさんだった人たちの中にも、数々のスキャンダルにまみれたひとも多いから、やっぱり森さんが「余人をもって代えがたい」ということになるのではないだろうか。
（02/08/21 10:00pm）
2021年2月8日
伝える努力
昨年12月から1月にかけて自宅療養中のコロナ患者が29名死亡したことについて立憲民主党の蓮舫議員が菅首相に質問したが、菅首相が「そこは大変申し訳ない思いであります」と再三述べたが、ここぞとばかりに責め立てる蓮舫さんは「もう少し言葉はありませんか」と追及の手を緩めず、首相が再度「心から大変申し訳ない思いであります」と頭を下げると、「そんな答弁だから言葉が伝わらないんですよ。そんなメッセージだから国民に危機感が伝わらないんですよ。あなたには首相としての自覚や責任感、それを言葉で伝えようとする、そういう思いはあるんですか！」と畳みかけた。低姿勢をつづけてきた首相もさすがにこれにはカチンときたのか、「少々失礼じゃないでしょうか」と反論をはじめ「昨年首相に就任以来、一日も早く安心を取り戻したい、そういう思いで全力で取り組んできました。緊急事態宣言も悩んで悩んで判断した。言葉が通じる、通じないとか私に要因があるかもしれませんが、精いっぱい取り組んでいるところです」と答えていた。さすがの蓮舫さんもこの首相のけんまくには多少たじろいだのだろうか、「その精いっぱいは否定しません」と努力を認めたていたが―――。
首相を引っ張り出しての国会での質疑応答で、どうやったらコロナを抑えるかの対策についての話ならともかく、首相の言葉が心に響くかどうかとか、私の心には響かない、だのという話をして、一体何をしたかったのだろうか。
蓮舫さんとしては、国会の場で菅首相は問い詰め、亡くなった患者に涙ながらに謝れと言いたいのだろうか、そして首相は、このコロナ患者の死者に対する責任をとって首相を辞めるべきだとでもいうのだろうか。そして、国会で首相を泣かせたとか、その首をとったと、手柄にでもするつもりなのだろうか。
コロナ患者が急増したために十分な医療体制がとれていないというのは、確かに今までの医療行政に不備な点があったからということは否めないが、それはコロナという未曽有の不可抗力的厄災が突然襲ってきたからということも考慮しなければならないのは確かで、政治だけではなく社会全体の問題の積み重ねの結果でもあるといえるのではないだろうか。
首相がここで蓮舫さんの心に響くような言葉を発し、涙を流し首相を辞めたら、コロナが収束しコロナ患者がすくわれる等というものではないと思うが――。
蓮舫さんの党は、昨年初め以来、コロナに関して何か具体的で建設的な提言をしてきたのだろうか、昨年コロナ騒動が始まったころから、コロナそっちのけでモリカケ、サクラ問題ばかりをやっていたのはどこのだれなのだろうか。
すくなくとも蓮舫さんが昨年来やってこられたことに対して蓮舫さんの「伝える熱意や誠意」を感じた人が一体どれほどいたのだろうかとも思う。
（02/07/21 10:00pm）
2021年2月5日
西洋崇拝
新聞に防衛省、自衛隊での11月月間コロナ感染者数が100名を超していたという記事が出ていた。クルーズ船以来、最近の宮古島やコロナ最前線でのクラスター対応や大規模災害での復旧活動などでの活躍が賞賛されることの多い、自衛隊だが、自衛隊に批判的なマスコミや左派にとっては、「月間100人もの感染者を出しているとは！自衛隊は何をやっているのだ！」と言いたいようだ。
現在自衛隊・防衛庁の人員は総勢300000人からすると100名の全体に対する割合は3000人に1人、すなわち0.03％ということになり、0.03％ということは全国の警察官（250000人程）でいうと月間75人程度ということだから、署長以下幹部職員全員が送別会やら忘年会で集まった結果、一つの署が機能不全に陥ったとかいう記事を何度か見た記憶からすると、自衛隊だから特に「たるんでいる！」という訳ではなく今の日本では避けられない割合と、思えなくもない。まして国会議員とその秘書などを含めた「議員及び国会関係者」よりは、比率的には少ないように思えるし、東京都での12月の月間感染者数は0.03％よりは多かったようにも思うのだが―――。
統計数字を使ってごまかしによく使われるのが、この種の、総数と比率の使い分けだ。
人口100人のA村と1,000人のB村の、2つの村があって、この10年間でA村では1件、B村では9件の窃盗事件が起こったとすると、A村での窃盗事件発生率は、1％、Ｂ村では0.9％ということになる。窃盗事件が起きたところには住みたくはないが、どちらかに住まなければならないとしたら、村の規模を知らず、犯罪発生率だけを聞かされれば、Ａ村よりはＢ村の方がましかなぁと思うだろうし、１件対９件の発生数だけを知らされた人なら間違いなくA村の方が、まだ治安はよさそうだと思うだろう。
先日テレビの民放のニュースワイド番組で、コメンテーターがドイツの対策を称賛し、「日本もドイツを見習え！」みたいなことをいっていたが、感染者数が2600万人（死者45万人）を超えたアメリカや、インド、ブラジルなどは論外としても、感染者数224万人（死者数5万９千）に上るドイツの何に見習え！と言っているのか今一つ理解できなかった。（ドイツの総人口は、8,300万人）
今現在、日本の感染者数は40万人、死者数は6千人と、とんでもない数ではあるが、総数をとっても比率（日本の人口は12,500万人）をとっても、ドイツよりは少ないはずだが――。
まさかとは思うが、明治以来の西洋崇拝が、未だに日本のテレビコメンテーターさんたちを支配しているのだろうか。
（02/04/21
10:00pm）
2021年2月4日
恐水病
生物と非生物の違いについては、いくつかの定義が言われている。細菌は生物であり石ころは非生物であることは、例えば細菌は自己複製するが、石ころは自己複製しないとか、細菌は代謝を行うが、石ころは代謝をしない等という違い、すなわち自己複製するかしないか、あるいは代謝をするかしないか、が生物か非生物かの違いだとする説がある。
ウィルスは生物なのか、非生物なのかというと、前記の定義を当てはめると、ウィルスは、自己増殖もしないし代謝もしないで生物の細胞に寄生してその細胞の自己増殖や代謝に便乗しているのだから非生物だともいえる。（実際、ウィルスは生物か非生物かは、未だに議論が絶えないとか）
新型コロナウィルスをはじめ、人類を悩ませている、例えばインフルエンザやエイズ、Sars、Mars、 A型肝炎といった感染症のほとんどが細菌性ではなくウィルス性によるものだ。ウィルスの大きさは細胞の200分の1から700分の１とめちゃくちゃ小さいときているから、人類がその存在を知ってからからまだせいぜい100年程に過ぎないのだ。
コロナの感染拡大阻止の決め手といわれるワクチンだが、インフルエンザなどの多くのウィルス性感染症が、そのワクチンが開発されても未だ持って根絶できていないということを考えると――7月には世界100か国余りの選手をあつめてオリンピック開催――が可能だと思うのはあまりにも無謀だという気もする。
致死率100％といわれる狂犬病もウィルス性だ。日本国内では近年この病にかかる人はないが（20年程前にフィリッピンからの帰国者の2例があるのみ）、世界ではいまでも年間60000人ほどが亡くなっている実に怖いウィルス性感染症だ。予防注射薬はあるが効き目は半年位しか効かないから狂犬病のある国に行くときには何しろ動物に咬まれないように気をつけるしかない。犬からうつるのがほとんどだが、鹿やウサギ、ハムスターなどに咬まれてもうつる場合がある。（ロスなどの公園では、かわいいリスをよく見かけるが、地元の人は狂犬病を怖がって絶対にちかよらない）
そうそう、狂犬病は別名恐水病（hydrophobia）ともいわれ、これにかかると水を極端に怖がる症状がでるらしい。恐水病患者が水に触れると、もの凄い痛みが襲うので、動物でも人でもその痛みに恐怖して水を怖がるようになるのだとか―――医学に関してど素人のタカさんは、ひょっとしたら狂犬病ウィルスにとって何らかの理由で、水が大敵なので、寄生した動物が水に近づかないようにと、ウィルスが寄生した生物をmanipulate（操縦）しているのかなぁ～とも思うのだが―――。もしそうだとすると、無生物のはずのウィルスにも意思はあるということになるのだけれど――。
（02/03/21 10:00pm）
2021年2月3日
ビルマの竪琴
1961年にコンゴ動乱の調停に奔走する国連のハマーショルド事務総長がザンビア上空で飛行機事故で（撃墜されたと言われる）死去した直後から、事務総長職を継いだのはビルマ（現ミャンマー）のウ・タントであった。彼は以後十年程に亘って事務総長職に留まったことと、子供時代、竹山道雄「ビルマの竪琴」に感動したこともあって「ビルマ」は自分にとってはなんだか親しみの持てる国だった。（飛鳥山公園にお花見に行った時、日本在住のミャンマーの人たちが水掛祭で、お互いに水をかけあっているのに出くわしたこともあったっけ）
そんな個人的な、ビルマに対する好印象とは違って、ビルマの歴史は中々厳しいものがあるようで、イギリスから独立を果たして以降は、それこそ政治的混乱と貧困（アジアでも最貧国レベルにあるらしい）の中にあるようだ。
欧米が民主化の女神の様に持ち上げ、91年にはノーベル平和賞を受賞したアウサン・スー・チー女史も、最近はロヒンギャ族に対する暴力や虐殺行為を止めなかったとしてアムネスティーやフランス政府などから非難されている。
そのスー・チー女史が軍に身柄を拘束され、ミャンマー全土はクーデター下ともいえる状態にあるようで、曲がりなりにも民主化に向かうかと思われたミャンマーは再び軍による強権政治に戻る可能性が強くなってきているとか。
インドシナ半島、そしてインド太平洋での覇権を隠さない強権中国とは、ミャンマー軍政は相性がよいようだし（スー・チー女史も中国には媚びをうってきていたが）、米国や欧州各国が慌ててスー・チー女史の軟禁に対する非難声明を出してはいるが、そうそう簡単にこの混乱がおさまるとは考えられない状況だ。
日本は中国や欧米とちがってここ半世紀ほどは、軍政とも民政とも、上手く付き合ってきたようで、いつもながらのコウモリ外交（ちょっと、恥ずかしいことだが）が機能してきた国と言えるようだがさあ今度はどうするのだろう。
そういえば、随分以前、商社の集まりで、当時、軍政だったミャンマーの某公共土木事業の無償援助を続けている日本に対して、スー・チーさんが「日本は我が国に対する無償援助を止めるべきだ！」と働きかけていると言って怒っている某商社の担当者がいた。彼が怒っていたのは、「日本は軍政も民政にもかかわりなく、ミャンマー国民にとって良かれと思って援助しているのに、彼女は、政権が欲しいからと言って民生工事をするな！といっている。なんと非情な女だ！」というのだが―――。あの無償援助がどうなったのか、寡聞にして知らないが―――あの時、政治がらみのプロジェクトというのには首を突っ込みたくはないものだと思ったものだった。
（02/02/21 10:00pm）
2021年2月2日
ベジタリアン
体重を減らそうとしてベジタリアンだビーガンだと菜食主義をとる女性が多いとか。ベジタリアンになって体重が何キロ減っただとか毎朝快便になった―――等という広告もよく見かけるし、禅寺の修行では肉食は一切しないのに修行僧は健康で体力もあるし、偉い高僧は皆かなりの長寿であること（長生きしたから高僧と言われている――という面もあるのだろうが）からすれば確かに菜食はダイエットにはなるような気がしないではないが―――。
しかし、ここで「待てよ、草しか食べない草食動物の中でも、ウシは随分太っているのはなぜだ？」という疑問が湧いて来る。子供の頃、野原で草を食べては横になりもぐもぐとよだれを垂らして反芻を繰り返しているウシは、体はごっついしいざ働かせると、ものすごく力持ちではないか―――。
まあ、ものの本によると、草食の牛に、なぜ筋肉や脂肪がついているのかといえば、牛には胃が4つあって反芻を繰り返していて、その胃の中の細菌が消化を助けてくれるから栄養分を無駄なく吸収できるうえに、最後にはその消化のお助けマンだった細菌（たんぱく質の塊といってよい）迄、しっかりと消化してしまうからで、なんのことはない牛は一見、菜食主義のように見えるけれど実際は理想形の栄養バランス食をとっているのだ―――と聞いたことがある。
なるほど、菜食といっても牛みたいに一日食べ続け、よく消化して暇があれば横になっていれば、痩せないどころか筋肉と脂肪がガッチリつくだろうし、いざという時の体力もつくのは分かるような気がする。
コロナ騒ぎで運動もせず、日がな一日ゴロゴロしているといくらベジタリアンだのビーガンだのとダイエットに気を使っても、体重が減らないのは当然なのかもしれない。
（02/01/21 10:00pm）
2021年2月1日
Keep Calm and Carry On
記者会見の度にフリップを掲げ、新たなスローガンを繰り出す小池東京都知事だが、多発し過ぎてどれも中々定着しないのはやはりその標語に今一つセンスがないからか、分かり難い、といったことがあるのかもしれない。（個人的には「５つの小（少人数、小一時間、小声、小皿、小まめ）＋こころづかい」なんていうのは中々考えられていると思ったが―――感染流行当初に政府が言い出した「３密」のパクリと思われたことや、「食事の仕方までいちいち干渉がましい――」等と思われたのが今一つ標語として定着しなかった理由かもしれない。
交通安全標語の中には日本人のほとんどが知っている「右を見て、左を見てから渡ろうよ」とか「飛び出すな、車は急に止まれない」などという中々役に立つものもあるが、今一つユーモアに欠けるような気がしないではない。（タカさんが個人的に気に入っているのは、未婚者限定（と思われる）の「とびだすな しんだらおしまい けっこんできない」だが、この標語も、ユーモアを感じるかどうかは人によるだろうし、怒り出す人も多いことだろう。
標語ができるとかならずといってよいほどそのパロディが作られるが、三密にしても「今までは、三密で生きてきました」とか「三密より壇蜜♡」と書いたT-シャツが売り出されたという話も聞く。
そういえば、戦争中に、国民に耐久生活を呼び掛ける標語ポスター「贅沢は敵だ」の敵の前に素をいたずら書きする者がいたとか―――。タカさんの学生時代にもたばこの「いこい」の宣伝ポスターで「今日も元気だ、たばこがうまい」というのがあったがこのポスターの「うまい」の前の「が」の濁点を消してしまって「かうまい」にしてしまった奴がいたけれど、そのセンスの良さに感心してしまったことがあった。
ユーモアの本場と言えばイギリスだが、ドイツからの空襲を予期していたイギリス政府は、国民に向けに「Keep Calm and Carry On」（落ち着いて、いつも通りの生活をしよう）というメッセージを書いたポスターを用意していたという。赤一色で中々センスのあるデザインのこのポスターだったが、実には使われず何万枚ものポスターは再生紙に利用されてしまったらしいが、たまたま残っていた数枚が10年程前に発見され、当時経済的にも混乱していたイギリス社会でそのレプリカが大人気になって、このデザインや標語を使った、様々な商品が大人気となったが（今でも、アマゾンでは色々な商品が売られている―――マグカップなどはお勧めだ）、皆がコロナで浮足立っている今の日本では、案外、この標語（落ち着いて、いつも通りの生活を）が上から目線感もないし、いくらかユーモアも漂っているような気もするから――受けるかもしれない―――。
（01/31/21 10:00pm）
本日の「日々早々」に戻る
2021年上期の各月バックナンバー： 1月 2月 ３月 4月 ５月 6月
金曜日シリーズ全目次 ←ここをクリック
「日々草々」全バックナンバーリンク表 ←ここをクリック